ろさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ろ

映画(824)
ドラマ(20)
アニメ(0)

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

5.0


「人間はおかしなものよの。自分の心の底を覗くのが怖いのじゃ。」

謀反を鎮圧した二人の武将、鷲津と三木は主君の待つ蜘蛛巣城へと馬を走らせていた。
ところが、あたり一面を深い霧に覆われる。
右往左往し
>>続きを読む

山猫(1963年製作の映画)

4.9



めちゃくちゃに格調高い205分(休憩なし)なのかと思いきや・・・なにこれ、すごいお茶目さんじゃん。
まず家族のミサが終わっても一心不乱に祈り続けるお母さんに笑っちゃって、野心家の村長を小馬鹿にした
>>続きを読む

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

5.0


保安官チャンスは殺人犯ジョーを逮捕した。
そこへ、ジョーを取り戻そうと兄・バーデットの一味があの手この手で襲いかかる・・・。

「あれがバーデットの言葉、“デグエイヨ”皆殺しの歌だ。」
「なるほど。
>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0


「世間の人は満足なんだ、ビッグマックとナイキで。でも僕は99%なじめない。」

高校を卒業したばかりのレベッカとイーニド。
さっそくカフェで働き始めたレベッカに対し、学生気分のイーニドはなかなか職に
>>続きを読む

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

5.0


全然笑えない。
途中までゲラゲラ笑ってたのがウソみたいだ。
鋭く刺されたみたいに痛くて、複雑な気持ちがざわついている。

テレビ画面に映る「現金に体を張れ」や彼らのイメージトレーニング「レザボアドッ
>>続きを読む

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)

5.0


ジョンは交通事故に遭った。
一命はとりとめた。
しかし、体を自由に動かせなくなった。

手を挙げることも、落ちたものを拾うことさえできず自暴自棄になるジョン。
そんな彼は禁酒の会への参加を決める。
>>続きを読む

12か月の未来図(2017年製作の映画)

4.8



パリの名門校から郊外の中学校へ。
生徒との関わり方を模索する一年がはじまる。


教育は常に先のことを見据えている。
中学校で学ぶのは高校受験のためだし、高校で勉強するのは大学受験のため、そして単
>>続きを読む

リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

5.0


「プルーストは人生を振り返り、苦しんだ月日こそ自分を形成した最良の日々だと悟る。幸せな月日はムダに過ぎて何も学ばない。」

想像よりもずっと哲学だった。
家族5人、颯爽と黄色い車に乗って、駐車場のゲ
>>続きを読む

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

5.0



「サメの目はまるで死んでいるみたいに動かない。それが獲物に食らいつくときだけ目玉がひっくり返って白くなるんだ。」


平和な観光都市アミティに人食いザメが出没。
次々と犠牲者が出る中、警察署長、漁
>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

5.0


星が瞬く夜空から、光を放つ宇宙船が降り立った。
木々の間から見え隠れする蠢く物体。
暗闇に懐中電灯の明かりがゆらゆらと揺れる・・・

リビングでゲームをする少年たち。
でも10歳の少年エリオットは仲
>>続きを読む

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

5.0



アダムとイブは禁断の実を食べた。
すると人間の中に感情という“色”が生まれた・・・。


白黒のテレビドラマ「プレザントヴィル」の世界には怒りも暴力も悲しみもセックスもない、それは“愉快な(Ple
>>続きを読む

イメージの本(2018年製作の映画)

4.7



私は考えている。
フィクション(架空)はノンフィクション(現実)、そしてノンフィクションもまたフィクションだということを。


ファンタジー、それは魔法が使える。
SF、それは時空を超える。
けれ
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

5.0



「“望む(Envie)”の中に“人生(Vie)”がある。僕は望んで生きてきた」

退屈な結婚生活を送るフェルディナン。
ある日かつての恋人と再会したことで、再び人生が動き出す・・・

「映画とは戦
>>続きを読む

未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

5.0



私たちはいつも、“映画”という未知に遭遇している。


おもちゃの車はひとりでに動き出し、レコードは恐怖と裏腹なカントリーミュージックを流し始める。
私たちの心の鍵穴には不気味な赤い光が差し込み、
>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

5.0



「たしかに人は弱く、病みがちで、醜く、諍いを起こす。だがもしそれだけの存在なら、われわれは何千年も前にこの地上から消えていただろう」


父親と二人、新しい町に越してきたチャーリー。
近所の馬主の
>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

5.0



「判事も去り、人も集まらない」
「それが人の本音だ。法律だ秩序だと口では何とでも言うが、腹の中の本音はどうでもいいのさ」


保安官ケインは結婚式を挙げたばかりだった。
そんな彼の元に、悪漢フラン
>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.8



「彼は“計画”というこの布地を着々と織っていた・・・」


出所したばかりのジョニーはさっそく準備に取り掛かる。
「どうせ捕まるなら、なにか大きなことをしたい」
彼の狙いは競馬場の大金。
競馬場の
>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

