sacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

4.2

いやぁ・・・・・もぉ、泣いたぁ。なぁんて一途でひたむきなラブストーリーなんだろう。チャン・イーモウ監督、久々に心を持っていかれました。
文化大革命の最中、農村に咲いた美しい恋。革命の教えにしたがって農
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ラストレター(2020年製作の映画)

2.8

岩井俊二監督は、本当に少女を撮る才能に長けてると思います。
あの時期のあの透明感のある瑞々しさを、あれだけ純粋に美しく描ける監督は、そうはいない。リリィシュシュの蒼井優の白いソックスが淡い光の中で可憐
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

5.0

クリント・イーストウッド監督、そう聞くだけで否応なく期待に気持ちが昂ぶり、もはや感想を言葉で表す事も出来ない。
今まで幾つもの作品を観て、ああだ、こうだと批評めいた感想を書いてきたけど、今はもう、過去
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からいきなり迫力のカーレースで気持ちを持っていかれました。
前半、フォード内部のルールや策略に翻弄されて、抵抗しながらも挑戦していくシェルビー(マッド・デイモン)とケン(クリスチャン・ベイル)、会
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.8

冷戦の最中、時代に翻弄される男女の情熱的な悲恋を描くラブストーリー。
監督・脚本は、「イーダ」のパヴェウ・パヴリコフスキ。
1949年のポーランドでピアニストのヴィクトルと歌手ズーラは出会い恋に落ちた
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.0

小品の映画としては手軽に読めるコバルトブック的な面白さかあると思います。
うーんと、自分に全然脈がない男性に、あれほどまでに一途に想いを寄せる、いるんだろうなぁと思うけど、そこまでなりふり構わず好きに
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.5

印象的なオープニングの映像と、あえてのモノクロ映像で、観ている側の想像を自然に膨らませていく効果を取っているのが上手いと思う。

カラーで見るより、空の青さを感じ光の陰影を感じ、海の色や風を感じさせて
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.0

原作が『その女アレックス』のピエール・ルメートル著と知ったら、うずうずして速攻で文庫上下を読んだ。
珍しくミステリーじゃなかったけど面白かった。
映画もジャン=ピエール・ジュネ監督や『パンズ・ラビリン
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.8

「聞いた話じゃない」
「この目で見たんだ」

書店に行くと、たまに平積みしてある本に、「コレ読んで」と呼ばれて手に取る事があります。それが当たりだったりして。
映画も同じで、全然気に留めていなかったけ
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

めちゃめちゃ面白かった!!
リアルな音響と映像と緊迫感で、最初から最後まで心臓バコバコです。
戦車T-34、カッケー!!
最新の技術を駆使した映像も斬新で目が離せない。
でもって、あの敵対する2人が凄
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みなさん、さようなら(2012年製作の映画)

3.8

【アヒルと鴨のコインロッカー】と小粒ながらもピリっと辛い【ポテチ】で、すっかり中村義洋監督に惚れ込んでしまった私。
考えたら、どちらも伊坂幸太郎原作。そして、濱田岳。その三本軸の二本が関わる【みなさん
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さざなみ(2015年製作の映画)

3.5

お互いを信頼し愛し合い長い年月を共に歩いてきたはずだった....のに。
不意に舞い込んだ過去が波紋を起こし、妻の中で確かであったものが徐々に揺らぎ始める。こんなに男女の心情の違いを赤裸々に如実に描いた
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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.5

真っ当な感情の中に生きる“響”、めちゃハードボイルドで、凄く面白かったです。
欅坂46(けやきざか)の歌もメンバーも知らないけど、時々テレビで、アイドルにしてはクールでポカーフェイスで踊り歌う髪の短い
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ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

4.0

今夜、なんとなく気になり引き寄せられるようにキネマ館に行きました。
観客は私独り....でした。(もったいない💦)

膨大なマネー獲得のために、困難なプロジェクトに挑むヴィンセント(ジェシー・アイゼン
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.0

以前見た『ラースと、その彼女』のビアンカがOsに替わったような、シャイな男の純粋な恋愛物語かと思ってみたら、なんか、愛の哲学書を紐解いているような話でした。
シーン毎にだれかかれの側に立って複雑な気持
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i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

4.5

東京新聞社会部記者、望月衣塑子さんが官邸記者会見で舌鋒鋭く質問する場面は心臓がドクドクする。
それにも増して中盤、デモのシュプレヒコールをあげる群衆の中で硬く唇を結んでジッと佇む彼女の姿は、そこだけ孤
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

まさに五感を研ぎ澄ませて鑑賞する映画だなと思う。
あの静寂と極端に少ないセリフ、
動かない画面で時間が流れる間は、
読書で言うところの行間を読むと言う感覚がして、雑念が払われるような気がした。
淡い光
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.0

伊坂幸太郎といえば、殺人鬼や詐欺師、泥棒が出てきて、死体が転がるようなミステリが殆どですが、この原作は、ラブストーリーが苦手な伊坂さんが大好きな歌手斉藤和義さんに歌詞を頼まれた事をきっかけに書き上げた>>続きを読む

