YKさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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夢の裏側 ドキュメンタリー・オン・シャドウプレイ(2019年製作の映画)

3.0

ロウ・イエ監督は芯の強い監督だ。明確なビジョンがあって、妥協せず、指示は細かい。その分周りのスタッフは大変だろうと思った。特に助監督、制作部。管理系のスタッフがいちばん怒られるというのはどこも同じか。>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

4.0

三幕構成。それぞれの章は全く異なるタイプをしていて、単体ではそんなに面白くない(芸大で映像系をやってる学生がいかにも作りそうなやつ)。3幕が組み合わさることではじめて作品になる。ストーリーは一応あって>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

トランペット奏者であった父の勧めで音楽をはじめ、ローマの音楽院で作曲法を学んだモリコーネ。卒業後はレコード会社で歌謡曲の編曲を数多く手がけ、その後映画音楽の道へ。商業音楽と実験音楽を融合させ、膨大な知>>続きを読む

シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

4.0

1989年に出会い、時代に翻弄されつつ次第に関係の歪んでいった男女4人。彼らが起こしたとある事件は、次世代の若者たちをも巻き込みながら、中国本土から台湾、香港へと展開していく。

サスペンスドラマの顔
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ファミリア(2023年製作の映画)

3.0

吉沢亮ありきの企画だと思うのでこんなこと言ったら本末転倒だが、吉沢亮(のエピソード)がいらないと思った。

あと、何と何を対比して何をしたいのかがよくわからない。言いたいことはわかるがわざわざ映像に入
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.5

すごい。紫禁城のシーンはどのカットも美しい。自分が『地獄の黙示録』好きなのは、同じ撮影監督のヴィットリオ・ストラーロが好きなんだなと思った。

心に残ったのは「観客のいない演劇」というセリフ。ロイヤル
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.0

よくできた話、というかできすぎててスカッとジャパンみたいに思えてくる。悪い映画とは言えないけど。。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.5

YouTubeで町山さんの解説を聞いて納得した。アメリカのフィルムノワールからのフランスのヌーヴェルヴァーグ、そしてそれをまたアメリカで今風に仕上げようといった作品。いろんな映画のオマージュを入れたり>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

女性にダメージを与える酷い男たち(もちろん旦那の男は厄介な奴で、主人公に精神的暴力を与えているが)、というよりも、何でもかんでも男を「酷いもの」としか見れなくなった女性の話かと思う。トラウマから生まれ>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

後ろ向きに登っていく正面4人のカットから引き込まれたが、特に好きなシーンを2つ。

1つはやっぱりワークショップ、そしてその後の打ち上げ。知らない人たち同士が手をつなぎ目を合わせ、少しずつ相手のことを
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.5

2000年代初頭の韓国・仁川。国際空港が建設され街が高度に発展していく中で、同じく大人への発展途上にある女子5人組の最後の青春を描く。みな個性豊かで愛すべきメンバー。

ファーストシーンは高校を卒業し
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.5

排泄、臓物、死屍累々…どう考えてもクリスマスイブに観るものではないけど、クリスマスイブに観ました。あれもこれも、地下世界の住人たちは理不尽に殺される。しかし、それを理不尽と思うのはあくまで自分たち人間>>続きを読む

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

公式のあらすじは「家出をした女性の物語、のようだ」のみ。てことは「そうではない」ということになるが、とにかくネタバレ厳禁な映画らしい。家出というのは、「旅」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。家出>>続きを読む

天上の花(2022年製作の映画)

2.0

東出昌大の舞台挨拶付きで観た。三好達治の映画で、舞台は福井の三国。ご近所さんとして出てくる「小野」って、あのONOメモリアルの!?行ったことある!と途中で気づいた。三好達治と小野忠弘にああいう交流があ>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

4.0

中絶が違法だった60年代フランスの物語。痛いし辛い。こんなもの見たくない、と何度も思った。でも映画は容赦なく見せつける。なぜならそれは、全てアンヌが見ているものだから。ひいては世界のどこかで、いまも誰>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.0

宣伝では「赤ちゃん取り違え」事件がフォーカスされているけど、実際映画の主題はそこではない。というか主題が多い。母と娘、血縁、セクシュアリティ…。特に大きいのは、シナリオに取り込まれたスペインの歴史的要>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.0

