8637さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.4

希望は唯一無二で大切な活力...
90分という潔さと中弛みの無さに好感。かなりエモで擽られた。
いつまでも続く幻想まがいの自由現実は、彼らと同じ"箱の中"で発令と解除をループする今の私たちに似ていると
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いちごの唄(2019年製作の映画)

3.3

主人公が何でも過剰に声や表情で表すので、軽く精神障害を抱えてるって設定なのかと思っていた。でも実際は自分もここまで表すんだろうなぁ、なんて思いながら観てた。だって...石橋静河とあんな恥ずかしい会話し>>続きを読む

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

3.0

隔離空間の中で反芻されていく言葉たち。たった数ヶ月の為のお別れ。でも、その時間が大事だった。
多少ドキュメンタリー的ではあるが訓練シーンのリアルさは素晴らしいし、スマホ映像も相まって映像詩の様に心に語
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.8

地位が下のものが上級者に向かって争いを起こし、それが良い意味で決する事を「革命」と云う。

同じ列車に幸福も不幸も集まり、知らない間に適当なコミュニティを形成させられている。列車の車体や外見はどこも同
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不思議なヤギ(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「不思議なヤギ」か「Magic Alps」か。この映画にタイトルとして寄せる一言が変わってくるだけで、余韻の深さも変わったのかも知れないな。断然後者好み。

最後ヤギ、人間に殺されたのかと思っていた。
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.6

"妹がよく観ているシットコム"的な新感覚のコメディだった。それにただカッコいいだけでなく物語が出来"揚がって"いる。更に、物凄くチキンが食いたい腹にまんまとさせられた。

あくまでも映画の範疇でバラエ
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.2

"伏線のような、間延びのような..."状態で正当な評価が付けづらい。
結局真相は明快には表されていないようなのでかなりしんどいが、それを示唆する言葉の数々に圧倒されては忘れた。
因みに、音に加え映像も
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.3

【この映画を観た観客、それも"彼ら"と同じ14歳としての感想が書ければいいなと思います】
【構成に関するネガティブな発言をしますが、生徒及びこの映画に出演した方々への誹謗中傷は一切しないよう努力します
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君が君で君だ(2018年製作の映画)

4.5

2回目。
こんなにも非道徳的な生き方を"青春の終わり"みたいに捉えて観客に伝える事ができた、松居大悟監督の最高傑作だと思っている。
この映画を愛している。

一人の女性に、何故ここまでの事ができるか。
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ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.5

トレパネーションの影響とはいえ、強姦まがいな行為・荒らし・ストーキングなど名越のやっている事が全部人として恥ずかしい。そこが気になりすぎて後半殆ど入って来なかった...
そして其れ関係なく、不足な説明
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斬、(2018年製作の映画)

3.7

殺される事で死ぬ、脆い人間の儚さを知らされる映画だった。

幕末の世にも蔓延る不条理。だからこそ人々は根の生き様が強い。

完全に予告の印象ありきなのだが、飾らないシンプルさが反対に役者の本質を引き出
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お静かに(2017年製作の映画)

3.2

なぜ、彼はあんな選択をしたのか。なぜ、最後に彼は笑ったのか。なぜ、あれでいいと思ったのか。
無理だ。割り切っているけど何も救われてない。会社も自社の保身のために見捨てるし。誰かがちゃんと律しなければ駄
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ふくろう(2003年製作の映画)

3.2

"絶望ヶ丘(笑)"に向けての綺譚。

男が来て、酒を飲んで、あとは本能に任せて、また酒飲んで、死ぬ。その繰り返しがずっと続くだけではなく(続いたままでも一定の面白さはあった)、シチュエーションコメディ
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きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

4.1

この映画に感じた既視感について後から考え直してみて、「俯瞰的なロールプレイングゲーム」なのだと分かった。或いは、夢の中。
リアリティ溢れるのに新鮮。側から観たら可笑しいけど、あの町の中の世界ではあの単
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8月のアチェでアリさんと話す(2017年製作の映画)

2.9

「海を駆ける」から派生したインタビュー映画。だから合わせて観ると理解できる事もある。

アリさんの話もそうだが、その奥で子供が喚きながら歩いているのもかなり混沌だな。

海を駆ける(2018年製作の映画)

3.7

不可思議な画面比から時たま感じるアチェの質感。非現実的すぎて現実みすらある感覚。
ラウの周りで主に語られていく物語はいつも繊細。だけど映像はいつも、感情的にラウという男の凶暴性を語っている。

ラスト
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閃光(2018年製作の映画)

2.9

まぁ、総称してみると、生きているんだなぁ、という映画。

しかし、ふらりと生活に介入してきた女性を受け入れる彼も彼だし、映画としてまだ違和感は残る。

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

3.5

"なくなる事で初めてその大切さに気付く"映画の最終形態。その中には文化の在り方さえも考えさせられる場面もあった。
映画が亡くなっていく様を見つめていく役の濱田岳は、撮影中相当辛かったのかもしれない。
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犬猿(2017年製作の映画)

