遠い昔に父の膝の上で観た記憶がおぼろげに残るばかりの木枯し紋次郎を撮った中島貞夫、御歳84才。京都国際映画祭名誉実行委員長にして太秦のレジェンドと崇められる彼が20年ぶりに長編に挑むと聞いて、公開を心>>続きを読む
今なお現役バリバリのアメリカ合衆国最高裁判所判事、若き日の成功譚。つまりタイトルからして結末は明らかなわけで、そのクライマックスに至るまでのプロセスこそが本作の魅力にも瑕疵にもなり得るという宿命を背負>>続きを読む
東北には来ないのかしら?と思っていたらまさかの利府とイオンシネマ福島のみ。配給がスペシャ、元を辿ればAfter School Cinema Clubの自主上映きっかけという日本公開までの経緯と何らかの>>続きを読む
予告編を見る限り、70年代ポリスもの社会派コメディといった雰囲気でしたが実際は様子がまったく違ってた。配分としては「憤怒のさなかに笑いの要素が箸休め的に挟み込まれてる」と捉えたほうがよほど正確であった>>続きを読む
予告編やキービジュアルにて「試されるのはあなたの想像力」などとゴリゴリに煽られたおかげであらゆるシークエンスに伏線めいたフックを探し求めてしまい、結果的に「え?これでおしまい?」と拍子抜けしてしまった>>続きを読む
「金曜の夜、何かこうスカッとするやつ観たいなー」というわけで本作の予備知識ゼロ、ついでにアベンジャーズシリーズを1作も観ていない状態でふらりと臨んだわけなんですが、結論から言うと大正解。最高!ちょう好>>続きを読む
長い。ベタ。でもそこがいい。インド映画に求めるすべてがここにありました。
話をざっくりおさらいするなら、掛け値なしのバカにして超がつくほどの正直者であるところの主人公が、たまたま拾った口のきけないと>>続きを読む
平日の午後らしからぬ混雑ぶり、さすがオスカーは伊達じゃないっスね…と感嘆するなど。
予想に反してことさら大きなクライマックスを演出することはなく、ひとつひとつのエピソードを静かに丁寧に描く作風なので>>続きを読む
大の大人が揃いも揃って全力でバカをやる圧倒的爽快感、好き…!
公式サイトが充実しすぎて、特にバカっぽさが突き抜けているシーンあれこれを茶番劇アワードと称して再掲するだけならまだしも、このためだけにわ>>続きを読む
主演のニコラス・ホルトは顔のベースがユアン・マクレガーで口元の造形が要潤、線の細さと目の鋭さが林遣都にそれぞれ重なるところがあるぞ…という見立てがあちこちぐいぐい転がってくのに驚きながら観てました。最>>続きを読む
年末にCSの映画紹介番組で絶賛されていたのと、実際に劇場でみた予告編に映し出されるケーキの数々が美味しそうなのでとても楽しみにしていました。静謐で美しく艶かしい作品。
妻子あるイスラエル人男性、赴任>>続きを読む
賞レース絡みで結構な話題になってるはず、にも関わらず近隣ではここしか上映していないとはこれ如何に。見終えたいま思うこと、それはただひとつ「良くも悪くもグレン・クローズのための映画」という厳然たる事実に>>続きを読む
タイトル曲にのせてアストンマーティンDB4のハンドルを握り、ロンドンの街並みを走り抜ける銀髪のマイケル・ケイン。自分は既に、この画だけですっかり満足してしまいました。
思い起こせば去年の正月、マイ・>>続きを読む
予告編を観て「これはきっと良作に違いない」と確信に近い予感を抱き、以後一切の事前情報を断ってこの日を迎えました。予感はやはり正しかった。素晴らしい。
住み慣れた家を娘たちに売られ、不自由な右脚の切断>>続きを読む
年末によく流れていた予告編をみる限り、重厚な人間ドラマとばかり思ってましたが実際はギャグすれすれのシニカルなおとぎ話でした。ジョージア映画を観るのはたぶんこれが初めてで、いろいろ勝手が違うので驚いたり>>続きを読む
たった16分間に無邪気と無鉄砲と恐怖と孤独と後悔と罪悪感が全部詰め込まれていて、子どもの頃の心細さを思い出しました。元気な男児を育てる親に観せたいけど観せたくない、辛すぎて
【myfff2019:無>>続きを読む
「スモーク*1」で孤独な中年男の色気だだもれのハーヴェイ・カイテル&長身痩躯にきらめくアッシュブロンドのトニ・コレット*2が競演するとあって楽しみにしておりました。なんてテンポの良い会話劇…!
