ろさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ろ

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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

5.0


「みんなの投票により、学年で最も無口な子が決まりました。」
集会で読み上げられた自分の名前、起こらない拍手。
中学卒業を目前に控えたケイラは、失望に顔を歪ませる・・・

「自分らしく過ごすためには・
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マンハッタン(1979年製作の映画)

5.0


「N.Y.は彼の永遠の都だった。」


42歳の放送作家アイザックは、17歳の高校生と交際中。
一方、彼の友人は不倫相手メリーに夢中だった。
彼女はなんとも鼻持ちならない女性で、アイザックはウンザリ
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Tommy/トミー(1975年製作の映画)

5.0


「僕を見て。僕を感じて。僕に触れて、僕を癒して。」


「オズの魔法使い」と「ベンハー」と「十戒」を足して強炭酸で割った上から「ロッキーホラーショー」をギュッと絞ったような、宗教×哲学の最強ロックミ
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恐怖のメロディ(1971年製作の映画)

-


「私のために“Misty”をかけて・・・」

ラジオDJデイブの番組には、いつも決まった時間に“Misty”をリクエストしてくるリスナーがいた。
そんなある日、バーで魅力的な女性イブリンと出会う。
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今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006年製作の映画)

5.0


「土曜の晩のライブショーへ ようこそ」

ラジカセを買ってもらったのは、小学2年生の夏だった。
淡いピンク色のラジカセで聴いていたラジオ。
福岡から大阪へ引っ越す前の不安な夜も、テスト勉強にくたびれ
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シーラ号の謎(1973年製作の映画)

5.0


“頭を使えば動かずに済む”

映画製作者の妻シーラがひき逃げ事故で亡くなった。
夫クリントは、6人の映画関係者を船に招待する。
そこで始まったのは、妻を殺した犯人を探し出すサスペンスフルなゲームだっ
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殺人ゲームへの招待(1985年製作の映画)

5.0


雷雨轟く不気味な夜。
6人の男女が山奥の豪邸に招かれた。
そこで手渡されたのは、6種類の凶器。
縄にキャンドル立て、ナイフに銃。
一人の男が殺されたのを皮切りに、次々と殺人事件が起こっていく。

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ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

5.0


「ショコラ」(2015)のように、博覧会に‘展示’されていたディリリ。
「私はずっと人に見られていたのよ。今度は私がパリを見る番!」
青年オレルと共に著名人を訪ねながら、少女誘拐事件の謎に迫っていく
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世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

5.0


親愛なるテオ
僕は近くへと歩んでいるつもりだが、それは遠いのかもしれない。
フィンセント・ファン・ゴッホ

世界最大の油絵林。
ここには一日中名画の複製画を作成している人たちがいる。
膨大な数の絵画
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0


何をするにせよ、それを愛せ。
子どものころ "パラダイス" を愛したように...

戦争、雇用問題、ラブロマンス、コメディ。様々なジャンルを赤ちゃんからお年寄りまで、たくさんの人が1度に 同じ空間で
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赤い河(1948年製作の映画)

5.0


「1万頭の牛をミズーリへ運ぶんだ。前代未聞だぞ。」

14年かけて荒野を大牧場にしたダンソン。
しかし南北戦争の煽りを受け、牛の価格は暴落。
北部までの道のり1600キロ、3か月かけて牛を運ぶことに
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トラベラー(1974年製作の映画)

5.0


恐ろしげな物を前に、逃げ出したくなった。
底無しの悲しみの中にいた。


ガッセムはサッカーが大好きだった。
宿題をしたと嘘をついて、毎日サッカーをした。

「お前の将来真っ暗だよ。いつまで養わなき
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北京的西瓜(ぺきんのすいか)(1989年製作の映画)

5.0


「小松菜一束50円もするのか。中国では5円だよ。」
「じゃあ、ジャンケンをしよう。君が勝ったら負けてやるよ。」
「ジャンケンなら中国にもあるゲームだ。」
月8万円で暮らす彼らに格安で野菜を売り始めた
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野良犬(1949年製作の映画)

5.0


「僕はこう思うんだ。世の中は悪い。しかし何もかも世の中のせいにして悪いことするやつはもっと悪い。」

恐ろしく暑い夏の日に、拳銃を盗られた。
そして起こった強盗事件。
使われたのは自分のピストルだっ
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青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)

5.0


雷が落ちるほどの衝撃に、僕は「どんどらはんじゃ~!」と叫んでいた。
ラジオから流れてきたのはベンチャーズのパイプライン。
それはデンデケデケデケの啓示だった。

バイオリンをギターに持ち替え、坊主頭
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卒業(1967年製作の映画)

5.0


大学卒業を機に帰郷したベン。
両親は盛大な卒業パーティを開き、客人は口々に言う。
「ベン、将来はどうするの?あなたのこれからが楽しみだわ。」
陽気な彼らをよそに、ベンはため息を吐く。
将来への不安を
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

5.0


「なぜ双眼鏡で見るの?」
「近くに見えるからよ、近くないものも。私の魔法のつもりなの。」

ボーイスカウト隊員のサム。
仲間と馴染めず里親にも見捨てられた彼はある日、ノアの箱舟の劇でカラスを演じるス
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リラの門(1957年製作の映画)