男は国に関わるような大きな役割を持ち、女は家に閉じこもって家事に徹する。カラフルでおしゃれな生活は意識高い系のようにも見えるが、実際はまるで戦時中のような意識。

ユートピアを使っていろいろ風刺してま
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

ウタという魅力的なキャラクターがいるのに…これは酷かった。途中からはただただ天井を見上げ、最初で最後の渋谷TOEIを目に焼き付けようとする時間になった。

話はマクロスプラス的なもので、歌で人々を洗脳
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「死ぬのなんて怖くない」というすずめを観て、ああ、なんで新海誠はこんなに10代20代の気持ち(気持ちよりももっと大きな、意識のようなもの)がわかるんだろう、と思った。豊かな時代を歩んだ大人たちと比べて>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.5

これまで、若者とか何でもない人々の日常を描いてきた今泉監督。しかし本作では、大人の、なかでも有名人や割と成功している人たちの物語をとりあげた。彼らも完璧な人間ではない。これまでの今泉キャラと同じように>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

5.0

家族と言えど、何でも知っているわけではない。むしろ、家族だから知らないことは多いかもしれない。ネリーは、母の実家の森で8歳のお母さんと出会う。(この映画では、8歳のネリーとマリオンを実際の双子の姉妹が>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

舞台は2020年ごろ。ケイコは、聴覚障害と向き合いながらプロボクサーとして活躍する女性である。またボクシングか・・・また手話か・・・そしてコロナ禍か・・・と思わなくもなかった。ボクシングは邦画で割とあ>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.0

役者はみんな好きだが、彼らの生活なんてどうでもいいなーって思った。どうでもいいことに意味があるとかじゃなく、シンプルにどうでもよかった。撮影で何とかもってる感じ。

カイマック(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

隣あった集合住宅があって、片方に金持ち夫婦が、もう片方には熟年夫婦が暮らしている。どちらも不幸な生活ではなかったが、どこか満足できない毎日。そんな両夫婦のもとに、それぞれ第三者が介入する。

2人→3
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.5

ルーマニアの小さな町で起こる対立。パン工場からはじまるその対立は、毎日パンを食べる文化ならではかと思った。

主人公の立場がけっこう独特で、言葉を話さない息子には自分の教えを託し、論争の場では傍観者の
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ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)

4.5

この前、国立新美術館の李禹煥の展示を観に行った。そこで自分は「点より」シリーズの作品(そのなかでも特にシンプルな単色のもの)にすごく感銘を受けた。その作品は、キャンバス上に点を連続して打っていっただけ>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

ある日突然、マブダチから絶交を告げられる。なんで?と困惑する主人公のパドリックだったが、理由は聞いても教えてもらえない。友人のコルム曰く「もう付き合いたくなくなったから、もう付き合わない」。

とはい
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

予想を裏切るとはまさにこのこと、という感じで、先入観がどんどん覆される。ラストは一体どう収拾つけるんだろうと思ったが、警官のセリフと2人の会話が、観客に向けた問いのようなものとしてずっしり心に残る。

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.5

深田晃司・・・それは自分が最も好きな監督の1人。不条理な展開を見せながら、最後には人の本質のようなものを突き付けてくる。そして矢野顕子・・・彼女も自分が最も好きなアーティストの1人だ。そんな2人のドリ>>続きを読む

オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)

4.0

バイオレンスシーンとかアクションシーンよりも、ビルの屋上から始まる冒頭の音楽とか、ウジンの堪えても堪えきれない笑いとか、オ・デスのタコの踊り食いとか、そういうのの方が強烈すぎてたぶん一生忘れない。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラーというほど怖くなく、問題作と呼ばれるほど過激でもなかった。変な映画であることは間違いないが、演出的な面ではむしろ誠実で、丁寧な映画だと思う。序盤は羊を育てる男と女の淡々とした日常。この2人の関係>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.0

世界の旅番組みたいなのが好きで、深夜にたまたまやってたりすると見入ってしまうことがある。旅人がただ街を歩いて、現地の人と触れ合ったり、ごはんを食べたりするだけのやつ。そんな旅番組のなかに、ちょっとだけ>>続きを読む

Zolaゾラ(2021年製作の映画)

3.5

ツイートをもとに作られたという謳い文句の映画。そのツイートとは、2015年に「A'Ziah 'Zola' King」という人物がTwitterに投稿した148のツイート。彼女は、自分の身に起こった2日>>続きを読む