まぐさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

まぐ

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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ララランドが動の美しさだとするならばこちらは静の美しさ。温度が低くそれでいて鮮やかな色彩、人物をどこか浮世離れしたように見せるカメラワーク、シーンの盛り上がりに引っ張られず人物の繊細な感情に寄り添った>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.5

縁を偽造しようとする先輩と、本当に出会うべき縁に気づけない乙女。かなり回りくどいけれどその回りくどさこそ真骨頂であるピュアなラブストーリーでした。

何と言っても湯浅作品は攻めた演出!リアリティを排除
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.8

正直昔見たときはただ画面の迫力に圧倒されていただけでしたが、大人になってから見てみると内容や構図などにも隙のない大傑作であることに気づきました。

この映画が世界中に支持される理由として一番に精密な背
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Re:LIFE リライフ(2014年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

面白くないわけではないけど、格別面白いわけでもなかった印象です。なんというか、引っ掛かりがないまま終わってしまいました。
基本的にはセリフで笑わせているのですが、もっと画で笑わせるのも手なのかな、と思
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めまい(1958年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前半は隙あらばサスペンスを盛り込んでいて、こちらの目を引きつけます。しかし後半は打って変わって偏ったラブストーリーになるという、一風変わった構成の映画です。起承転結の転が大きな役割を持つ映画です。>>続きを読む

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

場面ごとに決められたテーマカラーや白飛び気味の照明で常に現実味のない画面を作り出し、松子の空想力に説得力を持たせるという画作りが印象的な映画でした。

ただ主人公が不幸になって可哀想、という映画ならば
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

序盤のとても統率の取れたシンメトリのレイアウトと、ラストカットの歯車のアトランダムな配置の対比が後味の悪さを引き立てます。信じていた人たちの悪意で全てを失った男の話。

上品なミステリーかと思えば途中
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.3

人生は決められたものなのか、それとも漂うものなのか。おそらくその両方なのだろうってセリフ良かったな…
1つの解釈ですが、基本的に周りに流され何と無く成功していくフォレストの人生の中で、ジェニーと結婚す
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.1

五分足らずの映像で涙することはあまりなくても一曲を聞くだけで涙してしまうことがあるように、音楽というのは映像よりも短い時間に大きく感情を揺さぶる力があるかもしれない。一本の映画なのにまるで人生を一周し>>続きを読む

ハルをさがして(2015年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

震災で家族や友達、大切な存在を失った人を必死に犬を探す小谷の姿に投影させ、重くなりすぎないように震災にアプローチするやり方は素直に見やすかったし、近しく感じられました。震災を経験していない人にその脅威>>続きを読む

最強のふたり(2011年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

まずこの映画、始まってから終わるまで2人の内面の大きな変化が見られないです。フィリップは最後まで障害者という負い目を抱えて臆病なままだし、ドリスも礼儀知らずで乱暴なまま。それでも2人を取り巻く問題は解>>続きを読む

ピンポン(2002年製作の映画)

4.2

才能は欲する者に与えられる物ではないけど、凡人だからこそ見える景色もある。
青春時代はまるでそれが自分の人生の全てであったかのように打ち込んだ部活も、負けたら負けたで得られるものもあるし、人生は続いて
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.8

なんでこんなにも、密室のみで展開する会話劇に惹かれるのだろう。

常にいくつもの対立を発生させていたのが、限定されたロケーションにもかかわらず飽きさせない最大のポイントだと思います。対立といっても無罪
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

ララランドがオマージュしたと聞いていましたが、鮮やかな色彩やタップダンス中心のダンスシーンなど画的な面と、夢を追う2人という要素が主なのかな?
ララランドとは違い脚本が浮足立っています笑 これを見
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アーティスト(2011年製作の映画)

4.2

サイレント映画は、見る側が自然とセリフに頼らず積極的に人物の心境を理解しようとせざるを得ないのがいい。この映画を見て気づきました。

サイレントとトーキー、どちらがいいなんて一概には言えないですが、最
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東京物語(1953年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

なるほど、名作でした。
変化を恐れる者と変化していく者のコントラストを変わらない者の視線から切り取った、どうしようもなく悲しい人間ドラマ。

紀子が老夫婦に優しくしたのは、老夫婦と触れ合う事で戦死した
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

最近見た晩秋とどうしても比べざるを得ないです。起きている事象はほぼ同じだけど、晩秋は親から卒業する娘の話、秋刀魚の味は娘から卒業する親の話。
しかし晩秋よりも確実に見やすく、面白くなっていると感じまし
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.5

北野作品が初だったのですが、本職じゃない人が作ったとは思えない画の切り取り方だなぁと思いました。ラストシーンなんか特に秀逸で美しいと思いました。

また、久石さんの音楽が最高でした!アニメ作品以外にも
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浮雲(1955年製作の映画)

