ヒロインは登場するなりもう不憫。出会った途端に逆ギレされ、余計な口を出すなと叱られ、夢のようなデートでも叱られ、プロポーズされれば嫌味を言われ、それでも受け身のまま、迎えられたマンダレイ屋敷に雨が降る>>続きを読む
『旅情』と紛らわしくて混同してた…有名なテーマ曲はこっち。第二次大戦後の香港で働く医師スー・インと、新聞記者マークの逢瀬。英国と中国、仕事と恋愛、女は夫を亡くし男は妻と別居中…と、2人の関係には常に二>>続きを読む
世界中に荷物を遅れずに配達することが使命だった男は、自分自身が迷子の届かない荷物になる。
さすが、無人島へ至るまでの展開が見事に周到だ。米国の田舎からロシアまで荷物視点でひとっ飛び、大勢が集うクリスマ>>続きを読む
主人公はセックス依存症、18世紀のテーマパークでコスプレ仕事、奔放だった母は今や認知症で、出生の秘密を抱え…とネタ盛り過ぎ。コメディというほど笑えない、いや全然笑えない。正直中盤まで面白くない。
だが>>続きを読む
ああまた「〜と〜の〜」シリーズか、と思ったら原題も『Professor Marston & the Wonder Women』だった(但し複数形なのがミソ)。
物語は「ワンダー・ウーマン」が燃やされ、>>続きを読む
セレヴリティ、アーティスト、スターらが愛し訪れるザ・カーライル ア・ローズウッド・ホテル。歴史、品格、芸術と秘密、古き良きNYの文化が詰まった場所。
ホテル側とお客側の証言で構成されたドキュメンタリー>>続きを読む
誰が何を信じても自由、何も信じなくても自由。そしてパスタ・ストレイナーを頭に被るのも自由。「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」を信仰するパスタファリアンは、アイントホーフェンはじめ世界の津々浦々に存在>>続きを読む
深夜の静寂、ぽつぽつと明かりが灯る地平線。スーパーの巨大倉庫に並ぶ在庫棚。緑色の制服を着て名札を付け、黙々と仕事を覚える新人クリスティアン、先輩ブルーノ、ミス菓子売り場マリアン。ひっそりと「闘うための>>続きを読む
新聞社のウォルターとヒルディは元夫婦。ヨリを戻そうとあの手この手で口説くウォルターだが、彼女が再婚を目前に控えてると知ってさあ大変。
惹かれ合いながら喧嘩する2人、ライバル婚約者は人の好い田舎紳士、彼>>続きを読む
夫婦仲が破綻し精神不安定な母と息子オーガスティン。13歳になった彼は愛する母と引き離され、どういう訳か精神分析医とその奇妙な家族の下に預けられてしまう。
そこには不遜な家長ブライアン・コックス、家政婦>>続きを読む
学園を牛耳るエリート集団“ブルー・リボン”は、悪の陰謀によって洗脳されていた!という、ボディ・スナッチャーものの一種で、『ステップフォード・ワイフ』の学園版。大人は全く信用ならず、異常に気付くのははみ>>続きを読む
オーストラリアの女性騎手の実話。競馬一家で10人兄弟の末っ子ミシェルは人一倍負けん気が強く、幼い頃から最高峰メルボルンカップ勝利という夢に真っしぐら。
レース中のコース取りが、男性中心社会で前へ出よう>>続きを読む
いきなりの異様なテンションから、心理セラピーのロールプレイングという劇中劇的な仕掛けで意表を突き、早速心理スリラーのジャンルへと誘う。胡散臭いセラピーを行う精神科医、そこで隔離治療中の妻、娘を守ろうと>>続きを読む
悪の組織と戦うDEBSのエリート女子4人組は女子高生版チャーリーズ・エンジェル。ボスの指令でスパイ任務に勤しみ、恋や進路に悩んだり悩まなかったり、宿敵の悪ボス美女と許されぬ仲になったりしてチーム団結の>>続きを読む
ブラムハウス案件。何もかも華々しい姉に劣等感を募らせた双子の妹が悪魔に魂を売る。芸術学校を舞台に暗黒面に堕ちたピアニスト…といっても『サスペリア』ほど凝った趣向はなく、まあ昭和の少女漫画っぽい。呪われ>>続きを読む
子供は不自由だ。田舎に引っ越さなきゃないし、検査を受けなきゃないし、痒いのに掻いちゃダメって言われるし、飲みたくないミルク飲まなきゃないし、従姉妹のアナはパパママに甘えるけどあたしにはママがいない。>>続きを読む
ワイドな横長画面で床に寝そべり、壁にもたれる怠惰なローアングル。NYトライベッカも特別な景色ではなく、まるでありふれたどこか。真っ白な棚、広くて趣味の良い部屋を背景にしたアップショットは、横長に間延び>>続きを読む
舞台はマルセイユ、相棒はロイ・シャイダーに代わってフランス人刑事に。ゲリラ撮影やバスとの追いかけっこ、危険そうなアクションスタント、ドン・エリスの音楽など前作を踏襲しつつ、チェイスシーンにポパイ視点の>>続きを読む