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2015年製作の映画)

4.0

1920〜30年代のニューヨーク、天才作家トマス・ウルフと、いずれの編集者にも出版を断られた荒削りで膨大なウルフの原稿を傑作へと導いた伝説の編集者マックス・パーキンズを描いた実話。

パーキンズはウル
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.5

とにかく香取慎吾がめちゃめちゃ頑張っていたと言う印象。
人生をやり直そうともがいても、なかなか這い上がれない、見ていて暗澹(たん)たる思いに満たされて、しんどかった。
あゆみの父親が、金貸しに対して「
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

とっても面白かった。今年の洋画ベストワン にしたい!!
バットマンシリーズには何の思い入れもなく、唯一見ているのが、あのヒース・レジ ャーがジョーカーをやった『ダークナイト』のみ。これも不条理に喘ぐ(
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.0

重厚且つシンプル、210分の長丁場も最後まで飽きずに観ることが出来る。
年を重ねて醸し出される燻銀の佇まいのデニーロとパチーノ、そしてペシ。今にも泣き出しそうな柔和な顔をしながら、冷酷に容赦なく発砲す
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

久しぶりのタランティーノなので期待値も高く楽しみにして行ったら、やっぱ期待通りだった!!
レオとブラピのコンビを見ているだけでも面白かった。ふたりとも上手に年を重ねてとても魅力的。
私はその当時のハリ
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.0

よくよく人間関係図を確かめて、それぞれの人物の役割をだぁいたい頭の片隅に入れ、鑑賞に臨んだ。けれど、予想通り、細かく入り組んだ部分はさっぱりわからず、ただ漠然と`もぐら’の正体を知ったという、なんとも>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

2.5

ノーマークだったが、周りの評価があまりに高いので空いた時間に観た。
韓国版のリメイクとのこと。
そちらは未見。
女子高生連続殺人事件の目撃者が、盲目の元警官の女性。
偶然、誘拐の瞬間に居合わせて被害者
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扉をたたく人(2007年製作の映画)

4.0

「人をこんなふうに扱っていいのか!あんなに善良な人間を。こんなの間違っている。われわれは何て無力なんだ!」
物語のクライマックスでウォルター(リチャード・ジェンキンス)が怒りに顔を真っ赤にして叫ぶ。
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愛と法(2017年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリー映画。
弁護士で同性婚のカズ(南和之)とフミ(吉田昌史)が営む法律事務所には、少数派の人権に関わる依頼が殺到している。少年事件、無戸籍者、君が代不起立で処分を受けた教師、わいせつ物陳列
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.5

パレスチナ問題は、複雑すぎて私などは漠然としか理解してません。
けれど、この作品はそういう社会的問題の以前に、人が生きていく上で何が大切なのかを、丁寧に分かりやすく、そしてきめ細やかに描いていると思い
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

若い頃、フォークばっかり聴いていた私、
クイーンの曲は、あの頃巷に流れていた『ウィ・ウィル・ロック・ユー』『伝説のチャンピョン』しか知りません。
けど、映画はファンでもない私の心を鷲掴み。
天才フレデ
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.5

ダンダンダァダダ、ダンダンダァダダ🎶
お馴染みのテーマが鳴り出した途端にワクワクが抑えられない、期待で胸が踊ります!!
シリーズが、ちょっとつまんなく感じてたので、今回も迷ったんだけど観て良かった。
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.0

極寒の雪原、突如、耳をつんざく銃声にビクッとさせられる。
腕利き獣ハンター、ランバート(ジェレミー・レナー)が狼を仕留めた銃声。
静寂と銃声、息も凍るような厳しい寒さ、まるでその場に居合わせてるような
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

2.5

絵と作品の雰囲気は嫌いではないけど、話につかみどころを見出せず、最後まで入り込めないで終わってしまった。
巾着の内側と外側の意味と相対性理論は、ふむふむだったけど、他、理解不能。異次元から見た街、おっ
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく、あまり前知識を持たず、しのごの言わずに見てごらんと言う映画だ。
見始めて30分、長回しで撮られたチープなゾンビ映画を観ている間は、「これの何が面白いのかわからない、無理!」と心配になる。そし
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検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.0

雫井侑介の原作は読んでいない。
映画はそれなりに見応えがあり、最後まで飽きずに鑑賞できた。
木村拓哉と二宮和也の巧みで迫真の演技には、思わず引き込まれる。
検事、記者、取り巻く諸々の立場から“正義”を
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.5

二度と元には戻れない、厳酷な地獄へ突き落とされたような苦しみとはこういう事だろうとも思う。
人が人を裁くという裁判のシーンにはもどかしさと悔しさで観ていて胸がいっぱいになった。
犯人の2人が極悪非道の
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.3

池井戸潤著書は、『空飛ぶタイヤ』『下町ロケット』『鉄の骨』が私の中のベストで、この3冊で全部出し切った感がある。
そしてタイヤは、とっくに映画化された気がしていた。
文章で充分堪能したので、映像はもう
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