是枝監督、今回もしっかり作り込んであって、撮影現場で監督の直感で練り込まれる脚本と奇跡的な映像が、難解になる事なく深みのある作品に仕上がっていて素晴らしい。
一貫して、ブレがありません。
今、社会問題>>続きを読む
画家モード・ルイスの事は、今回の映画で初めて知った。差別や辛い現実を程よいユーモアで跳ね返すモードの芯の強さをホーキンスは『シェイプ・オブ・ウォーター』とはまた違う、まるで画家が乗り移ったような迫>>続きを読む
途中で雑念が邪魔することなくこんなに真剣に最後まで画面にくぎ付けで映画を観たのは久しぶりな気がする。
演じる俳優陣がみなものすごく自然体で、リアルだった。細かいディテールにまで拘っていたと思う。ふがい>>続きを読む
確かに前半中盤、退屈な流れなのだが終盤のクライマックスに、よりインパクトを持たせる為には、実に効果的な構成だったと私は思う。
単に3人の生い立ちを淡々と見せているようでも(ちょっと睡魔にも襲われるが.>>続きを読む
「空海の話じゃない、邦題は詐欺だっ!」そんな理由でも世間では酷評のようだ。
これ、空海はホームズ、白楽天がワトソンで楊貴妃の死の謎を解き明かす話で化け猫に祟られるファンタジーらしいって事と原作夢枕獏だ>>続きを読む
内戦激化のシリアからフィンランドの首都ヘルシンキに逃れたカーリド青年(シェルワン・ハジ)が、偶然出会った人々の善意に助けられながら、生き別れた妹ミリアム(ニロズ・ハジ)を探し呼び寄せようとする様を描く>>続きを読む
オープニングから、蒼井優の圧倒的な演技に、本気で十和子に嫌悪を持った。
それはすごいと思った。
それにも増して阿部サダヲの汚らしさと、鬱陶しさ、これまたリアルで感心した。
この2人がどうやって知り合っ>>続きを読む
前編、後編、合わせて5時間強が、あっと言う間に過ぎて行く。圧倒的な面白さ。
何をおいても菅田将暉の迫真の演技、そして体内に強力なマグマを持ちながら優しいが故に苦悩するバリカン健二を繊細に演じ切ったヤン>>続きを読む
ヘップバーンには、すこーーし及ばないけれども、アン王女を思わせる美雪の凛とした佇まいと美しさ、
健司を“しもべ”と呼ぶ奔放な振る舞いも実にチャーミングだった。
綾瀬はるかがとても魅力的だ。
彼女を愛す>>続きを読む
これはもう松岡茉優の魅力そのものという感じだった。
彼女の声、彼女の台詞回し、間の取り方、表情、動き、全てがこの作品の中で生き生きと描き尽くされている。彼女でなければ、これほどピタリとはハマらなかった>>続きを読む
人間の喜怒哀楽を如実に辛辣に描いた作品だと思った。
1つの殺人事件をきっかけに、普通の人々の感情が無理くりあぶり出される感じで、観ていて誰にも感情移入できないけれども、どの登場人物にも共感出来る部分が>>続きを読む
これは何と言ったらいいのだろう・・・、純愛、暴力、オタク、カルト、偏見、そんなモノ等をガラガラとミキサーにかけて、シリアスかつユーモアで上手に味付けしたような映画だった。
敬虔なクリスチャン一家の父母>>続きを読む
『水曜どうでしょう!』の準藩士としては、大泉洋くんが頑張っているこの作品をスルーするわけにはいかんのですっ!
前2作品よりは、スッキリして楽しめたかなと思う。
相変わらずの探偵と高田(松田龍平)のボケ>>続きを読む
米ソ冷戦下、熾烈な宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカの有人飛行計画を人知れず支え、多大な功績を残した黒人女性たちがいたことが、表立って記録されてこなかった事実にまず驚いた。
IBMのコンピュータ>>続きを読む
思い切り笑いたいっ!という友人の強い誘いにお付き合いして観た。
あぁ、けど、展開、演出、あまりにも稚拙な作りに笑いも出来ず。瑛太(やっぱかっこいい!)もガッキー(やっぱ可愛い!)も脇を固める役者も上手>>続きを読む
まどろっこしい前振りなど一切なく、いきなりのカーチェイスってとこが最高っ!
