kouさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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一人息子(1936年製作の映画)

4.0

小津安二郎監督作品。母と子の関係性を描いている作品。小津監督のその後も度々描かれる親と子の関係の中、母の子供への思い、そして子供も母親の期待に応えようと奮闘するも、うまくいかない様子を描く。温かさもあ>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.0

久しぶりのMCU映画ということで、それだけでも嬉しい気分になる。公開まで、そして公開してからも色々な賛否両論があるのは、今後の映画のあり方についても変わっていくのだろう潮流を感じる。

ブラックウィド
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大いなる幻影(1937年製作の映画)

4.5

名作と呼ぶに相応しい、戦争映画の古典。ある意味身構えて見たのだが、最高に面白いし、感動的であった。今作が多くの映画に影響を与えているというのも大納得だった。

ドイツ軍とフランス軍。第一次対戦時が舞台
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.5

閉塞感のある画面と、二人の登場人物の狂気、グロテスクでおぞましい映像。ある世界のある深淵を覗いたような、見ている観客も引きずり込むような、そんな作品であった。前作の「ウィッチ」を見た時も没入感がすごく>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

4.5

ホン・サンス監督作。主人公ガミは夫の出張中、3人の古い女友だちを順に訪ねていく。なんてことはない会話劇で構成され、それぞれがワンカットで描かれる。カメラはズームとパンがされるのだが、そこから生み出され>>続きを読む

ゴジラ FINAL WARS(2004年製作の映画)

2.0

ゴジラシリーズ第28作。ゴジラミレニアムシリーズの最終章。シリーズの集大成を作るという意気込みのもと作られたという事だが、久しぶりに観賞が辛い映画だった、というのが正直なところ。

全編のチープさも、
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.0

主要キャストがアジア人のみということで話題を呼んだことは記憶に新しい。近年のハリウッドの方向でもある多様性について描かれた作品として、今後も話題に上がっていくだろう作品だと思う。ただやはり、多様性を意>>続きを読む

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

5.0

若者の瑞々しさ、焦燥感、恋愛や友情、家族。監督の自伝的な内容という事もあり、監督自身の当時の感情を映像として切り取っているような、素晴らしい映画だった。思い返しては各シーンの素晴らしさを反芻している。>>続きを読む

風が踊る デジタルリマスター版(1981年製作の映画)

3.0

ホウ・シャオシェンの初期作。初期作という事もあるのか、ホウ・シャオシェン映画の人間を見つめ、静かな中にかたられる郷愁や人生といったような要素は薄い。人気アイドル歌手鳳飛飛と香港のスター鍾鎮濤が主演とい>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

ロバート・レッドフォードの引退作として、ロバート・レッドフォードの渋い魅力が詰め込まれているのは勿論のこと。見事な面白さだった。まずは冒頭の展開が素晴らしい。淡々と銀行強盗を行い、警察から逃げ切るまで>>続きを読む

ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)

3.5

ベトナム戦争を描いた作品は数多くあるが、ベトナム戦争の泥沼化、無意味さを強調している作品だった。また、映画としてのストーリーの面白さというより、リアルを描く部分に重きを置いているように感じた。悲惨な戦>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.5

劇場でみれなかったことを後悔する映画だった。最高じゃないか。なんとも言えない男女3人の関係性、空気感がリアルで、まさに映画の中に彼らが息づいてる。何か劇的に起こるわけではなく、しかしながら感情の起伏や>>続きを読む

Arc アーク(2021年製作の映画)

3.0

邦画SF作品、そして監督が石川慶監督というところで期待して見に行った。たしかに他の邦画のような違和感は少なく、他の監督であったら目も当てられない内容になっていたと思うが、やはり細かい違和感を拭いきれず>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.0

サスペンス映画としての緊張感の盛り上げ方はさすがで、限定的な空間の使い方や見せ方、観客の心の揺さぶり方は見事としか言いようがない。前作が革新的な手法だった事もあるが、今作はある意味王道的にハラハラとさ>>続きを読む

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第27作。前作のメカゴジラとゴジラの戦いを活かしつつ、整備士という目線からゴジラとの戦いを描いている。また、モスラが過去作との繋がりを示しつつ登場する。インファント島や小美人といったモチ>>続きを読む

ゴジラ×メカゴジラ(2002年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第26作。ゴジラシリーズにおいて過去に何度もメカゴジラが出てきているが、やはりゴジラとの相性が良く、人気があるからだろう。ゴジラ対人間という図式の中で通常の兵器では太刀打ちできるはずもな>>続きを読む

アリス(1988年製作の映画)

3.0

子供の持つイマジネーションと残酷さと純粋さ。時に危うく、生と死の表裏一体な感覚。グロテスクな突拍子もない物語は、子供が作り出した脈絡のない話のようでもあるし、彼女が見た夢のようでも、ファンタジーのよう>>続きを読む

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

3.5

ゴジラ一作目は、インパクトと、メッセージ性の強さがある作品であった。それ故に一作目以降の作品において、呪縛のように比較対象にされ続けている。今作ではある意味一作目の恐怖の対象としてのゴジラを、しっかり>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

