本作の監督ニコラス・ローグが『アラビアのロレンス』、『華氏457 』の撮影監督出身と聞いて、美的センスに揺るぎない確信を持ちながら鑑賞。撮影はもちろん監督自身。 Walkaboutという原題にはアボリ>>続きを読む
エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの三人の共同監督作品。ローマ行きの列車での3エピソード。最後のセルティックファンのエピソードはケン・ローチがガッツリ関わっていることだけはわかる>>続きを読む
大島渚監督の長編デビュー作。なかなかカットを割らずに、カメラが対象を追っかけていくスタイルや故意的な手ブレはヌーヴェルヴァーグと共振するようで挑発的。一世代上の価値観と衝突も描かれ、若者から見える世界>>続きを読む
二度目の鑑賞。ブラックパンサー党の急進的な組織作りの参考資料としても活きている作品。アルジェリアのフランスからの独立をドキュメンタリータッチで描いたアルジェのカサバという入り組んだ地形と空撮でとらえた>>続きを読む
街中のカーレースで始まった物語がどこまで行くのか。その非現実さを享受できる大作。新作が出るたびにドミニクというよりヴィンディーゼルのへの愛着が湧いてくる。正直もう新たなストーリー編みだせないじゃないか>>続きを読む
テレンス・マリック監督が失踪(のちにフランス大学で教鞭を取っていたことが判明)する前に撮られた一作。彼の作品の中でも割と神秘性が希薄だがシネマティックな風景描写はこの頃から変わらず。イナゴの大群には虫>>続きを読む
原題『Day for Night』。夜のシーンを日中に撮影するという業界用語らしい。映画の製作現場を捉えた本作にぴったりのタイトル。この現場のアタフタ感が好きだ。フランソワ・トリュフォー監督はジャンル>>続きを読む
キアロスタミ監督とアニメーションの相性は正直イマイチというところ。アニメーションが採用されることの意義、観る者が見ようとしているものに不意打ちをかけるような偶然の産物がキアロスタミ作品の核であると感じ>>続きを読む
ユホ・クオスマネン作品を初鑑賞。ボクシングにまとわりつく国家主義的幻想に思い切り振り回されるボクサー、オリ・マキ。オリ・マキはもちろんボクシングを愛しているのだが、そこに付随してくるようなあれやこれ(>>続きを読む
ふと思い立って、ケリー・ライカート特集をイメージフォーラムまで遥々観にきたが、その人気ぶりは凄まじかった。
コカ・コーラが協賛しているのかっていうくらい社名ロゴが至る所で目につく。ありがちなラブロマン>>続きを読む
細田守作品。シネマスコープサイズで魅せる仁淀川や沈下橋を背景に、被写体であるすずをカメラで追う・追わない・追いかける行為に思わず感嘆してしまう。SNSの功罪という以前から交わされた議論を踏まえ、現実と>>続きを読む
エメラルド・フェネル監督の長編デビュー作。どの場面をどういう順序で見せるか、脚本の運びに隙のなさを感じる。ポリティカル・コレクトネスを踏まえた上で、芸術性とエンタメ性を兼ね備えており、同種の映画では明>>続きを読む
漏れなく全員に勧めたい。『プロミシングヤングウーマン』で強烈なイメージを残したボー・バーナムの近作。スタンドアップコメディアン、ミュージシャン、Youtuber、監督とそれぞれ異なる資質を最大限昇華さ>>続きを読む
ボー・バーナムに対する関心によって鑑賞機会を得たA24作品。サントラは音楽キャリアの出自を持つ監督本人の手がけたものかと思えば、Anna Merdithというインディーズ電子音楽界隈の才人によるもので>>続きを読む
鏡張りの部屋での戦闘シーンはここから引用されているのかと、古典的名作を観ることの醍醐味を久しぶりに感じた。あと、ブルース・リー流の哲学を表した「Be Water」や「Don't Think, Feel>>続きを読む
ポピュラー音楽史・メインストリームからは逸れた音楽シーンだが、DJカルチャー史には欠かせないトピック。誰も知らないアーティストの誰も知らない曲を愛でる文化が育まれたのはここが原点。レコードに貼ってある>>続きを読む
1890年代ニューイングランドの孤島を舞台にした灯台守の話。正方形の狭苦しいアスペクト比の中で男二人の精神的・肉体的闘争を見せられる。あたかも画面内にどれだけ二人が映っていられるか争っているかの如く。>>続きを読む
キアロスタミ監督のパルムドール受賞作を鑑賞。土埃が生み出す褐色気味の背景の色合いが美しい。自殺幇助の相手を探る旅。そりゃ簡単に見つかるわけない。死に向かおうとする主人公バディはその旅を通して生を得てい>>続きを読む
トリコロール三部作、三作目かつ監督の遺作。博愛をテーマにしているだけあって分け隔てない愛が貫かれている。ファッションモデル兼大学生と盗聴を趣味とする退官判事という一見繋がりや共通項を見いだせない二人を>>続きを読む
トリコロール三部作の二作目。平等という主題。愛する者同士が平等の立ち位置にあることは可能なのかという問い。その明らかな答えは提示されないものの、愛は基本ギブアンドテイクなので対等に愛することは不可能に>>続きを読む
トリコロール三部作の一作目。自由という主題。過去の愛からの自由という意味合いが込められた。フランス国旗のカラーをテーマに置いてはいるが、そこにフランス映画の伝統はない。亡き夫が製作途中であった欧州統合>>続きを読む
ラジ・リ監督作品。ヴィクトル・ユゴー版のタイトルをそのまま引用することに何ら違和感のない現代の悲劇。世界各地に飛び火したBLM、人種の坩堝の国であるフランスも例外ではないことが如実に表れている。民衆は>>続きを読む
トニー・ガトリフ作品を初鑑賞。「愚かな余所者」という意を表すガッジョ・ディーロ。ロマ族の生活とそこに根付く音楽に心動かされるフランス人の若者は見事に環境に溶け込んでいる。父親の遺したテープを頼りにその>>続きを読む
N.W.A.の自伝的映画。ケンドリック・ラマーまで連綿と続くコンプトンの歴史の一部。こうして時代を俯瞰的に見ることが今は出来るが、N.W.A.がコンプトンから出てきた当時、ラップはジャンルである以前に>>続きを読む
『パディントン』シリーズと共に見守り続けたい。父親ぶるマグレガーにやさぐれるピーター。そんなピーターが街をふらついていた際、出会った悪漢の手玉に取られるという月並みの物語。ただウサギが商品の一つにすぎ>>続きを読む
原作ピーター・ラビットを読んではいないが、"いたずら好き"という特徴を最大限生かしたキャラ設定で形作られた世界観を感じる。とにかく声優としてのジェームズ・コーデンが良い。彼の歌声も好きだが、地声が特に>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
部屋を片付けていたら出てきた懐かしの作品。『ピーター・ラビット2』公開に合わせて鑑賞。
ビアクトリス・ポターという人物に照らした映画であり、"ピーター・ラビット"が必ずしも焦点にはなっていない。更に注>>続きを読む