YKさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

気づいたら中盤はほとんど寝ていた。ウェス・アンダーソン監督のなかでも特に難解な映画のような。舞台は「アステロイドシティ」と呼ばれる仮設のような街だが、この映画はそこで撮影したテレビドラマである、という>>続きを読む

古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

3.5

3つの短編で構成されていて、最初の2つは寝てしまってほとんど観られなかった。短編はどれも「昔話」で、いわば教訓が含まれた話ばかりだが、これをつなぐ存在として「ストーリーテラー」が冒頭から登場する。彼女>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これまでの作り方とはまったく異なるところがいくつかあった。「これまで」というのは、宮崎駿がジブリで制作した長編作品のことで、短編や漫画なんかではすでに行われていたことでもある。異なる点①作画のバリエー>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

3.5

ファッションデザイナーの女が若い同性への恋に翻弄される様を描いた、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク版。主演の2人は女性から男性に変更され、映画監督の男が>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

5.0

公式サイトには「女性たちの連帯」、レビューサイトでは「気まずい会話劇」などとばかり書かれているが、そんな映画じゃない!と自分は思う。ただ、どんな映画かをひとことで言うには難しいので、配給や宣伝もこう書>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.5

びっくりするぐらい寝たけど、目が覚めるたび主人公ペトラの顔つきが変わってて主演の人すごいなと思った。そして忘れられないのは舞台となる部屋。どデカ宗教画に白いベッドとフワフワの絨毯。両側に奥行きがあって>>続きを読む

焼け石に水(2000年製作の映画)

3.5

レオポルドというおじさんが、街で見かけた端麗な青年フランツを家に招き入れ、問答を繰り返しながらやがて2人は同居する。そこへフランツの彼女アナと、レオの元恋人ヴェラがやってきて、恋の難しさと情けなさのよ>>続きを読む

いっちょらい(2023年製作の映画)

3.0

主なロケ地は、福井駅前にある新栄商店街というディープスポット。高校時代に駅前を練り歩いていた自分は、ここで映画を撮ったらおもしろそうだといつも思っていた。そんな雰囲気のある場所で、主人公のテツは家族代>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

ジャンヌ・ディエルマンという、夫を亡くし息子と二人で暮らす主婦の日常をただ淡々と描く。「描く」というよりは、ほぼ「映す」に近いかもしれない。ドアを開けて、電気をつけて、窓を開けて、布団をたたんで、換気>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

20年前のビデオテープに残る、父と娘2人だけ旅の思い出・・・という、悪い予感しかしないあらすじ。絶対にどっちかが死ぬ!もしくはすべて妄想の記憶だったというオチ!と斜に構えながら観てしまったが、結果的に>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.5

天才指揮者であるターは、楽団の中では神のような存在だ。才能があり、威厳があり、先進的。しかし、それは彼女がすべて正しいというわけではない。正しさの中に矛盾が生じていたり、正しさと正しさが不協和音を起こ>>続きを読む

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.0

仕立屋の青年であるチャンが、客の娼婦ホアに魅せられていく姿を描いている。チャン役を務めたのは、『ブエノスアイレス』で台湾からのバックパッカーを演じたチャン・チェン。主人公ファイの心を突き動かした明るい>>続きを読む

劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD(2023年製作の映画)

5.0

フォロワーのみなさん絶対観てください‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.5

ロバの視点を取り入れることで、人間の所業がすべて意味のないものに見える。ロバに感情移入しようとする意識すら意味のないものだ。意味がないのに、いろいろドンチャンやってる人間たちがおもしろい。そして、そん>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

3.5

『ファーザー』同様、楽しげなポスターは詐欺と思えるほど怖い映画。生きているのが辛いと訴える息子に対し、何が、どう、どうして、と問い詰める父親。原因があって、それに対する策を出せばなんでも解決できると思>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

マリオとルイージがピーチ姫を助けに行く映画。ではなくて、マリオとピーチがルイージを助けに行く映画だった。配管工という原作設定をなぞり、兄弟で水道管工事の出張に出るシーンからはじまる。そのお金持ちの家で>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

2.0

「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の本当の意味がわかった。ただ単にふわふわした可愛い映画ではない。でも、内容が緩すぎる。まず恋愛ができない主人公とか言いながら、フツーに充実した大学生活を見せられる。>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.5

夫婦となったヨウティエとクイインは、土を耕し、麦を育て、レンガから家まで作ってしまう。彼らの営みは、常に土と共にある。「田んぼを見て自分だと思えるか」という話を養老孟司がよくするように、自然と人間は地>>続きを読む

郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

3.5

いろんなレンズを通して見る世界。恣意的なパンやズームは、一見ホン・サンスぽいが使い方は全く違う。夢を見ているかのような雰囲気は、むしろアピチャッポン作品を観ているときと同じ感覚。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.5

極北にあるペトログリフを見に寝台列車に乗り込んだラウラ。同室になった男・リョーハが最初はかなりだるい奴だったが、意外にかわいくてどんどん心通わせていく。どっかで見たことあると思ったら、インフル病みに出>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「Triangle of Sadness」というタイトルがなんとなくおしゃれで気に入っていたが、邦題はストーリーに合わせ「逆転の」となってしまった(別にいいけど)。ただ予告編にしてもフライヤーにしても>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

理想とはかけ離れた現実に対し、「あのときこうしていれば・・・」と悲観的になってしまう、そんな人々へのエールとなるような作品。人生は選択の連続であると考えると、その選択の数だけ違った未来が広がっているよ>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

主人公の表情の変化がよかった。特に最初の、新入り仲間でビビりまくってる様子。あと、いろんな攻撃とそれに伴ういろんな死に方をちゃんと描いてるので見応えがある。アカデミー撮影賞はとるかも。

冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

「持つこと」を拒みながら生きるモナ。家も無く車も無く、定職にもつかない。深い人間関係を避けるべく、人付き合いはその場そのとき限りのもの。彼女が選んだのは、あらゆる縛りから解放されて生きる道だ。しかしそ>>続きを読む