3.9

常に何かしらの障害がある2人の恋を追った物語。まあその障害の多くが男の移り気なのですが、最後の最後でようやく出会った頃と同じ様に両想いになれるも、既に時遅し…という切ない余韻が残る話でした。男が作中初>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.3

※ここに書くことは個人の意見であり、アニメ版を見ていないにわかの発言であるということをご了承ください。


正直、三部作の中で1番面白く感じなかった作品です…

序盤の、観客の視点とシンジくんの視点を
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.3

エヴァ三部作の中で、1番面白いと感じたのが二部作目のこの作品。三作の中で、1番エンターテインメントしている作品だと思います。

序と大きく違うのが、まずアスカという存在。前作では、ギャグパートを1番に
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.6

作画がめちゃんこ重厚で立体感があるため、2Dアニメながら使徒の3Dが全く浮いてないのは本当に凄い。
街を地下に隠して地上で戦闘するため、エヴァ側も容赦なくドンパチやれるのも迫力があっていいし、毎度全く
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画っていいな、って思わせてくれる映画っていいですね。

ありきたりというか、ストーリーに複雑さはなく、先にどんなことが起こるのかは大体予想できる脚本です。でも、そんなこともちろん監督は分かっていて、
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

4.3

老いという現実を突きつけられて浮かび上がる様々な人間の悲喜劇を描いた映画。最初の掴みだけでも開いた口が塞がらないです。

が、話がとにかく難しい…説明不足なのか読解力不足なのか、一貫性のない脚本に振り
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晩春(1949年製作の映画)

3.9

初小津作品です。

正直、古典文学のように堅苦しいものを想像していたので、思ったよりもキャッチーな映画だったというのが一番の印象です。
いつの時代の人が見ても共感できるような、人間の普遍的な感情が描か
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.6

夏!青春!タイムマシン!というキャッチーな要素が心地よく同居する映画。
演劇が元という事ですが、映画ならではの要素も満載で、監督の手腕を感じました。

例えば序盤は脚本的にはわけがわからず、退屈になり
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ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

少しエッチな恋愛映画、という認識で見たが、そんな生易しいものではなかったです。自分ではどうしようもない自分の性質、環境に振り回される人々の群像劇と言えばいいのでしょうか。
性欲だけでなく、生まれ持った
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バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

誰かの1番になるのはこういう映画なんだろう、と思います。見終わった後、ああ、映画の世界に引き込まれてた、と我に帰るような映画です。

自分は冒頭の夫婦が喧嘩してるシーンで既に、これは面白い映画だ、と確
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ファンタスティポ(2004年製作の映画)

1.9

今から書くことは、あくまで個人の意見だと、最初に強調させてください。

インタビューで監督も言っていた通り、某牧場のシーンはワードの強さも相まって、この物語一番の山場として十分印象的なシーンに仕上がっ
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

死してなお子供に成長するための課題を課す父、子供に心無いことを言われながらも遠くから子供の成長を見守り続けた母、1人でいたくないときにいつでもそばに来てくれる祖母、見つかる可能性がほとんどない孫の探し>>続きを読む

ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ツッコミどころが山ほどありましたが、まずは良いと思ったところから。

第一にテーマのキャッチーさ。中学生ぐらいの頃の秘密基地、戦争(ごっこ)、大人への全力の反発への憧れって、誰しも持ってたはずだと思う
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幕が上がる(2015年製作の映画)

3.9

二度目の鑑賞。
ももクロにハマっていた時代に一度目を観たので、落ち着いてきた今あえてもう一度見ましたが、色眼鏡を外すと映画としての完成度がよくわかりました。

一人一人違った不安を持ち、孤独に悩む演劇
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

3.9

良くも悪くも、かなり不親切な映画だと思った。

例えばキャラクターが悲しいと言う感情を抱いたとき、普通の映画ならば表情、風景、演出などで何かしら悲しみという感情を表現するが、この映画ではそれがごく僅か
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「勝ち」で始まり「負け」で終わる成長物語。
安藤サクラの佇まいや眼光に何度も鳥肌が立った。

物語は、一子が妹の子供にゲームで勝つシーンから始まる。ここの美術が見事で、数カットで一子の生活感が完全に伝
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モテキ(2011年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

結局物語はどこに向かいたかったんだろう…

長澤まさみ演じるみゆきがメインヒロインなんだろうけれど、主人公の幸世が終始地に足ついていないせいかその筋が途中まで全然見えてこなくて、だれた。早口のナレーシ
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.1

青春の閉塞感と、それをぶち抜く恋、夢、仲間、そして音楽。全てが同居しているのに、シンプルで真っ直ぐな青春映画。
青春時代、何かを恐れて何かから逃げて来た人間にとっては、過去という幽霊を成仏させる鎮魂歌
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