SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 30ページ目

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クワイエット・フレンド 見えない、ともだち/ゼット 見えない友達(2019年製作の映画)

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邪悪なイマジナリー・フレンドのZくん。子供にしか見えないかと思ったら、ママにも見えてしまうので、座敷童子系みたいである。いや、Zくんのせいで邪悪に変貌し、緑のゲロまで吐くのでエクソシスト(神父の代わり>>続きを読む

かくも長き不在(1960年製作の映画)

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消息不明となっていた夫が帰ってきた。夫婦の再会はいくらでも劇的な場面にできるが、そうならない。彼は既に冒頭からそこにいるから。2階の窓から妻が恋人のトラックを見送ると、角から現れる小さな人影。日々「セ>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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オーソドックスというか、由緒正しいゾンビ映画。たまたま当地の劇場では本編前に『ゾンビ 日本初公開復元版』予告が付いてきたので、観る前のちょうど相応しいガイドになってた。何せジャームッシュによるゾンビ映>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

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厳重な機密保持のため、屋敷のシェルターに閉じ込められた各国9人の翻訳家。如何にもクリスティ風な設定で始まるミステリーは、殺人ではなく大人気シリーズ小説完結巻の流出事件。思わせぶりな登場人物、思わせぶり>>続きを読む

おっぱいとお月さま(1994年製作の映画)

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弟が生まれてママのミルクを独り占めしたから、ぼくだけのおっぱいがほしい男の子テテ。そこに現れたのは、理想のおっぱいを持つ踊り子エストレリータ。けど、テテの前には夫のフランス男と、近所の青年ミゲルという>>続きを読む

飢餓海峡(1965年製作の映画)

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長く濃厚な3時間。何度か時間や舞台が変わる所で、小説だと「第○部完」とクリフハンガーになりそうな構成だ。台風による青函連絡船事故と犯罪がシンクロする第一部から、舞台を東京に移したその後、そして10年後>>続きを読む

ベラ bella(2015年製作の映画)

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明らかにドイツ女子版『テッド』だ。ヤナと赤毛三つ編みで幼児サイズのぬいぐるみ人形ベラは、孤児院で共に育った無二の親友。やがて大人になり、結婚を控えたヤナと婚約者の仲を邪魔するベラのせいで2人の友情と愛>>続きを読む

狂人ドクター(2017年製作の映画)

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怪しい精神科療養施設を舞台に、サスペリアとか時代がかったゴシックホラーの体裁だが、何とも中途半端で安っぽい撮影と演技が学生映画みたい。ジェームズ・フランコが共同監督&出演の胡散臭い案件だった。エリック>>続きを読む

(1961年製作の映画)

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治る見込みのない友人を見舞う作家とその妻。その後妻は、労働者の団地が並ぶ郊外を一人彷徨う。泣く子供、喧嘩する若者。都会のアパートで妻を待つ夫。やがて出かけた夜のパーティでも一人浮いている妻、若い女に出>>続きを読む

チャーリー・セズ / マンソンの女たち(2018年製作の映画)

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所謂マンソン・ガールズを主体とした映画。ファミリーに加入した“ルル”の視点で事件に至るまでの過程と、刑務所の特別房に収監されたその後が並行する構成。未だチャールズ・マンソンの洗脳が解けないルル、ケイテ>>続きを読む

ドッグマン(2018年製作の映画)

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マルチェロとシモーネは見た目からしてチワワとピットブル。そして身体つきも気性も弱々しいマルチェロは、屈強で獰猛なシモーネのイヌだ。コカインを餌に何とかなだめすかし機嫌を取りながら、「友達」と呼ぶ飼い主>>続きを読む

隣の影(2017年製作の映画)

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掴みのアヴァンタイトルで、そうくるとは思わなかった。浮気発覚して家を追い出された夫、その実家では両親がご近所トラブル。自分の蒔いた種が思わぬ方向へ連鎖して、あれよあれよと崩壊一直線。『フレンチアルプス>>続きを読む

NTLive『フリーバッグ』(2019年製作の映画)

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TVシリーズS2まで観てるので、NTLでオリジナル舞台『フリーバッグ』はどうしてもそれを思い出しつつ(ネタはだいたいS1と同じだが、継母は出てこない)。他キャラクターの音声と会話が時々あるが、ずっと椅>>続きを読む

サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所(2017年製作の映画)

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父を亡くし、家で居場所を失くしたユリシーズが、ドラァグクイーンたちと出会う。主人公の名前に重ねて、自分の居場所を求めて流離い、ジェンダー・アイデンティティを解放するまでの旅路をシンプルに凝縮した物語。>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

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イヴが楽屋で身の上話をし始めると、そこにいるスターや演出家劇作家は彼女の独り舞台の観客となり、魅了されてしまう。そして一介のファンから有能すぎる付き人へ、やがてベテラン大女優マーゴの代役へと着実に上が>>続きを読む

カット/オフ(2018年製作の映画)

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凝ったプロットに次々振り回されるドイツのサスペンスミステリー。いきなり事件に放り込まれて何がどうなってるかわからぬまま、なんだそういうことか!と急展開。何と言っても斬新なのは、「解剖で推理」という荒技>>続きを読む

ストレンジ・アフェア(2019年製作の映画)

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亡き兄の恋人が彼の子供を妊娠したと言い出す。亡くなったのは5年前なのに…。オカルトか、まさか冷凍精子?というミステリーは、やがて残された家族と恋人の身元引受人となった老夫婦の秘密を明かしていく。
その
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ペーパーマン PaperMan(2009年製作の映画)

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執筆のため田舎の家に来た作家リチャードの頭の中には、常に“キャプテン・エクセレント”というスーパーヒーローが住んでるという設定。妻に頭が上がらずスランプに悩む情けないおっさんをマヌケ顔で演じ、知的な役>>続きを読む

