このレビューはネタバレを含みます
「大人の見る繪本」と銘打ってあるだけあって、大人にとってはなかなかにほろ苦い話になっている。子供と大人の対比と、そこから炙り出される大人の人間関係の苦渋、そして息子たちからの残酷な質問が集中砲火され>>続きを読む
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安定すぎる。そのコメディ描写、ちょっとした日常の風景、戦前のサイレント期からほぼ変わらない小津作品に驚き。「寅さん」の原型を見て取れたが、今作はそれ以上に悲劇性がある。おっさんという生き物の悲哀を、>>続きを読む
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前作が構成、内容共にシャープでマッチョなマフィアモノであるのに対し、今作は母の死や堕胎などがあり、また生まれた現在とその過去という対比という構成が女性的というか、女性性のようなものを含んでいた。前作>>続きを読む
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スプリング・ブレイカーズは永遠に…虚しさもずっと本編中に漂い永遠を感じる…。アメリカン・パーティー・ピープルのイケイケぶりなんて見るに耐えないんだけど、じゃあ今作が完全パリピ向けに作られてるかという>>続きを読む
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長い。ちょうど「ゴッドファーザー」を見た後に鑑賞し、ほぼ同じ時間の作品にも関わらずその間とか時間感覚の使い方に違いを感じた。比較するにはあまりに対照的。ただ好対照だと思うので比較してみる。
「ゴ>>続きを読む
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「マイケルは神になったとです」。
そんな台詞は劇中無い、勝手にラストにそっと付け加えさせていただく。あのラストの締め出される演出の切れ味の良さの前にはもうお手上げである。。ヴィトーの台詞「I’m >>続きを読む
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パゾリーニの詩情溢れる映像作品。エディプスコンプレックスとして今じゃ有名なオイディプス物語を、こうして映像として見るとかなり残酷で過酷な話だなと思った。パゾリーニ関連で言うと「カビリアの夜(脚本)」>>続きを読む
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ロックとはという命題を多角的に捉えようとしたが、霧を掴むようにそれは逃げていく。それはかつてロックだった者にあるのか、それとも若者にあるのか、あげくロック音楽そのものまで取り上げて、カーアクションを>>続きを読む
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映画に死神として降臨する。それは今作の役だけでなく、映画史にである。まず彼のフィルモグラフィ、見たのは「市民ケーン」と「偉大なるアンバーソン家の人々」ぐらいだが、どちらも人が徹底的に落ちぶれる。それ>>続きを読む
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後輩に、「レザボア・ドッグス・チャレンジ」と題し1日1回、1ヶ月欠かさず「レザボア・ドッグス」を見る事を自らに課した男がいた。それ程惹きつける何かを自分も感じるので、彼はごく自然な反応をこの映画に対>>続きを読む
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この時代にしてこの攻めた内容。KKKの恐怖だけでない、生々しい同じ人種間での駆け引きや揉め事などの細部までも(黒人女性を”チョコ”と揶揄するなど)。脚本にサミュエル・フラーという字、納得の出来。監督>>続きを読む
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ぬとっとした黒の色味が終始不気味。また音響も耳障りで恐怖を煽る。聞いた事ない音を発する幽霊たちは、本当に生理的な嫌悪が付いて回る。それにしては劇伴は少ししつこさを感じたが(霊感を打ち消す大仰さ)。ま>>続きを読む
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実話ものというわけで、題材の出来事それ自体なかなか奇妙で面白かった。にしても、ゴヤの絵の中でもゴヤ感がかなり薄い絵だったなぁ。ちなみに劇中でも扱われているが、007で出てくる敵がこの絵を盗んだ程で出>>続きを読む
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「タル・ベーラ 伝説前夜」にて観賞。確かに伝説前夜として、その長回しはまだどこかタイミングもぎこちなく、気がつくと静止して画が固まってしまっている(音楽はサイコー!)。また形式とテーマに乖離があり、>>続きを読む
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ピュアすぎん?彼らの青春は破滅しなければハナから成り立たないではないか。その切迫した状況、戦後。原作は野坂昭如の「心中弁天島」、焼跡闇市派文学と自ら名乗る野坂による、戦後の影の重くのしかかる内容であ>>続きを読む
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嫌な映画だった。それは殺人鬼というタブーにイマヘイの持つ人間臭さが付与され、彼もまた一個の人、それも生き物であることを直視せざるを得ないからだ。また殺人には"ただならぬ動機"という魅力が付いて回り、>>続きを読む
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続続・村田安司アニメーション。やはり初期へと辿っていっても確固たる描写力がある。奥行きある表現と平面ぽい演出が同居していて、不意にゲームっぽく見える。猿蟹合戰ゲームである。
こちらの擬人化はちゃ>>続きを読む
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続・村田安司アニメーション。非常に和気藹々とした物語で楽しく、さらにてんやわんやのあげく大会の優勝トロフィーがおじゃんになり、結局そのてんやわんやが良かったよねみたいな理想郷的な話で幸せ。結局特性は>>続きを読む
