くりふさんの映画レビュー・感想・評価 - 62ページ目

バレエに生きる パリ・オペラ座のふたり(2011年製作の映画)

3.0

【重力を忘れるひと】

P・ラコットとG・テスマー夫妻は、『パリ・オペラ座のすべて』での、夫婦漫才的指導(笑)をする姿で知り、興味湧いたので劇場でみました。

ドキュメンタリーとしては並でしたが。新撮
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パリ・オペラ座のすべて(2009年製作の映画)

3.5

【パリの身体を見つめる】

導入部のリズムが小気味よい!

歴史が刻印された館の外観から、怪人が住まう(笑)地下水路を経て、レッスン只中へ突入するまで、アクション映画なみのテンポで、一気に館内の躍動へ
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BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界(1995年製作の映画)

3.5

【ニューヨークの身体を見つめる】

バレエへの愛に関しては筋金入り、と語るフレデリック・ワイズマン監督が、1992年のある時期、アメリカン・バレエ・シアターにカメラを持ち込み、舞台に向け格闘するダンサ
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アワ・レディーズ(2019年製作の映画)

4.0

【哀!エゲレスずべ公合唱団 】

Netflixにて。ネフリオリジナルではなく、英本国では劇場公開されたものの配信、らしい。で、これも拾いもの。見応えありました!

90年代スコットランドJKの、ビッ
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駆ける少年(1984年製作の映画)

4.0

【飛びたい踵】

年末に、ささやかながら楽しい体験となりました。

劇場行ったらまず、親日家であるナデリ監督が構えていて、パンフ買うとサイン入れて手渡し。顔は怖いけど(笑)。

作り手としてこの姿勢は
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ハメンジャーズ(2012年製作の映画)

1.0

【日本よ、これが呆画だ。】

先日みた『床ジョーズ』があまりにもバカバカしく、呆れたもので、年忘れにもっかい、同じ手で呆れようかと思い、こちらも借りてみました。

『アベンジャーズ』のエロパロ、こち
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カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

4.0

【泥と白】

初見はたしか名画座。女たちのぶつかる肉の汗くさいフェロモンに酔い、ローレン・ランドン演じるモリーの締まる肢体とピュアネスに惚れ、ピーター・フォーク演じるハリーのせこさと「魔法のバット」に
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フランケンウィニー(2012年製作の映画)

4.0

【死体と遊ぶな子供たち】

私は、バートン監督ここ2作不調と思っていたので、原点回帰しリハビリ企むような本作は歓迎。実際、バートン節活性化していて面白い。

蛭子能収顔電動ゾンビ犬の受難劇。一見、可愛
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恐怖の岬/ケープ・フィアー(1962年製作の映画)

4.0

【淫らな狩人の夜】

本作の魅力はまず、ロバート・ミッチャムがエロい!ということです(笑)。私は、男には萌えませんが、この感覚はわかります。やたら脱ぐしね。

彼が、逆に全く脱がないお堅物、グレゴリー
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飾窓の女(1944年製作の映画)

3.5

【窓開けずとも悪夢はやって来る】

邦題はこうですが、アムスの売春街のお話ではないのでした(笑)。

フリッツ・ラングの演出は、落ち着いていて、地味だけれど的確ですね。例えば「他人に見られてはならぬデ
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白いドレスの女(1981年製作の映画)

3.5

【キャスリーンの甘い穴】

『深夜の告白』をみたので、同じく鬼嫁ルース・スナイダー事件を基にした、こちらも久しぶりに、Blu-rayで借りました。

ローレンス・カスダンの監督、キャスリーン・ターナー
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深夜の告白(1944年製作の映画)

3.0

【堕ち場のない男】

ジェームズ・M・ケインの原作小説は、1936年に書かれた古いものですが、お、今読んでもけっこうキテル、と面白かったので、映画版もみてみました。

しかし、借りたDVDはかなりの低
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

4.0

【巨人のふつう】

ネタバレレスで詳細投稿したので、こちらは総体感で。

クロ監督は超現実物語から離れても、前作のヴィゴ体&タトゥー、前々作の人体損壊極描、など自分味の視覚マーキングを必ず残してきたの
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009 RE:CYBORG(2012年製作の映画)

3.5

【脳内神との闘い篇】

トンデモ映画との噂も聞き、恐いもの見たさで行ったらなんだ、面白いじゃん!

確かにオチは口あんぐり。そういうことなの、ねッ!(はぁと)とフランソワおば…お姉さんに断言されても目
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.0

【Mの疲劇】

スパイなのに名乗る、という基本の所から荒唐無稽なのはクレボン(クレイグボンド)になっても変わらぬことはわかっちゃいますが、その分、アフリカと内戦ビジネス、ボリビア水利権問題など、アクチ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.5

【セカイQ】

どんなトンデモ展開になるかと前半ワクワク(笑)。でも結局、いつもの道を進むのね…となり拍子抜け。

前作から筋としては繋がってるようですね。説明なくとも感覚では受取れた。なんとかインパ
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ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館(2012年製作の映画)

3.0

【もしもハリー・ポッターが魔法をなくしたら】

新生ハマー作品という興味から行きました。

ラドクリフ君にはあまり興味ないのですが、魔法を使えぬハリポタの無力感、という前提が自然と醸されてしまうので、
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ベティ・ブルー 愛と激情の日々(1986年製作の映画)

4.0

【荒馬の女 】

フィルムの上映が厳しくなる中、本作に劇場で会えたのは幸運ですが、上映条件がひどくて…。画質は白が飛び、音のレベルは耳障り。そして酷なぼかし!レンタルできる版では丸見えなのに…。

