実体の伴わない虚栄心と承認欲求が膨れ上がった果ての悪夢。失敗が避けられないと分かっているのにそこに突き進まざるを得ない過程に当事者視点で胃が痛くなり、想像以上の地獄絵図が待ち受ける後半に血の気が引く。>>続きを読む
観ている最中の興奮と感動は相当なもので、観終えた時にはこれが今年ベスト1なのではと思うくらいの充足感だった。
『コミック・ヒーロー』の大真面目にピュア過ぎて狂気じみた解釈や『宇宙』といった大仰な単語>>続きを読む
モキュメンタリー映画史&アメリカン・ホームパーティ映画史(?)に残る大狂乱痴気騒ぎ!これはパーティの映画ではない、映画の暴動だ!!ここにあるのは地獄!!!
コメディ&良い話のフリをしてるけど結構怖い映>>続きを読む
冒頭間も無くの場面で「女なんてつまらないよ」などと死ぬ程つまらない事をぬかす主人公は、女達の性の深淵の世界に足を踏み入れて分かりやすく『成長』していく。複雑で曖昧なものを描いているようで実は結構分かり>>続きを読む
主役の一人は監督の実娘ハーレイ・クイン・スミス(てかこの名前!笑)だし、もう一人の主役リリー=ローズ・デップも両親ジョニー・デップ&ヴァネッサ・パラディが揃って出演してたりと現場がある意味授業参観みた>>続きを読む
昨年末唐突にNetflixに降臨した新映像体験。視聴者が選択して物語を進めていく方式で、実際やってみるとやっぱり『観る』というより『遊ぶ』感覚。そして仕掛けを抜きにしても映像作品としてのクオリティが高>>続きを読む
人は何故表現しモノを作るのか、亡くなった人の想いはどこへゆくのか、柄にもなくそんな事を考えて感慨に耽ってしまった。幽霊と一緒に入り乱れ過ぎ去っていく悠久の時間を体感していく、どうする事もできずに人々が>>続きを読む
ノオミ・ラパス版「ミレニアム」トリロジーを観ていた友人から事前に『2作目以降は007的な荒唐無稽な話になる』とは聞いていたので覚悟して観に来たつもりだったけど、実際観てみると想像以上に「ドラゴン・タト>>続きを読む
人生の中のモラトリアムな時間の心地よさと掛け替えのなさ、それがいつかは変化し終わってゆく事の切なさが見事に映画の中に封じ込まれている。
みんなで深夜のコンビニ行って買い物したり、ゴム取ろうとしたら変>>続きを読む
いつの間にか他人の思い出の中に入り込んでしまったような、不思議な感覚。そしていつの間にやらこの可笑しな時間が愛おしくなっている。人生は可笑しくて重くて、どこか切ない。
二度目の綿毛が舞い始めた時、分>>続きを読む
ジョー・ライト監督はやはりモノが違う。全編監督の才気が迸る。
この監督なので勿論よくある伝記映画になるはずもない。カタルシスからは程遠くひたすらチャーチルが辛酸を舐め続ける(まさに『Darkest h>>続きを読む
フランスパンで人をブッ叩くという行為には、独特の可笑しみがある。
当の本人は至って真剣に怒りの感情に任せて相手を叩いているのだけど、いかんせん得物がフランスパンなので側から見るとどうにも可笑しい(それ>>続きを読む
良い面も悪い面も含めたインターネットという概念の具現化と(創意工夫に富んでいて素晴らしい)、人生の分岐路における友情の変化のドラマ(これがなかなか苦くて良い)、更にディズニー・プリンセスの現代的再定義>>続きを読む
アクション・シーンは良いが、アクション映画史に名を刻む傑作の前2作に比べるとあらゆる面で明らかに弱い。というか普通に単独の映画として観ても弱い。
ただ、この映画の非情さはそういえば「SPL」ってもと>>続きを読む
冷徹にシンプルにサスペンスを極めたクルーゾー版に対して、フリードキン版は狂気じみた魔的な作品だった。
国も境遇も全く違う男達の各々の事情と南米奥地の地獄をねっとり描く前半で、クルーゾー版とは明確に違>>続きを読む
主役の女の子が全く『お利口な良い子』ではなく、『やんちゃ』といった言葉で括れないくらい野放図で、無邪気に事態を悪化させる。彼女の貧しい母親も全く『良い母親』でも『良い人間』でもなく、彼女に共感を寄せら>>続きを読む
なんだろうな、上手く言葉にできる気がしないので端的に書くと、感覚的に物凄く響く映画だった。直感的に作られた映画。好き
「ストロボ・エッジ」や「オオカミ少女と黒王子」に続く廣木隆一監督の少女漫画映画。廣木監督の少女漫画映画は、普段はやれない大掛かりな撮影をメジャーの規模に乗っかって思う存分試すような『大人の本気の映画遊>>続きを読む
リン・ラムジー監督の才気大爆発!