そこ>>続きを読む
4Kレストア版。11月にこれもやはり4Kの「東京物語(53)」を観てしまっているせいか、映像の美しさに目をみはりながらもやはりあちらには及ばない…とわりあい冷静に受け止めることができました。こちらが初>>続きを読む
撮影当時まだ存命だった人物のドキュメンタリーということもあり、本人映像もたっぷり。それは分かる。分かるんだけど、レニ女史ったらもう超絶アクティブ。ロケ、めちゃくちゃ多い!
自宅での談話はもちろん、女>>続きを読む
壮大なタイトルに似つかわしくない、穏やかで家族思いで強く優しい男たちの物語でした。
マルクス主義哲学で教鞭を執る大学教授のセルジオ、ソ連の宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士セルゲイ。かたや文系のキ>>続きを読む
様々な音楽を貪るように聴いていた10代の自分がなぜ彼の音楽に夢中にならなかったのか、本作を見てあらためてよく分かりました。
自分はもともと「泣きのギター」と呼ばれる類のプレイスタイルがあまり好きでは>>続きを読む
夏にみた前作のバラと緑あふれる世界が、今度は一面の銀世界とペールトーンのパステルカラーに囲まれた暖かな暖炉のもとへ。憧れの子ども時代を追体験するクリスマスイブ、控えめに言って最高でした。ああ、もう、可>>続きを読む
ストーリーは王道中の王道ながら、ガガ様がガガ様であるがゆえに「プリティ・ウーマンからの女性上位時代」といった体をなしておりました。つまり、しょっぱなからガガ様があまりにも誇り高く美しく堂々と輝いている>>続きを読む
本編前のウータン・クラン25周年ショートフィルム"For The Children:25 YEARS OF ENTER THE WU-TANG (36 CHAMBERS)"目当てで出張ついでに鑑賞。>>続きを読む
ボヘミアン・ラプソディで「第2のキラー・クイーンを作れ」と迫るレコード会社を説得すべく、フレディがオペラのレコードをかけるあのシーン。「恋は野の鳥」とロックが融合する興奮も冷めぬままこの予告編を見てし>>続きを読む
売り文句にてあの名作「ぼくのエリ 200歳の少女」が引き合いに出されるとあって、これは是非とも観たい!と楽しみにしていた作品。
物語そのものは完全なるファンタジー、にもかかわらず折にふれリアリティに>>続きを読む
本作の主役、いや主演と呼ぶべきかもしれないチリー・ゴンザレスをこれまでほとんど聴いたことがなく、ジャーヴィス・コッカーやビョークとのコラボレーションでかろうじて名前を覚えている程度だったのですが、それ>>続きを読む
紛うことなきクソ映画オブザイヤー、ここに決定。東北生まれブリットポップ育ちの身には清々しいほどクソすぎてもはや「突っ込んだら負け」の様相を呈していますが、更なる突っ込みどころを探すためだけにむしろもう>>続きを読む
20世紀フォックスのいつものあのジングルがブライアン・メイのギターで奏でられると、そこから先はライブ・エイド当日の朝を迎えたフレディの背中越しの景色。Somebody To Loveが厳かに鳴り響く中>>続きを読む
きっかり65年前に公開された東京物語を東京で。不朽の名作として名高い本作を特別な日に見ることができた上、実際にご出演されている香川さんのトークショーに居合わせられるなんて…!たいへん畏れ多いです。なん>>続きを読む
三宅唱監督による舞台挨拶付上映。夏の終わりのこの時期にふさわしい、としか言いようがない映画でした。こんなふうにじっくり余韻を噛みしめる機会を与えていただけるなんて、これは一体どんな種類の幸福なのでしょ>>続きを読む
そもそも元祖・くまのプーさんシリーズをよく知らないうえ本作についても予備知識ゼロ、というか単にユアン・マクレガーが好きというただそれだけの理由で劇場に足を運びました。
アニメーションを知らずとも世界>>続きを読む
観ていてぞくぞくさせられる、片時も目が離せない映画でした。とても魅き込まれた。
物語が纏う雰囲気は冒頭からどこか危なっかしくふわふわしていて、展開のひとつひとつが現実味を欠いているものの、その唐突さ>>続きを読む
ここ仙台では8月10日が公開初日。何という上映回数の多さ、そしてこの混雑っぷり。金曜夜とはいえ、レイトショーがほぼ満席です。すごい。チネでこんなの久しぶり。いつ以来だろ?多分あれだ、この世界の片隅に以>>続きを読む
言わずと知れたスパイ映画シリーズにして終始トム・クルーズがひたすらすごくてヤバくてかっこいい、端から端までトム無双映画であるという事実は重々承知してるんですが、すまんトム。わたしは終始、トムそっちのけ>>続きを読む
もうね、あれだ、オープニングからしていきなり完璧。あまりに近く寄りすぎて輪郭を失った淡いピンクのバラの花びら、みずみずしいきみどりの茎と葉、クレジットタイトルの文字列を自在に飛び交い気ままにさえずる小>>続きを読む