ベイビー(アンセル・エルゴート)のスリリングなドライブテクニック、寡黙なポーズとタイヤをキュンキュン鳴らしながら疾走する時の>>続きを読む
オリジナル『猿の惑星』の衝撃のラストに興奮してから40数年。リメイク、リブートを経ても未だにその魅力と高揚感は冷めやらぬだ。
猿が地球を支配するという斬新さと、知性を持った猿に比べて、いつまでたっても>>続きを読む
吉高由里子がはまり役で、これを見てから、他の何を見ても美紗子に見えてくる。
原作で読者を複雑にミスリードしていく幾つかの要素をバッサリと削除、ダム湖のくだりの有り得ない成り行きも描きなおされ、映画は非>>続きを読む
なんちゅうか、ホントにスクリーンの中の細かいディテールが、物に限らずエピソードも含めて、なぁんて愛おしいんだろうと思う。あと、パターソンを演じるアダム・ドライバーの雰囲気と表情がたまらなく良いです。>>続きを読む
予告編を観ただけでの鑑賞だったので、最近氾濫している惨殺犯罪モノかと思っていた。
金魚すくいのシーンは映像だけ見ると美しいのに、なにやらすごく不穏な音楽が流れて緊張するオープニング。ホラーが苦手な私は>>続きを読む
【マンチェスター・バイ・ザ・シー】
予備知識を一切持たずに観たのだけど、淡々と変わりゆくシーンの時間軸を把握するのにちょっとだけ時間がかかった。
徐々にリー(ケイシー・アフレック)が抱える悲惨な過去が>>続きを読む
“藪の中”なのか....でも、いく通りもの真実が見えてくるような心理サスペンスだった。
殺したのか否か....そこが問題ではない。そこに至るまでのプロセスに、複雑な背景や心情が絡まり、簡単には割り切れ>>続きを読む
クリムトも嫉妬したと言われるほどの天才画家エゴン・シーレ。
その画風は、一瞬たじろいでしまうほど、赤裸々でエロチックだ。直線的な輪郭で繊細に描かれ、独特な色彩により醸し出される世界観は私の感情を揺さぶ>>続きを読む
架空の画家カミンスキーが名声を手中に収めるまでを、マティス、ピカソを始めウディ・アレンやビートルズ実在する各界の有名人のポートレートと絡めてテンポよく見せるオープニングは、もう虚構だろうがフェイク>>続きを読む
舞台上に『セールスマンの死』のセットが組み立てられていくオープニングから、突如画面が移り主人公夫婦が住むアパートが強制解体され住人が逃げ惑うシーンに繫がる。そこはテンポが良く先の展開に興味をそそられた>>続きを読む
物語の冒頭、激しい波が押し寄せる寒々とした海に浮かぶ孤島、その佇まいがこれから起こる悲劇を暗示しているようだった。
戦争で心が深く傷つき、帰還してからも人との関わりを避けて孤島の灯台守に着任するトム。>>続きを読む
奇をてらったようなタイトルに加えて、号泣必至とか言われると、何となく観る前から気持ちにフィルターをかけてしまう。
結論から言うと、所々じ〜んとはしたけど泣きはしなかった。
死に対する怯えや不安、その>>続きを読む
圧倒的な映像とデズモンドの強堅な信仰心を前にして、生半可な感動や感情など画面に飲み込まれてしまって、エンドロールが流れる頃には放心状態だった。
映画『沈黙 サイレンス』でも主演したアンドリュー・ガーフ>>続きを読む
ワトソン、マイクロフト、ハドソンさんも既に居ない。鋭い観察眼、推理、記憶で難事件を解決したホームズにも老いは訪れ。判断を誤った過去の呪縛が92歳の彼を苦しめる。純文学を読んでいる様な感覚。真の安息が彼>>続きを読む
過去に観た似たような作品と同じような内容で独創的な驚きは無く、『エイリアン』を初めて観た時のような心理的な恐ろしさはなかった。ラストに辛うじてインパクトを与えて踏ん張ったと言う感じ。なぜそうなったかは>>続きを読む
ウォン・カーウァイ監督作品。紅色とグリーンを基調としてレトロに幻想的に彩った映像は、多くを語らないストーリー展開と相まって芸術性の高さを感じさせる。複雑に渦巻き燃立つ気持ちを極限まで抑えて、淡々と見せ>>続きを読む
「麦の穂をゆらす風」に続いて2016年のカンヌでパンムドールを受賞した社会派ケン・ローチ監督の作品。
実直で勤勉な大工職人のダニエルが心臓発作を起こし59才で職を失ってしまう。雇用支援手当を不条理な審>>続きを読む
突然の事故で妻を亡くして、そのことに対して自分の感情が一瞬にして停止してしまう、自分は妻を愛してはいなかった、でも、周りのあらゆるものを破壊することで、少しずつ解凍していく感情と生まれ出ずる本来の想い>>続きを読む
是枝裕和監督作品の中で1番好き。
青空に白い雲、蝉の鳴き声が賑やかにきこえる。そして、年老いた母親がたくさんの手料理で迎えてくれる。息子や娘、孫の帰省を喜びながらも上手く伝えられずに寡黙になる父親。>>続きを読む
レイトショーで観たので、途中何回か眠ってしまいそうでした。
そんな状況での鑑賞でしたが、自分なりに思ったことは、自分の人生の未来がみえた時、その未来が悲しい出来事に至ると分かった時、人はどういう選択を>>続きを読む
差別やネグレクトを扱ったものだけど、これはとても純粋な恋愛ものだと思った。自分の気持ちをありのままは受け入れられない苦しさ、ただでさえ、劣悪な家庭環境の中で辛いのに、更には自分がゲイである事の戸惑いと>>続きを読む