5.0


「みんな自分のことしか考えない。それで精一杯なんだ。」

酒飲みのジュジュとその友人の音楽家。
ある日、家に押し入った殺人犯ピエール・バルビエを匿うことになる。

うなされるピエールに薬を飲ませるジ
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

5.0


落ち込む父を励ましていた気丈な母は、ある日を境に「宿題をしなさい」の小言さえ言わなくなった。
夕食を作らない母は、長電話をする母は、背中のざっくり開いたドレスをなびかせる母は、僕の知らない人みたいだ
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

5.0


「こんな間抜けな賞金稼ぎ、見たことない!」

逃亡した被告人を連れ戻す“賞金稼ぎ”の元警官ジャック。
彼の元に、ギャングの金を横領した会計士マデューカスを捕らえろという大仕事が舞い込む。
いとも容易
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

5.0


彼が出演している映画は「スティング」と「明日に向って撃て!」しか観たことがないし、彼が手掛けた映画は「リバーランズスルーイット」と「普通の人々」しか観ていない。
なのにどうしてだろう。感動でいっぱい
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さよなら、退屈なレオニー(2018年製作の映画)

5.0


労働組合のリーダーだった父はこの町を去った。
ここに住む人は皆ゾンビのようで、私は大嫌いだった。

やりたいことなんて何もない。
将来なんてどうだっていいや。
そんなレオニーの17歳の夏。


レオ
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救いの接吻(1989年製作の映画)

5.0


「あなたは彼との間に子どもがいるじゃない。」
「でもあなたは彼と映画を生むでしょ。そんなの許せないわ。」


映画監督の夫が自分をモデルにした役を他の人に演じさせる、そのことを妻であり女優のジャンヌ
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アラバマ物語(1962年製作の映画)

5.0


「人を理解するには相手の靴を履いて歩きまわれ、とアティカスは言った。でも私には、彼の家の前に立つだけで充分だった。」

朝9時にはシャツが汗だくになるほど暑い、ここはアラバマ。
弁護士アティカスの娘
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

5.0


“You’ve got a friend in me”


アンディからボニーの手に渡ったウッディ。
しかし遊びに参加できず、クローゼットの中で憂鬱な日々。
そんなある日、ウッディの計らいからボニー
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シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)

5.0


「俺は悪役。それでいい。ヒーローになれないのは悪いことじゃない。今のままの自分でいいんだ。」
そう自分に言い聞かせたところで、みんなが暮らすマンションを横目に瓦礫の中で眠る夜も、ヒーローのメダルをも
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キングスマン(2015年製作の映画)

5.0


「“生まれの貧しさでは人生は決まらない”と言いたい。学ぶ意欲さえあれば変われるんだ。」
「“マイ・フェア・レディ”みたいに?」

も~~すっごくおもしろい!
娯楽アクションかと思いきや、権力・階級批
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マジェスティック(2001年製作の映画)

5.0


「そうとも、みんなが映画の魔法にかかる。映画館で観ることで。」

ここは映画の街ハリウッド。
駆け出しの脚本家・ピーターはある日、共産主義者の疑いをかけられる。
ときは赤狩り真っ只中。当然、新作のク
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

5.0


読まない手紙は溜まっていく。
味噌汁に入れたアサリが殻を閉じたままのように、カイは俯きがちで何も話そうとしない。
そんな彼の心に、サーッと海が流れ込む。
その波に乗り現れたのは、ルーだった。

音楽
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ガラスの城の約束(2017年製作の映画)

5.0


娘の私を“チビヤギ”と呼ぶパパは、働いていなかった。
空き家を転々とする生活は、家族を空腹にした。
次第にアルコールに依存するようになったパパは、暴力を振るうこともあった。

だけど、パパは私の願い
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男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年製作の映画)

5.0


蚊取り線香を焚きながら にっぽんの夏、寅さんの夏

ああ、いいよねぇ、ほんといいねぇ。
あのテーマソングを聴きながらオープニングを観ていると、なんだか嬉しくなっちゃって、自然と涙がこぼれていました。
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寄生獣(2014年製作の映画)

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先日、図書館で行われた講演会「このマンガも学習マンガだ!」を聞いてきました。
たとえば「のだめカンタービレ」だったり「ちはやふる」だったり、娯楽マンガとされる作品にも(知識だけでなく人生における)学
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カプリコン・1(1977年製作の映画)

5.0


「主人は“作り物なのにまるで本物だ”と何度も言った。“この技術ならどんなウソでも通る”って。」

宇宙船の最終チェックが終了した、打ち上げ3分6秒前。
3人の宇宙飛行士はヘリコプターでどこかへ運ばれ
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ドラゴン危機一発(1971年製作の映画)

5.0



叔父が紹介してくれた製氷工場で働くことになったチャウオン(ブルース・リー)。
正義感の強い仲間たちに、やりがいのある仕事。
そんな中、同僚たちが次々と姿を消し始める。
ある日、自分たちの作った氷に
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マーティ(1955年製作の映画)

5.0


「何度も悲しい目に遭えば、涙のプロにもなるってもんだ。」

34歳、独身マーティ。
弟が結婚すれば「あなたはいつ結婚するの?」、土曜日が来れば「家でくすぶってないで出掛けたら?」と皆口々に言う。
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ショート・カッツ(1993年製作の映画)

5.0



ぷかぷかと死体が浮かぶ、その隣で鱒を釣り上げハイチーズ。
子どもが意識不明で亡くなった、とは露知らず腹いせにいたずら電話。
職権乱用の警官は犬を捨て不倫し、男は家具を裂き見知らぬ女を殺す。


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