ラバーボーイ(2014年製作の映画)

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ポルノをライヴ配信するお屋敷“ガールズ・ハウス”を舞台にした、『裏窓』+『暗闇にベルが鳴る』+『スクリーム』。つまり、『裏窓』のカメラがウェブカメラになってる。殺人鬼はわかりやすいインセルのミソジニー>>続きを読む

世界にひとつの金メダル(2013年製作の映画)

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馬術競技で2度の五輪出場したフランス代表ピエール・デュランの実話。恩師でもある父親や妻との絆、ロス五輪での挫折、度重なるトラブルを乗り越え成長したデュランが愛馬ジャップルーとソウル五輪で金メダルを掴む>>続きを読む

若草物語(1949年製作の映画)

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クラシカルなテクニカラーの美術セットに、ボリュウム感たっぷりなドレス。特に土と雪の混じった冬景色、はらはら舞い散る紅葉のセットが凝ってた。出てくるツリーやケーキも少女漫画みたいにロマンティックで、貧し>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

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朝鮮戦争時の捕虜収容所で、アメリカ軍の思惑により結成されたダンス・チーム。元ブロードウェイ・ダンサーの下で目的も出身も異なる4人がタップに夢中になっていく前半はコミカルな場面も多く、『勝利への脱出』を>>続きを読む

クリシーの静かな日々(1990年製作の映画)

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冒頭、書き割りセットにわざとらしい老けメイクの老人の記憶は、絵画と写真と花と人で一杯の娼館での30年代へと。退廃と享楽の都パリを謳歌するアメリカ人作家ジョーイ、写真家カール、そして蠱惑的な少女コレット>>続きを読む

ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

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多重人格というか、1つの体を2人でシェアしてるジョナサンとジョン。1日を昼夜きっちり半分ずつ分け合いお互い別々の生活を送る。すれ違いのルームメイトみたいな感じもするが、直接会うことが出来ない2つの人格>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

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すごく面白かった!のっけから鷲掴みにして加速する展開、一旦堕ちてから更にスリルとスピードを増し、そして切なすぎる結末…ケイパー映画としても青春映画としてもグッとくる。似てる訳じゃないけど『アメリカン・>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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アナログなパステル画アニメーションはタッチが少々グロテスクでインパクトあるとはいえ、物語は割とありがちなSF。絵もテーマも音楽もこれぞ70年代。
ペットとして飼われた人間にとっては悪夢だが、ドラーク人
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

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保安官ジョン・ウェインとアルコール依存症の相棒ディーン・マーティンを軸に、捕まえた悪党と奪還を企む一味、ふらりと流れ着いた賭博師の女、若いガンマン、年配の世話人らが繰り広げる、とても地味な西部劇。冒頭>>続きを読む

レイトナイト 私の素敵なボス(2019年製作の映画)

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マンネリ化したレイトナイト・ショウをテコ入れするため雇われたのは、畑違いのインド系女性。人気ホストは実は人嫌いの頑固者。TV番組の裏側ということで、アーロン・ソーキン『ニュースルーム』と似たところがあ>>続きを読む

未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)

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現代のドイツを舞台に、迫害されたユダヤ人が国外へと脱出。何とかマルセイユへ逃れた主人公ゲオルクは、道中で亡くなった作家になり代わってメキシコへ出国しようとする。
特に説明もないその設定だけでもゾッとす
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アンセイン ~狂気の真実~(2018年製作の映画)

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サイコスリラーというか、密室心理劇みたいな。展開の細部は雑だけど、とにかくストーカー被害は怖いよやばいよしんどいよ、っていうのが一番。iPhoneカメラがクレア・フォイの人相がどんどん移り変わるのを追>>続きを読む

ディアマンティーノ 未知との遭遇(2018年製作の映画)

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本作は実際の人物や出来事と無関係。なので、ポルトガルの英雄的フットボール選手ディアマンティーノは、クリスチャーノ・ロナウドとは関係ない。どんなに見た目が似ててもいくらピュアなフットボール馬鹿で泣き虫で>>続きを読む

ギルガメッシュ/小さなほうき(1985年製作の映画)

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【ブラザーズ・クエイ短編集 I】3本目。
観た中でいちばんシュール。でもキャラクターがグラムロック系ビジュアルで、これも動きがユーモラスだ。神と人間ではなく、昆虫と機械が合体したみたいな。コオロギ(?
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ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋(1984年製作の映画)

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【ブラザーズ・クエイ短編集 I】2本目。
『人工の夜景』とは打って変わって、博士と子供がユーモラスで可愛らしい。アルチンボルドの絵を模して、様々なオブジェを集めていく。やはりレトロな機械とフォントがポ
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人工の夜景(1979年製作の映画)

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【ブラザーズ・クエイ短編集 I】で『人工の夜景―欲望果てしなき者ども』
初めて観るブラザーズ・クエイ。部屋の壁、車窓を流れる景色も壁。闇の中に浮かぶ鉄のテクスチャ。フォント。アニメーションとはいえ、ず
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アンノウン・ボディーズ(2017年製作の映画)

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猟奇事件ものミステリーのテンプレ。はみ出し者デカと懇ろになるファムファタル、エログロ、急にスタントアクションで盛り上げるクライマックス。捜査が隣国オランダやドイツに跨るのがベルギーらしいところか。
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ショー・ダンサー/Stripper(1985年製作の映画)

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86年に製作された、世界初のストリップ大会に賭けるストリッパーたちを追ったドキュメンタリー。自分探し、再起、自己表現、アート…それぞれの背景や動機がカメラに語られ、それは言わば女の履歴書。皆が地道にト>>続きを読む