ロメロ先生の元祖ゾンビ映画。モノクロの光と影、カメラアングルと編集、ナチュラルなゾンビが陰鬱な恐怖を演出していて、後の『ゾンビ』よりも100倍怖い。何せ、ゾンビというよりさっき死んだばかりの人間という>>続きを読む
幸せを感じると昏睡してしまう男が恋に落ちたら。情動性筋力発作を持つチャーリーも叔母を介護するフランチェスカも「幸せになるのが怖い」同士なので、惹かれ合っても禁じられた関係みたいなもの。ならば何とか幸せ>>続きを読む
エディ・デューチンの伝記メロドラマ。愛を支えに成功したピアニストが、受け継いだ愛と才能を息子へとまた手渡す。不吉な兆しを運んでくる強風、息子が揺らす無人のブランコ、ジャンプショットで示す時間の経過など>>続きを読む
フリードキン先生大いに語る。「人は誰しも善と悪の両面がある」「リハーサルはしない。バカと臆病者のものだから」「芸術家じゃない、仕事だ」…いやあ、やはりガチでした。ガチは常に200%全力投球。テイクは1>>続きを読む
今更ながら傑作、改めてオールタイム・マイ・ベストの1本に入れたい。のっけからドン・エリスによるサントラがめちゃくちゃクール!クラブでスリー・ディグリーズが歌う曲も好き。全編の音楽と音響、オンオフのタイ>>続きを読む
お互いしか知らずに満足するより、他の人とも試してみようと思い立ったアナとウィル。目的はセックスだけだし愛し合ってるから大丈夫と言いつつ、モヤモヤして落ち着かない2人。それと並行して描かれるのが、養子縁>>続きを読む
学校新聞編集長のヘンリーは、パブロ・ネルーダを読み物憂げでミステリアスな転入生グレイスに心奪われる。高校生にしては物静かで大人ぽく、アンニュイに詩的な台詞を吐くオースティン・エイブラムズとリリ・ライン>>続きを読む
『スーパーバッド』から13年、諸々を経て世代交代して『グッド・ボーイズ』(小学生版)とこれ(女子版)の兄弟姉妹映画が生まれたという感じ。つまりジャド・アパトーとジョナ・ヒルの遺伝子…?
元気で愉快な掛>>続きを読む
記憶をめぐるSFスリラー。愛する妻と娘のいる男は、事故によって妻と記憶を失ってしまった…が、果たしてその記憶は真実なのか。潜在意識の階層に深く入り込んでいく“ブラックボックス”治療法が『インセプション>>続きを読む
1958ロンドン。一応ディケンズの「大いなる遺産」を下敷きに、成り上がり主人公の自分探しとヤング・パワーとブラック・パワーの抵抗をギュッと詰め込んで、エネルギッシュに畳み掛けるミュージカル。
テーマ曲>>続きを読む
クイーンズで起きた警官の正当防衛射殺事件の裏には深い闇があった。ティモシー・ハットン演じる若き検事補アルが主人公であるものの、映画は周縁で利用され踏み付けられたマイノリティに力点を置いている。
アイル>>続きを読む
ひとりぼっちの山奥で遭難、しかも遺体を発見してしまった自然公園職員のウェンディ。果たして救助隊が来るまで無事でいられるのか?
サヴァイバルの舞台はそこまで極地じゃないけれど、主人公がドジっ子&山のド素>>続きを読む
呪いのポラロイドカメラ!それだけのネタでそれだけではなく、でもそこから外れない、ってのが良かった。映像演出も暗室の赤色灯、ストロボ光る間だけ見えるお化けとか写真に拘ってる。いや、それデジタル世代に通じ>>続きを読む
バカバカしいコメディに振りつつも、ロメロ直系的に真っ当な80年代ゾンビ映画。封印されたブツをあっさりぶちまけて、ドタバタ慌てふためいた上に、よかれと思ってやることが雪だるま式に全部裏目に出る連鎖反応が>>続きを読む
ヘンリー・ジェイムズの小説の再映画化、というかBBCのTV版か。61年の映画版を観てないのでとりあえず期待したけれど、どうも現代的すぎて怖くなかった。硬い印象のミシェル・ドッカリーは合ってるんだろうけ>>続きを読む
主役の座を奪われつつある西部劇スターとスタントマン、映画産業。そんな予め「終わっている」存在が、69年という時代の終わりを象徴する「点」へ向かう。スランプを脱したはずのリック・ダルトン、スクリーンで輝>>続きを読む
セミナーに感化され、すっかりオープンな関係を自負するようになったボブとキャロル、それに戸惑いながら影響される親友テッドとアリス。ポール・マザースキー脚本監督による、2組の夫婦の愛とセックスと建前と本音>>続きを読む
設定を飲み込むまでが面倒臭いけど、まあ『ビューティー・インサイド』とか『エブリデイ』とか、最近流行りの「本体入れ替わり変身もの」の一種。
但し、これは乗り換える相手を殺していくという、グロ描写を含むサ>>続きを読む