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蟻とキリギリスの童話のアニメ化。にしては、この描写力の完成度の高さよ。単なる描画的なものだけでなく、そのキャラクターたちの形態を見事捉えたアニメーション力がすごい。ちょっと内容が説教くさくてそれだけ>>続きを読む
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マッチョを追うアンガーの視線。タイトルロゴこそThe Residentsみたいな不気味さがあったが、常に車のノイズに囲まれ、マッチョが「I’m red」と言う以外も台詞もなく、この世からアンガーのす>>続きを読む
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子供の頃ディズニーランドに行って、誰しも一つや二つ怖さや違和感を抱いたはず。そういえばかつて、プーさんのハニーハントとホーンテッド・マンションがかなりトラウマだった。前者はあまりにもサイケデリックな>>続きを読む
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少し前、角川春樹が監督した「愛情物語」を見たがタルすぎて途中で断念してしまった。アメリカン被れなバブリーさの大衆臭さと、妙なMV表現とが鼻についてしゃーないという。とはいえ、角川映画といえばひと時代>>続きを読む
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「よく言ってくれた!」と思わずにはいられない資本主義批判の映画。しかし陰謀論が顕著になっていく今日この頃、この映画が風刺としてでなく”真実”として受け入れられてしまう一抹の不安を感じる。
主人公>>続きを読む
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現存する最古の日本のアニメーション。もう100年も前の作品な事に驚き。ただ当時の武士廃れし時代を感じるものでもある。
口の表現が凄い。サイレントだし、字幕もそこまで入るわけではないのだが、喋る>>続きを読む
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映画に対するリリシズムが詰まりに詰まった作品。原田眞人、初監督にしてある意味自身の映画体験を今作に封印したのではないだろうか、後のフィルモ・グラフィーから察するに。そういった点で大島渚監督とも似てい>>続きを読む
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倫理を無視することを黙認し続けてきた社会の闇に生まれるべくして生まれたといえるサイコパスな男の話。彼の存在が肯定されるラスト、それを肯定してしまう社会を憂う。ダン・ギルロイの初監督作品、洗練度は初監>>続きを読む
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つかこうへいの舞台の映画化。以前「『熱海殺人事件』VS『売春捜査官』」という異版だが上演をみたことがあったが、あの畳み掛ける台詞の掛け合いのスピード感は演劇でこそできたものだと感じた。今作は、その失>>続きを読む
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荻野茂二による作品。三部構成。
「?」なんだろうなーと見ていたら、?の字が鍵に変形して、字幕で「地下より見たる尾張町」と。地面視点はなるほどだったが、尾張町なのが絶妙で笑った笑。
その他二つは>>続きを読む
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続・フィルムセンターが所蔵するアニメーションを一挙公開中!https://animation.filmarchives.jp/index.html
「百年後の或る日」の一年前に作られた荻野茂二に>>続きを読む
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フィルムセンターが所蔵するアニメーションを一挙公開中!https://animation.filmarchives.jp/index.html
とのことで、またちょっと前にtwitterでバズっ>>続きを読む
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ジェイソン・ライトマン監督といえば「ゴースト・バスターズ/アフターライフ」の公開も話題だが、「ジュノ」の監督としても知られていて、今作のテーマもそっち寄りだ。「ゴースト・バスターズ〜」が初見だったの>>続きを読む
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この時代の邦画、どうかしちゃってる。主に家庭崩壊についての映画が多い、それもぶっ飛んだヤツばっかり。1982年「ウィークエンド・シャッフル」、1983年「家族ゲーム」、1984年「逆噴射家族」と、邦>>続きを読む
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8mmフィルム自主制作、低予算ながらよくこの熱量で作れたなぁと感心。そして88年ぴあフィルムフェスティバルアワードグランプリ受賞、ぴあは当時こんな映画も受け入れていたのだと驚き(今じゃ私小説化した岩>>続きを読む
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映画自体は初めて観たが、”V”の存在はなんとなくどこかで認知していた。そんなアイコニックなキャラやナタリー・ポートマンが出ていることから大作感があると思いきや、そこそこな印象。ただ、今現実世界で起き>>続きを読む
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2度目の鑑賞。1度目はその地獄のオチにうなされ、今回はその地獄を知りつつ進むという。冒頭のレックス、サスキアの関係がより儚いものとして感じられ、また既に予感として随所に不穏さが付きまとう。この映画観>>続きを読む
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(時事問題と絡んでしまうが)今作はロシア映画である。モノクロームが美しく、フィルム・ノワールの圧倒的な追随者でありしかし、二番煎じにならないような意匠が多く、返って複雑化しまくって果てに「去年マリエ>>続きを読む