5.0



「人生って皮肉だよ」


有名コメディアン・ジェリーの熱狂的な追っかけをするパプキン。
自らもコメディアンとして成功したいパプキンは、あの手この手でジェリーに近づいていく。


いつのまにか芸能界
>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

5.0


「副大統領」のバイス、「悪徳・邪悪」のバイス


社会学部生だったのに政治・経済にとにかく疎い私(笑)時事を扱う授業で大苦戦していたくせに、予告編で大笑いしちゃったのでさっそく観てきました。

おも
>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.9


あの日に帰りたい、と思っても、わたしたちはもう一度やり直すことができない。
あの時もあの時も、と指折り数えながらも生きてゆく。
それでも、人生は美しいだろうか。


スーツ姿でピクニックにやってきた
>>続きを読む

ダンボ(2019年製作の映画)

4.8



「好奇心が未来を切り開くのよ」


サーカスで生まれた耳の大きな小ゾウ・ダンボ。
あるきっかけからお母さんゾウと引き離されてしまう。

「お母さんを取り戻すためよ、あなたの特技を見せて!」
羽を吸
>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0



もう大興奮だよ!!!
上着も着たまま荷物も置かずに機関銃のようになって、帰ってからずっと、母にこの映画の話をしていました。
面白かったんだ、本当に面白かった。
ちょうど今「映画に目が眩んで」という
>>続きを読む

マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

5.0



「映画館という洞窟に足を踏み入れ、券を切られたらもう引き返せない。一度暗い館内に入れば、何でもありだ」


『サッドヒルを掘り返せ』のインタビューに応じていた『グレムリン』のジョーダンテ監督。「僕
>>続きを読む

サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)

5.0



「映画の魔法はいつまでも終わらない」


人知れず残されていたロケ地・サッドヒルを復活すべく、『続・夕陽のガンマン』のファンが立ち上がった!
しかし、人手不足でなかなか作業は進まない。
そこで考え
>>続きを読む

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

5.0



むっちゃおもろいやん・・・最高やん・・・なにこれ・・・
なんでゴゼジューで観んかったんや・・・
ニラーメン(ニラたっぷりラーメン)を食べながら大興奮のお昼。
すっごくおもしろかったです!


狙っ
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

5.0


ある人は言った。
「中国でこんなニュースが・・・。中国ってコワイよね」
またある人は言った。
「これだから韓国人は・・・」

こういう言葉を聞く(読む)たびに、その人のことがイヤになりそうになる。
>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

4.8



寄宿学校の新学期。
日曜日の外出を禁止された生徒たちは反乱を企てる。


生徒のチョコレートを盗み食いする先生。
チャップリンのモノマネをうっかり見られる先生。
こどものように無邪気な先生たちがと
>>続きを読む

競泳選手ジャン・タリス(1931年製作の映画)

5.0



23コのメダルに、世界記録を打ち立てたタリスさん。
クロールや平泳ぎ、サメ泳ぎ(!)に横泳ぎなど、さまざまな泳法を見せながら、泳ぎ方のコツを教えてくれるスポーツドキュメンタリーです。


「父親の
>>続きを読む

ニースについて(1930年製作の映画)

5.0



人は動く。
歩く、食べる、笑う。
働く、眠る。

ときにカメラはいたずらっ子のように、おじいさんが読んでいる新聞や手紙を覗いては嫌がられる。
すまして歩く女たちを、茶化すように追いかける。
そうし
>>続きを読む

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

5.0


愛と自由の国・フランスが生んだ、愛と自由の物語「天国でまた会おう」。

ときは1918年。
休戦通知を無視した上官により、ふたたびドイツ軍に突撃することになったフランス兵・アルベールとエドゥアール。
>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

5.0



ず~っと観たいなと思っている映画はたくさんあるけれど、その中でも特に、ず~っと観たかった「アタラント号」!
ジャン・ヴィゴ監督の映画はもちろん、ミシェル・シモンさんのお姿をようやく拝見できました!
>>続きを読む

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

5.0



ティッシュボックスの角はベコベコに潰れてしまった。
わたしが壁に投げつけたから。

ヤスコちゃんは置き時計を何度も頭に叩きつけた。
枕元にたくさんの時計をセットしても、結局起きられなかったから。
>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

4.7



自由よ、響き渡れ


無実の罪で投獄されたファニー、そしてその恋人ティッシュ。
彼らの生活から見えてくるのは・・・

この映画にはKKKが出てきません。
明らかな暴言や暴力もありません。
だからこ
>>続きを読む

サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

4.9



誰だって、みんな必死で生きている
変わり果てた街で ふるえながらも


この映画は、ただ踊る映画じゃない。
ダンスで人の心を変えることもない、夢を追いかけることもない。
この映画は、さまざまな葛藤
>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.7



世の中には、水面をただ漂っている人がいる。
深いところを潜っていく人もいるし、なんとか潜ろうともがいている人もいる。
すべての人に言えることは、突然ひらめきのようななにかが降ってくることがある、と
>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

5.0


「結局は“何を考えるか”じゃない。“どう行動するか”だ」

どこにも、だれも書いていないから、もうビックリしたよ!
この映画が、“認知行動療法”について描いているってこと!
いまこのタイミングでDV
>>続きを読む