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チェーンヒート(1983年製作の映画)

3.0

【リンダこまっちゃう】

お話進むうち、これは昔々名画座でみたよなあ…と思い出してきました。

女囚ものだから、おっぱいお尻を一番覚えてないといけない筈ですが、ジョン・ヴァーノンの変態とヘンリー・シル
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.5

【月に行ってもコロニアる】

『メリエスの素晴らしき映画魔術』の併映で、彩色版をみたのですが、大きなスクリーンで見るそれは、う~ん…ちょっと、汚かった(ぼそり)。

この修復版は、2011年のカンヌで
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メリエスの素晴らしき映画魔術(2011年製作の映画)

3.0

【奇術と物語のあわいで】

どちらか言うと併映『月世界旅行』彩色版の銀幕映え確認、がお目当てでしたが、本作もみた甲斐ありました。すげえ薄かったので劇場で見るもんか?とは思ったけど(笑)。これ実はTV向
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ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.0

【仮面好々爺】

劇場にて3Dでみて、画は凄いとは思いましたが、未だ胃にもたれモヤモヤ。

単純に言うと、性悪説の人間が性善説の映画を作ったようで、どこか胡散臭く感じるのです。

スコセッシ監督は映画
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リヴィッド(2011年製作の映画)

2.5

【屋敷女の娘】

前半ぐだぐだ後半支離滅裂。時にプチ残酷美炸裂すれども仕上がりヌルし。

この監督コンビの、自分が面白いと思うものを作る、という姿勢は支持しますが、そう思わない部分の手は抜く…ように見
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今のままでいて(1978年製作の映画)

3.5

【ナタキンのマルチェロころがし】

70’s & 80’s映画を愛する男なら、必ず持っていなければならない2本。

『魅惑の70’sムービースターヌード大全集』
『魅惑のムービースターヌード大全集 P
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三人の女(1977年製作の映画)

4.0

【溶解女の生活】

DVDレンタルできるようになったので、借りてみました。1985年にキネカ大森でみて以来の再見です。

これ、もっと後かと思っていたら、まだ70年代の作品だったんですね。

形骸化し
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(1963年製作の映画)

4.0

【飛び狂うマクガフィン】

「午前十時の映画祭」に行きました。生まれて初めて行きました。劇場ヒッチは久しぶり。

で、まず予告編の上映が楽しかったのです。ヒッチ先生が延々、鳥講釈垂れるやつ。話長くて飽
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プロメテウス(2012年製作の映画)

3.0

【宇宙の果てでどつかれて】

『エイリアン』ユニバースとの七掛けパラレル話、程度に捉えました。前日譚とも言い切れぬようだし。

リドリーさんは今回、コテコテの笑いを仕込んでますが、サブリミナルなふりし
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アイアン・スカイ(2012年製作の映画)

3.5

【もしもサラ・ペイリンが大統領になったら】

月に行ける力があるなら、地下とか海とか、地球に隠れるとこたくさんあんじゃん(笑)、とは思いつつ(あの資源がなかったらどうなるのだろ?)、思いつきだけでは終
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赤い家(1947年製作の映画)

3.0

【ダンヴァース夫人の改心】

シネマヴェーラ渋谷のノワール特集にて。しかし、これは退屈でした…。

田舎町の外れにある農場の主、中年男ピーター(エドワード・G・ロビンソン)。町で変人と噂される彼は、未
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ローザス・ダンス・ローザス(1997年製作の映画)

3.5

【私は私のために美しい】

初見は、《ダンストリエンナーレトーキョー2012 DANCE FILM》Program E、ダンスと都市空間・ダンスと建築、にて。

パリにある「バレエ版のアナログ映像アー
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床ジョーズ(2012年製作の映画)

1.0

【もしもフーパーが巨乳ちゃんだったら】

ここんとこ疲れて来たので、息抜き投稿いたします。

(当時)最近DVDリリースされた、笑える詐欺物件。もんのスゴイ邦題ですねえ。成人向けとはいえ、この意味わか
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

【おかえり檻のなか】

予告編の、ルーニー・マーラびびびショットにアレ、見た気が?と思ったら、『悪魔の往く町』か!見たのはもう10年前ですが、奇妙なノワールとして堪能したものです。今回はリメイクという
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悪魔の往く町(1947年製作の映画)

4.0

【3人のファム・ファタール】

シネマヴェーラ渋谷のノワール特集にて。日本未公開・未ソフト化だそう。若干ある曖昧さと、結末が甘い所が気になるものの…ううん、面白かった!この作品だけでも劇場に足を運んだ
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

4.5

【犬歯というへその緒】

ギリシャのとある家族の「犬の生活」を描く、明るく楽しくおぞましい作品。こりゃ本年ベストかもだ!虚構という視座から、地続きの異世界を観察記録のようにみせられた。

世界中探せば
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バイオハザードV リトリビューション(2012年製作の映画)

3.0

【コーマンの国のアリス】

本シリーズはエクスプロイテーションだと思っているので、80年代のロジャー・コーマン映画…ギャラクシーオブ何とかとか、を見る感覚で臨んだら当たり!

結局お安くステゴロ決戦て
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ディーバ(1981年製作の映画)

3.5

【あますぎる女神】

『ベティ・ブルー』を久しぶりに劇場でみて、こちらも思い出し再見。久しぶりにこころ、一部洗われたものの、気になるところも出てきました。

とてもきれいな映画ですが、その美しさの基盤
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