3.5

息を呑むような自然の景色とそこで生きる人々の姿。別の場所に憧れを持つ、ブータンという国の中では都会に位置する場所で暮らす主人公が、辺境の土地で教鞭を振るう事で人々の豊かさに気付かされる。

多くの映画
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ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

4.5

まず初めの感動は、映画の豊かさだった。今の映画には絶対に出せない画面から出る豊かさは、みていて幸福さすらある。監督も撮影も衣装も大物が揃っているという時点で当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.5

ブロードウェイショーの映画化ということで、全く想像もつかず、正直飽きてしまわないかが不安だった。見ていて全くの杞憂であったとすぐに思った。とにかく刺激的で多方向からの視点があり、最高だった。

元トー
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旅立つ息子へ(2020年製作の映画)

4.0

例えばそれは障害のある子供に限った話ではなく、子供の感情を、能力を、成長を全て理解することはとても難しい。子供は成長していくが、そのスピードは時に早く時にゆっくりだ。親の知らないことができたり、できな>>続きを読む

ゴジラ×メガギラス G消滅作戦(2000年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第24作。ゴジラミレニアムシリーズの第2作である今作は、エンターテイメント性の高い作品になっていた。平成ゴジラシリーズで一度シリアスな路線に切った雰囲気を、昭和ゴジラシリーズの後半のよう>>続きを読む

天使のたまご(1985年製作の映画)

3.5

押井守監督によるOVA。アニメーションとしてここまで異質で、他のアニメ作品ではあり得ない内容にまず驚かされる。映像としての素晴らしさ、そしてオリジナリティ、静かであるが何かを放ち続ける展開が異質だった>>続きを読む

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.5

身体の言い分という言葉が今作では使われるが、まさに身体の言い分に従って生きる二人を描いた作品だった。食べる・飲む・セックスする・寝るというサイクルが繰り返し描かれ、「生」について強調されて見える。その>>続きを読む

グーニーズ(1985年製作の映画)

3.5

久しぶりに明るく楽しい映画が見たいと思い鑑賞。やはり80年代的な騒がしく、面白い雰囲気が最高だった。冒頭からコメディとアクション要素を多分に織り交ぜた演出が最高で、少年少女たちの冒険物語としてこれほど>>続きを読む

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第23作。ゴジラミレニアムシリーズの第1作。新しいゴジラシリーズのはじまり。特撮もあるが、CGにかなり重きを置かれている印象。ゴジラシリーズのはじまりとしてはインパクトに欠けるが、また新>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.0

不条理な世界観、砂の惑星で独特なルールに従いながら地球に戻る為に旅をする。惑星プリュクにワープしてしまった男達をシュールに、しかしながらポップでコメディたっぷりに描いた面白い作品だった。映画を見てカル>>続きを読む

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)

3.5

ゴジラシリーズ第22作。平成ゴジラシリーズの最終章。比較的連続した話として描かれてきた平成ゴジラシリーズ。今作はその終焉として、ゴジラの死というものをはっきりと描く。冒頭から核爆発寸前のゴジラが身体を>>続きを読む

遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.0

SFホラーとして、しっかり怖くて、気持ち悪い。また、正体不明の敵も怖いのだが、それよりも仲間同士で疑心暗鬼となって行く様、次第に恐怖にとわられて気が狂って行く様が余計恐ろしかった。

80年台初頭とは
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.5

エリア・スレイマン監督による10年ぶりの新作。エリア・スレイマン監督が、故郷ナザレからパリ、ニューヨークへと旅をする。描かれるのはそれぞれの整った街の中での違和感だ。街を走る戦車であったり、炊き出し、>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.5

「ガンモ」のハーモニー・コリンの最新作ともなると期待度は上がりきってしまうのだが、今この状況だからこそみたい映画になっていると感じた。どんなに深刻な事態になったとしても、適当に、ジョークとユーモアで、>>続きを読む

ダーク・スター(1974年製作の映画)

3.5

独特なSF映画、まさにカルト映画というにふさわしい内容だった。宇宙船ダークスターに乗り込み、不安定な星を破壊するという任務を受けた乗組員たち。彼らのぐだぐだとした日常や、エイリアンのペットを追い掛け回>>続きを読む

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.0

ブラインドスポッティング=盲点、ある視点を持つと他のものが見えなくなること。ある偏見により、相手のことを見ようとしなくなるというのはとても残酷なことで、相手のことをわかることなく、分かろうともせず判断>>続きを読む

ゴジラVSスペースゴジラ(1994年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第21作。ゴジラ対ビオランテや、ゴジラ対モスラからの流れを組みつつ、宇宙からのゴジラの遺伝子を持つ敵としてのスペースゴジラが登場する。他の平成シリーズと少し異なるのは、ゴジラが人間の味方>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

認知症の父親と、父親を介護する娘。本作が画期的であるのは、認知症の父親の視点で、自分の記憶が飛び、混ざり合い、そして失われていく様を映像化している点だ。認知症について、こういう視点で描かれている作品は>>続きを読む