3.2

横暴も自決も、全ては些細な行き違いから始まるわけで。

力関係や容姿で示されたこの世の不条理を、補い合うようにして始まる"兄弟喧嘩"。地道に生きる者にもプライドがあるのは分かるけども...良くも悪くも
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.0

ここまで自分と真反対な思考を提案できる"もう一人"が果たして自分の脳内にいるのか、という疑問は置いといて、名作と言われる「勝手にふるえてろ」を観たけど殆ど覚えてない自分にとってはこちらがかなりの傑作だ>>続きを読む

大人ドロップ(2013年製作の映画)

3.2

あれっ、「息子」ってこんなアオハルに似合う曲だっけ。

誰もが平等に持っていたのかもしれない青春。子供は大人になりたくて、大人は子供に戻りたい。そんな板挟み。イタい程の青春も現実の内の一瞬なのに、映さ
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.9

松竹×吉田大八でしか生み出せなかった文芸エンタテイメント。
自分が命を賭けた物。その休刊・廃刊・web化の涯てに狂い、冷徹ながら誰もが嘘つきで騙されている。
炎上商法・熱愛報道・老害共の権威争いなど"
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.8

今は多種多様な生き方が社会的にも許容され始めている時代。だけど、この映画の中で放浪者という人種は、ただ生きているだけで周りに心配されている。自分から苦楽の道を行くのは自由だが、自由奔放な彼女を果たして>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.4

非凡は慕われると同時に、儚い...
格闘技とは唯一無二の合法流血。プロの夢を目指す人たちが、納得いかなくても評価を受ける現実。
ボクシングの基軸は痛みだから、配慮はいらない。一発のパンチが他人の人生を
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普通は走り出す(2018年製作の映画)

4.5

3回目。
観ながら初めて、渡辺に対して「これは、僕だ」と感じた。
知識だけは肥えてるから、日頃からくだらない事について無駄にでかい声で話して相手を困らせて、映画は現状作れないけどただ威張って怒鳴り散ら
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ふたり(1991年製作の映画)

3.1

大林宣彦、中期の大長編。久石譲の奏色により"ジブリ的"と言われるのも分かる一作。

イマジナリーフレンドに頼り過ぎると、なくなった瞬間に自分自身に欠陥を生む。家族、学校生活の充実感さえも自分で蝕んでい
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Groovy(2017年製作の映画)

4.3

2回目。全く上手く言えてないので、飛ばしてください。







"NO MUSIC NO LIFE"なら音楽があればそれだけで人は生きていけるのか...
ファーストカットでまず、"今泉力哉"として
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キャッチボール屋(2005年製作の映画)

3.4

2回目。
大森南朋×愉快な役者たち×SAKEROCKの編み出すオフビート感こそが最強な一作。

繰り返される平凡な日々。それでさえ紡がれれば素晴らしいものになる。
印象に残る百恵の音楽。誰かの生活に欠
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疾走(2005年製作の映画)

3.3

恐くて、哀しすぎて、虚しすぎて、観ていられなかった。
比べるものではないが、すぐに塩田明彦監督の「カナリア」を想起。もう観たくない。

弱者が解放にどれ程飢えているか知らない奴らに、正義の一刺し。
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ランブラーズ2(2021年製作の映画)

3.0

「リアリズムの宿」を1年前くらいに観たので内容を忘れた、というミスがありながらも、ただただ"ダベる"事に少しは意義を感じた31分間。

「?と嘘とビデオテープ」のあたりで共感。

人間失格(2009年製作の映画)

3.2

昔から甘やかされた坊っちゃまは、世間の労働のサイクルの何たるかも知らずに夢ばかりを追い続け、子供の頃から女に溺れ、徐々に酒に頼り、最後には...

終盤にかけて自身の思い出を特異的に回顧していくシーク
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。
...なんてそんな事、予習を一週間で済ませた自分が透かした面で言える事ではないが、それでも一週間はこの物語に縋っていたので、この終わり方には希望も絶望も感謝も自
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.0

終わって「シン」の予告編が出た瞬間、とてつもない恐怖が襲って来た。多分、この感情が全てかもしれない。

自分も全てを理解出来ていないし、希望も絶望も余裕も怠惰も苦痛も感じるようなラストカットにはただた
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月極オトコトモダチ(2018年製作の映画)

3.7

2回目。長谷川白紙にハマり「ナニカ」を聴くようになったので、また話の流れで聴こうと思って再見。

主体は"レンタル友達"なのだが、どうしても純愛感が否めないのが良い。徳永えりも橋本淳も隠れてあざといし
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

まず「ゾッキ」という全く訳の分からないタイトルから「え、これ、どういう意味なんだ?気になる〜」という感じでそそられる本作。しかしそれが本編で明かされるわけでもなく(※個人調べ)、結局"タイトル詐欺"み>>続きを読む