くりふさんの映画レビュー・感想・評価 - 66ページ目

エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

4.0

【仲間にやさしいジャイアニズム】

思ったよりオモロかった! まずは懐かしさに涙。シネコンが80年代名画座空間に早変わり。ユルくも泥臭い、B級アクション二本立てな香ばしさ!

スタちゃんエライなあ。絶
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君に届け(2010年製作の映画)

4.0

【冬のさくら花火】

原作人気に興味あったので、数巻読んでみたらおぉ爽やか。

で濁った心の洗濯に…と行ったらもぉいい歳こいて泣きそうになっちゃったじゃんか! 途中で充分、君たちの想いはこちらには届く
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ビッチ・スラップ 危険な天使たち(2009年製作の映画)

3.0

【ミニスカの弾痕】

ダメそーと思いつつ、復活エクスプロイテーションを堂々謳う心意気やよし! と行ってみたらやっぱり騙されましたが、大画面に映えるおっぱいが担保になって、あまり腹は立ちません。

が、
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瞳の奥の秘密(2009年製作の映画)

4.0

【纏う赤から育む赤へ】

噛み応えあり。「情熱」が鍵となるラテン話なのに、静かに噛むほど味が出るのがいい。ラテンちゃ激しいタンゴでしょ…な先入観持ってて得した(笑)。

そして異質要素が混在する面白さ
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悪人(2010年製作の映画)

3.5

【ひとごろしの泣きごと】

見応えはあるものの、映画的な膨らみ、広がりには不足感あり。特に、後半の燻ぶりは気になりました。

大仰に悪とは、悪人とは? と問うようなものではなく、「理解できる」悪事を成
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裏窓(1954年製作の映画)

4.5

【溺視する男、そこを泳ぎ渡る女】

先日みた「語りかける風景」展で遭遇した、「窓からの風景」という切り口で西洋絵画史を振り返る展示が面白く、本作を思い出させる絵もあったので、絵画史の窓と絡めて考えると
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バイオハザード IV アフターライフ(2010年製作の映画)

2.5

【複製の国のアリス】

物語の行方はもうどうでもよくて、ジル役ギロリー姐さんの帰還だけが楽しみで、覗いてきました。

でもえええー、アレだけっすか!? 本人かどうかもよくわかんないぢゃん。折角の谷間
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借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)

3.5

【ゆれる微少女】

M・ノートンの原作がとても面白かったので、みてみました。

仕上がりは美しいけれど、軽いですね。子供の頃みた、まんがまつりの1篇のような量感を思い出しました。これはこれでアリ(エッ
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ジェニファーズ・ボディ(2009年製作の映画)

4.0

【Hell is a teenage girl】

「地獄とは10代女子の代名詞」…主人公ニーディが初めに放つナレ台詞を、より極端に訳すとこうでしょうか?

大人になると忘れますが、少女の世界はホント
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フロストバイト(2006年製作の映画)

3.0

【ロッタちゃんときゅうけつき】

瑞典ヴァンパイアもの『ぼくのエリ』をみた後、思い出したのが本作。同国産として珍しいし、なにか共通点アリ? と、みてみました。女子高生になった「ロッタちゃん」登場、にも
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.0

【少女という擬態】

タッチはわりに硬質で、断片化された思春期の心模様が、ぽつぽつ並ぶ語り口。巧みというより朴訥ですが、その断片たちが一つに集まって、切なく炸裂する瞬間がやって来る。涙腺、やられた(笑
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ソルト(2010年製作の映画)

2.5

【デスパレートなアンジー】

エンドロールが出た瞬間、思わずえー、と声を出してしまった。

TVシリーズ第一回終了! みたいなあからさまな終わり方、いきなりやるのはやめて欲しいです。作り手の意識がも
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インセプション(2010年製作の映画)

4.0

【ドリームセラピー】

面白かったです。こうした遊びは基本好きだし。もう一段階位、濾過して欲しかったですが。不純物がまだ残る印象を受けました。

また、もっと絵で遊んで欲しかった。現実と見紛う、共有
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クレイジー・ハート(2009年製作の映画)

4.0

【ソング・クロラ】

J・ブリッジスが若かりし頃、ある評で彼の存在感を「セーターのような」と例えていたものがあり、うまい、と思いましたが、さすがに昨今ではセーターの綻びは激しくなり、本作ではそれを、露
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.5

【もえる師、弟子】

劇団ひとり監督の思い入れが活かされた、Netflixの新作。

ネフリのプロデュースもよかったのでしょうね。画づくりもさすがネフリで、質が高かった。ちょい架空の浅草、て感もありま
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北斎漫画(1981年製作の映画)

4.0

【ほおずきを弄ぶおんな】

先日、フィルムでみる機会がありました。

若き日の、樋口可南子全裸肌、が異様に眩しい!(笑)大画面に艶かしく拡大された、にぶい白さに凄みがあって、北斎がのめり込んでゆくのも
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アイアンマン2(2010年製作の映画)

3.5

【キャプテン・アメリカの盾なら下敷きに便利】

面白かったんですが、お話に締まりがないですね。背骨が一本通っておらず、挿話を寄せ集めた感があります。

大きく気になったのは、新男性キャラの描き方がイマ
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アイアンマン(2008年製作の映画)

