くりふさんの映画レビュー・感想・評価 - 64ページ目

ダブルフェイス 秘めた女(2009年製作の映画)

3.0

【ソフカ・マルッチか、モフィー・ベルソーか】

線が細く、半端に思える仕上がりだし、2大女優共演!とは言っても、ソフィー・マルソー×モニカ・ベルッチでは若い人は来ないのでしょうね。劇場未公開のわけはま
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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

4.0

【ジャクソンを食べさせてきた女たち】

長大原作(未読)から刈り込んだ影響か、全体での濃淡を歪に感じる一方、後からじわじわ効いてくる爽快感に浸ってしまった。

批判意見もわかりますが、本作の狙いは限ら
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スリーピング ビューティー 禁断の悦び(2011年製作の映画)

3.0

【すべての仕事は売春である】

これはDVDでよかった。退屈でした。映画は初めてというこの女性監督の狙いはエロスじゃないですね。

冒頭の治験バイトが象徴的と思いましたが、じぶんの身体をモノ化すること
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エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

3.0

【5人揃ってもおもちゃのカンヅメはもらえません】

劇場でみた時は、あまり感心しなかったのですが、アビーさんに会いたくレンタルで再見したら、奇妙に熱くそこそこオモロイ。初見では斬新さ皆無で、様々な既成
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ゲスト(2009年製作の映画)

3.0

【タンスがボン】

コリアンホラー『箪笥』がハリウッドリメイクされる、と聞いていたけど、いつのまにか、日本ではDVDスルーでひっそり、レンタルされていたんですね。『エンジェル ウォーズ』の後だったら、
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箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.5

【タンスがゴン】

ひろがる紅葉と涼しい湖面、ホオズキがかりりと割れる可愛らしさ。瞬時に泣かせモードに転じる音楽と共に、情緒からグイと引き込む秋の怪談。

この導入部がとても好きですね。今でもたまに、
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サマー・ストック(1950年製作の映画)

3.0

【ファーマーとドリーマー】

これは曲から入ったんですが、プッピーニ・シスターズのカバーによる「Get Happy」がとても楽しい仕上がりで、元歌を聴きたくなったことと、最近改めてみた『ザッツ・エンタ
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ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ〜血まみれの天使〜(1974年製作の映画)

4.0

【キル・ビルの素(珍味)】

物好きならば知っている、『キル・ビル』に登場する片目の殺し屋、エル・ドライバーの元ネタであるスウェーデン製無茶映画。

タラちゃんが演技指導と称し、ダリル・ハンナに見せ
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ジョン・カーター(2012年製作の映画)

3.0

【やさしきサベージ】

いま面白く映画化するならディズニーじゃ違うな、とは思った。

バロウズは原作をオスの闘争&性本能をくすぐる物語にしていて、ヒロインのデジャー・ソリスは装身具以外マッパな絶世の美
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アバター・オブ・マーズ(2009年製作の映画)

1.5

【トレイシー・ローズの熟女とエイリアン】

モックバスター界のトップを走る(?)、模倣屋アサイラム社がお贈りする、『アバター』×『ジョン・カーター』直球便乗製品。時期的には後者の制作状況を盗み見つつ、
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ヤング≒アダルト(2011年製作の映画)

3.5

【ミニ・アップルの空女】

HPのプリンタは唾で動くのか、勉強になったぞ(笑)。

薄いが特異なキャラ彫り込みと、ちょっと外した観客への投げ方。隙間商売に近いけど、こんな切り口もあるよねと楽しくなる作
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.0

【金のなる皺】

これはオモロかった!老人搾取する悪徳後見人絞りと思ったら、悪×悪バトルムービーに変貌し、しかし悪が勝つというわけではない、かも?…と締める、不快な快作でした。

搾取の問題には正面切
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パッション・プレイ(2010年製作の映画)

2.5

【ミーガンは妖鳥シレーヌの方がきっと似合う】

これは劇場未公開にナルなぁと納得してしまった、ナル初老男のお話でした。タイトルは大仰ですね。そもそも受難劇ではなく自業自得劇です。

ミーガン・フォック
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Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011年製作の映画)

4.5

【どこまでも雄弁な身体たち】

なんて豊かに語る身体なんだ、どこまで内に豊かさが詰まってるんだこの人たちは!という驚きがまず、飛び込んできました。

そして、それを引き出したのがピナ・バウシュという人
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赤い靴(1948年製作の映画)

4.0

【私踊る人、僕踊らす人、僕止めさす人。】

デジタルリマスター版みて以来じわじわ嵌り、Blu-rayも購入。

山登りみたいな映画と思った。「赤い靴」の舞台公演を頂として、登って降りるまで。で、降りる
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ホフマン物語(1951年製作の映画)

2.5

【歌って踊れない】

退屈でしたが、珍作なのと、出演者の魅力が少しあったので投稿します。

『赤い靴』の主要メンバーが再結集して、オペラ「ホフマン物語」を映画化。バレエ・ダンサーが踊りながらオペラを歌
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Ballerina マリインスキー・バレエのミューズたち(2006年製作の映画)

4.0

【ミューズよりアテナ】

『ブラック・スワン』をみた時、そのバレエ描写に巨大な「?」が湧き、バレエに素人なもので、眼を清めて間違いなら正したくなったのですが(笑)、その頃、特集上映で本作を知り、みてみ
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.5

【白鳥の羽は純白だがその肉は黒い】

バレエには素人でしたが、本作の偏見描写でかえってバレエに興味が湧き、色々かじる中でダンス全般を知るのが楽しくなってきた。反面教師映画として感謝しなきゃ(笑)。
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TIME/タイム(2011年製作の映画)