尖った映像表現の中心に重い肉体のホアキン・フェニックスが常に居る事で、映画が決して浮つかない。ジョニー・グリーンウッドの楽曲とのコンビネーションも抜群。
多くを語ら>>続きを読む
黒沢清監督の作品群の中でも最高傑作の1つ(言い方がややこしいけど最高傑作レベルの物が沢山あるので・・)と言っても良いくらいの大傑作。女性映画、女優映画としてパーフェクト。
相変わらずの黒沢節や俳優陣>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
シャークネードかと思ったらバック・トゥ・ザ・フューチャーでした。
ジャンルも予算も関係無い、やりたい事全部詰め込んでやる!とにかくやるんだよ!という作り手の精神は買いたい。いくらでもだらだら続編作って>>続きを読む
手持ち撮影で不安定に揺れ動いてジャクソンを捉えつつ、フィックスとステディカムで落ち着いてアリーの冴えない日常を捉える対比の効いた冒頭で、監督としてのブラッドリー・クーパーの手堅く巧みなストーリーテリン>>続きを読む
これ、まさかのスザンネ・ビア監督作品である。芝居のナマ感は健在で、終末SFスリラーのフォーマットの中で登場人物達の感情が一筋縄ではいかない形で生っぽく息衝いている。ざっくり言うと非常にエモい。
トレ>>続きを読む
そういえばこんな感じのものが持て囃された時代があったな、と思い出す。でもこの3作目は明らかに公開当時の時点でもう既に古かったよね。
映画版1作目だってもう少しまともな脚本だったはず(演出はずっとこんな>>続きを読む
まず大事な事を記しておくと、これはホラー映画ではない。心霊ホラーを期待すると肩透かしを食らう。
それでも、この映画は圧倒的に面白くて素晴らしい。ジャンル映画のフォーマットに意識を取られるとこの映画の真>>続きを読む
西部の広大な大地では人の生も死も愛も運命もちっぽけなもの、という事をユーモアと皮肉を交えて紡いでいく久々にキレの良いコーエン兄弟映画。撮影も素晴らしい。多彩なエピソードの中でも個人的には軽やかなバイオ>>続きを読む
女の子の承認欲求、男の孤独と気持ち悪さ、そして新しいビジネスモデルが合わさって産まれた現代的な悪夢。
監督や脚本家の手腕は安定して冴えていて、アイデア一発で終わらずしっかりと観客を振り回すスリラーにな>>続きを読む
「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督によるサイレント短編。
学生時代の「The strange thing about the Johnsons」、最新作「ヘレディタリー」と同じく、テーマにな>>続きを読む
「ヘレディタリー 継承」のアリ・アスター監督、映画学校時代の作品。
今作を観てよく分かったのが、アリ監督にとっての本当の恐怖は家族という逃れられない関係の中で生じる悪夢のような感情のもつれ、家族とい>>続きを読む
傑作揃いの平成ガメラ三部作の中でも個人的にはこれが一番お気に入り。全編漂う世紀末感とテンポの良さ、前田愛の憎しみのドラマ&演技は今観ても充分素晴らしい。
生瀬勝久や仲間由紀恵ら豪華チョイ役陣を確認す>>続きを読む
全編に漂う尋常ならざる不穏さと驚愕の恐ろしい展開が滅法怖い、が、それ以上に映画話術が極上過ぎてとにかく映画として面白い。漲る緊張感にも痺れる。
この新星アリ・アスター監督の才能は本物。演出にも脚本>>続きを読む
あの豊潤で素晴らしかった前作のドラマや世界が、あっという間に漆黒に塗り潰されていく様は心が痛い。
悪役の言動が実に現代的で、その悪意の巧みな拡散方法といい、心の弱い部分から黒く染まっていってしまう登>>続きを読む
「12人の優しい日本人」パロディというかオマージュというかなんというか。いや、これはちょっと・・・
長過ぎて無駄で実の無さすぎる会話劇(その男子校的ノリを楽しんで下さいという事なのだろうけど)と小>>続きを読む
初期衝動と弾けんばかりの表現欲に導かれた女の子達の行動を活写する前半は眩く愉しく、映画が潰えた後の彼女達の人生とジョージという男のミステリーを描いていく後半は苦く重い。
ぼんやりと明らかになっていく>>続きを読む
35mmフィルムで長回しできる限界ギリギリ、2000フィート巻き1ロール分丸ごと=約22分の長回しを5つのシークエンスで5回繰り返す、骨太な野心作。スプリットスクリーンになったり少し間で割ったりする所>>続きを読む
おい何で今回は英語じゃないんだよ!と俺の中の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」魂が言っています。
「サムライオペラ」の時より明らかに予算が増えていて、ガチで歌の上手い人やガチでアクションできる人も参>>続きを読む