4.0

【盾か矛か】

2公開に合わせ再会。こちらの方がまとまりよくて面白いですね。

誕生の新鮮味、対立構図のわかり易さ、アクションの小気味よさ等々。そして単純明快なアメコミでありつつ世相も反映させ、その危
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ブライトスター いちばん美しい恋の詩(2009年製作の映画)

4.5

【言葉と手触り】

まず猫がいいですね(笑)。

ちゃんとキャスト表に「Topper…The Cat」と入ってます。「猫ざわり」の感触で、本作の魅力を端的に伝える役どころ。

視覚、聴覚の次に、この映
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グリーン・ゾーン(2010年製作の映画)

2.5

【大量破壊平気】

原案というノンフィクションが面白かったのでみてみた本作、タイトル拝借しただけの別物でした。ハリウッドの底力を感じましたね。いえ、一番浅瀬での商売力って意味で(笑)。

著者は虚しか
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レベッカ(2020年製作の映画)

3.5

【シンデレラの受難】

リメイク始動のニュースは、むかし見たかもだがすっかり忘れていた。

正確にはダフネ・デユ・モーリア原作の再映画化ってことね。先日Netflixで配信始まったのを知り、さっそく見
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

【名前に追われる、名前のない女 】

隠された同性愛映画史のドキュメント『セルロイド・クローゼット』に、本作の「レベッカ・ルームの官能」が登場していて興味が再燃、み直しました。

1940年作だし素
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告白(2010年製作の映画)

4.0

【獄卒女教師/復讐ホームルーム】

教え子を愛さんとして転落した昭和の女教師の生涯を、ミュージカル・ショーで懐かしんだ中島監督が、今度は教え子に復讐せんと、教壇から始める平成女教師の怨念チェーンを、ホ
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プレシャス(2009年製作の映画)

3.5

【あたし書く、ゆえにあたしあり】

プレシャスが読み書きを学ぶ結果が、そのまま成長の証となる原作(モノローグの表現力が劇的変化)をどう映像化するのか興味あったのですが、潔くその構造は無視されていました
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17歳の肖像(2009年製作の映画)

4.0

【おとなラッピング】

教育、というより優等生、というタイトルにした方が似合いそうでした。脱線はしても、復旧させる心を獲得する少女の物語。

堅実な良作ですね。しかし全体では良作口に温し、で少しだけ物
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スペースバンパイア(1985年製作の映画)

5.0

【メイチチに満点奉納】

しばらく会わぬと、ほのかに恋しくなるものの一つに私は、「メイチチ」があります。

本作をご覧済みの方は、お察しかもしれませんが、「メイチチ」とは主演マチルダ・メイの胸部にふる
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めまい(1958年製作の映画)

4.5

【心にネガを抱えた男】

また、みちゃいました。何度もみられる、ある種の軽みがありますね。今でもたぶん、一番好きなヒッチ作品。

今更ですが本作のスコティは、以前の『裏窓』でもJ・スチュワートが演じた
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ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

2.5

【激突系女子、くすぶる】

じれったい、惜しい! と言いたくなる仕上がりでした。面白い要素は揃っている筈なのに。私はドリュー監督の演出に不満です。

大事なポイントを大きく切り出せず、画面の一部だけ使
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.5

【ブックメタファを忘れた動く絵本】

しばらく前に、一日だけのルネ・ラルー映画祭というのがあり、フィルム上映は貴重だろう、と行って来ました。しかしどうにも違和感。大きなスクリーンに、なんだか合っていな
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かたつむり(1966年製作の映画)

4.0

【蝸牛のマスゲームって初めて見た】

ルネ・ラルーの短編アニメ。毒画家ローラン・トポールと組んでの二作目。

荒野にころころ転がる惑星? の一つで、農夫が育てる欲望が巨大化し、街に、なぜか蝸牛という巨
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

3.5

【家なき孤】

『ライフ・オブ・パイ』との類似を挙げる意見もあったので、厳しい現実に幻想の力で対抗する話?…だとしたら面白いかも、と行ってみた。

最近、実際にあった、フランスのガガーリン団地の取り壊
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9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜(2009年製作の映画)

2.5

【中断された奇術 】

本作に影響を与えた作家…シュヴァンクマイエル、クエイ兄弟、ロイエンシュタイン兄弟、ベクシンスキー…と並べば私にはストライク。題材も好みなのですが…退屈でした(笑)。

他の作家
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書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-(2010年製作の映画)

3.5

【墨汁少女】

あれ? 「女子高生が書道で町おこし」…したの? 等、2時間ある割には、物語の未回収ぶりに不満も多いのですが、書に向かう少女の力強さが顕れていた所はとてもよかったので、みた甲斐はありまし
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イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.0

【気分はもうずっと戦争】

タラちゃんの理想であろう、映画の中に映画が詰まったもう一つの第二次大戦物語。

TVシリーズ化案もあったようですが、自筆らしき手書きタイトルで始まるこの戦争ファンタジーを、
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オーケストラ!(2009年製作の映画)

3.5

【チャイコンよ永遠に】

メラニー・ロランに会いたくて、行ってきました(笑)。相変らず、微細に美しい表情変化に見とれます。凛として真直ぐな佇まいも、ソリスト役に効いていました。

しかし本作、ヴァイオ
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ジプシー・キャラバン(2006年製作の映画)

3.5

【音のルーツは私のルーツ】

『スペル』で濁ったジプシー観を、こちらで清めました(笑)。ジプシーの5バンドによる、アメリカ・ツアーを追ったドキュメント。

「このツアーで観客に、ジプシーとして生きるこ
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