2.5

【おサイフニクタイ】

色々考えたのでしょうが、頭の中で考えた架空世界をまんま、ろくにシミュレートせず映像化しちゃったかんじ。話が進み、広がるほどにその弊害がボロボロ湧き出します。

半端な世界では登
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ロボジー(2011年製作の映画)

2.5

【ロボの皮】

誰も決して思いますまい、この鉄の皮がじじいを包んで隠していようとは。
ヤグチチ・シノー童話集「ロボの皮」より

ダッフルコートゆりしーに萌えてしまい、誘われるようにみてしまいました。や
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ならず者(1943年製作の映画)

2.5

【ジェーン山あり谷あり】

「『ならず者』のすべてはジェーン・ラッセルの胸、おっぱい、大きさ、それを見せましたね」

IVC版DVDの解説で、淀川先生がそう語っておられます。さすが正しいです。おっぱい
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ベルセルク 黄金時代篇 I 覇王の卵(2011年製作の映画)

2.0

【イミテイション・ゴールド】

黄金時代篇って、鷹の団がブイブイ言わせてた頃の話ですよね。が、「まがいもの」の金を見せられている気分が始終抜けませんでした。

魔の侵食を描く執念のような艶が原作一番の
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クラス・オブ・1999(1990年製作の映画)

3.5

【マッドマックス・ハイスクール】

これ公開時に、有楽町の大きなロードショー館でみた記憶があります。ただただ砂っぽいB級アクションなんですけどね。いい時代でした、たぶん。

前作『処刑教室』はみてませ
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宇宙人ポール(2011年製作の映画)

3.5

【片手に聖書、片手に散弾銃、便所から宇宙人。】

Alien(異邦人)とAlien(宇宙人)によるロードムービー。で、コワイ米国からAlienを救うのもAlienだったという、まったくAlien視点の
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空中レヴュー時代(1933年製作の映画)

3.5

【華麗なるヒコーキおねえさんズ】

本作は『キング・コング』輸入版DVDにあった、メリアン・C・クーパーのドキュメンタリーで紹介されていて知りました。字幕ないのでどう語られてるかほぼ不明で、知る気もほ
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シーナ(1984年製作の映画)

3.0

【ゼブライドクイーン】

昔々のコミック何度目かの映像化作品。所謂レディ・ターザンですね。

私はこの原作も、ターザンの原作にも明るくないのですが、Sheenaはスコットランドと周辺での女性名で、英語
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

【ワンサカ娘とアンテナ娘とジャッロ娘】

これは楽しみだった一本。でも、満足度はイマイチ。

エドガー・ライトが頑張って、初めて女子映画つくって、画的な見どころは大だったけれど、後半どんどん、無邪気な
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ブリューゲルの動く絵(2011年製作の映画)

4.0

【十字架より粉ひき】

遊べました。映画ならではって、ひとつにはこういうことだと思います。

が、受信力豊かな方は別として、本作はブリューゲルの「十字架を担うキリスト」を基としているので、その絵を見て
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カントリー・ストロング(2010年製作の映画)

3.0

【めそめそグウィネスのうた】

グウィネス・パルトロウさんが、ある事件でネガティブ・スパイラルに陥るカントリーの女王に扮した劇場未公開作。ご本人が歌っているそうで、けっこううまいと聞いたので、みてみま
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

4.0

【ライフルと愛馬、ズロースとストッキング】

久しぶりにじっくり、みたのですが、よいですねー。

あらすじだけ聞けば、どこにでも転がってそうなおはなし。荒野を駆ける疾走感もなく、キャトル・ドライブする
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赤ずきん(2011年製作の映画)

2.5


【狼たちの迷いみち】

2011年の、大人になった赤ずきんは、やっぱり私待つわに逆戻り。…いいのかな、これで?

ハリウッド・メジャー作品で、ここまで退屈なのは久しぶりでした。まず、時代劇なのか現代
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フリーウェイ/連鎖犯罪 逃げられない女(1996年製作の映画)

4.0

【赤ずきんちゃんビッチで生き抜く】

1996年の、ホワイトトラッシュの赤ずきんちゃんは、猛獣だらけの昏い街を駆け抜け、狼出たら、バッグから拳銃を引き抜く。

ある赤ずきん研究本で知り、借りてみたらば
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狼の血族(1984年製作の映画)

3.5

【赤ずきんちゃん夢で悶える】

1984年の赤ずきんちゃんは、ひたすら夢の中に溺れる。性への憧憬と恐怖。おとめの心、揺らぎながらの綱渡り。でも目覚めない。

これ、ニール・ジョーダンの美学というより、
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

4.0

【レイン先生に蹴られたい】

トムクル、刻まれた年輪が映えるイイ顔になりましたねえ。でも逆に、このお気楽アクションの顔としては浮いて来たのが気になる。

またトムクル映画としてイーサン・ハントがヒーロ
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ボッカチオ'70(1962年製作の映画)

4.0

【巨大アニタ・エクバーグの逆襲】

デカメロンは読んでおらず、どのへんがボッカチオなのかわからないし、1962年の制作で、何故タイトルを未来型にしたかも知らないのですが、女優さんを見つめる一点集中で、
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雨の午後の降霊祭(1964年製作の映画)

4.0

【母ならぬ証明】

拾いものの佳作、的な評を読んだ記憶があったので、借りてみました。はい、そうでした。地味ながら味わいあります、英国製ビターサスペンス。

降霊を扱ってはいますが、オカルトブームよりず
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