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バスケの女王
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目次

バスケの女王の作品紹介

バスケの女王のあらすじ

ルシア "ルーシー" ハリス、女子バスケ初のオリンピックの試合で初ゴールを決めたプレイヤーだ。彼女は唯一女子選手でNBAからドラフト指名を受けた選手でもある。輝かしい経歴を持つ彼女の名は、1月18日に突然この世を去った今も無名のままだ。

バスケの女王の監督

バスケの女王の出演者

原題
The Queen of Basketball
製作年
2021年
製作国
アメリカ
上映時間
22分
ジャンル
ドキュメンタリーショートフィルム・短編

『バスケの女王』に投稿された感想・評価

アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞受賞作品。

NBA史上、女性として唯一ドラフト指名を受けたバスケットボール選手、ルシア・ハリスの伝記ドキュメンタリー。

すごい人がいたもんです。
【早すぎた天才】

第94回(2022年)アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞受賞作品。
SSFF&ASIA2022にて。

まだまだ女子のバスケットボールが世界はおろか本国アメリカでもマイナーだった時代に、突如彗星の如く現れた天才プレイヤー「ルシア“ルーシー”ハリス」
彼女が女子バスケとともに歩んできた半生を彼女自身のインタビューと貴重な映像で振り返るドキュメンタリー映像。

当然「ジェンダー」「女性の社会進出」的なテーマも含まれてくるので、ちょうど先日鑑賞した「相撲人(NETFLIX)」とも被るのかな?という先入観もあり・・・。

彼女がバスケットボールの世界で旋風を巻き起こしたのは1970年代だからおよそ40~50年くらい前の話。
1972年にアメリカで「教育活動における男女の機会均等」が法律によって定められたこともあり、勿論これだけで全てが解決するわけではないとしても、この法律が追い風となって「スポーツ界の性差別は問題である」という動きにも繋がります。
彼女が活躍したのは、まさにそんな「時代の過渡期」と呼べるタイミングでした。

当時のNBAの人気は今と変わらず絶大なものであり、既にこの頃は黒人選手が活躍しているチームも少なくありませんでした。
もちろん、個々のそれまでの生い立ちや血の滲むような努力を書き出せば枚挙に暇がないけど、肝心なのは「実力があれば黒人でもスター選手になれる」という事実。
そして同時に、女子のプロスポーツという点ではまだまだ遅れていたという事実。

でも、彼女の経歴を辿っていくと、必ずしも「女性差別によって不遇だった」という方向だけに転がっていないこともわかります。

大学でもバスケットを続けたいという目的で志望校を変更しデルタ州立大学へ入学。
チームには彼女しか黒人はいなかったが、人種ではなく実力を認められてレギュラー入り。
その後AIAWの全米選手権に出場し、ここまで3連覇していた絶対王者のイマキュラータ大を倒して初優勝し、以降今度は彼女が中心選手となったデルタ州大が黄金期を迎える。
さすがに女子バスケのプロはまだなかったから彼女は一度引退し結婚、妊娠という道を選ぶも、1977年になんとNBAのニューオリンズ・ジャズ(現ユタ・ジャズ)からドラフト指名を受ける。
もちろん「女子チームの選手」としてではなく「性別は関係なく、一人の選手として評価した結果」の指名(因みに後にも先にも男子チームから指名を受けた女子選手は彼女だけです)。
ただ残念なことに、当時彼女は妊娠していたためこの指名はやむなく辞退。
出産後、1978年に発足したWBL(アメリカ女子バスケットボールリーグ)に所属するヒューストン・エンジェルスで現役復帰(1979年)を果たすも一年でチームは解散してしまい、再び現役引退・・・。

数奇な運命ではありながらも、決して「恵まれていない」「差別ばかり」ということではなく、むしろ彼女がパイオニアとなって、後進のために大きな道を作ったという部分も大きいと思います。
特に「アメリカの女子バスケ」が辿ってきた道を振り返ってみると、常にそこには彼女がいました。

時代が時代なら・・・
きっと彼女は世界の女子バスケ界を牽引するアイコンの一人になっていたでしょう。
でも、実際に彼女が活躍した1970年代では、まだまだそれを受け止めるだけの土台はなかったし、彼女自身も「自分を広告塔にでも人身御供にでもなんでも良いから女子バスケを発展させてほしい」というような主張は最後まで展開しませんでした。
あの時代にあって、彼女はいい意味で「常識的な選択」「常識的な行動」をしたんだと思います。

それは決して「それ以上はするな!」とか「女性のクセに!」とかそういう意味ではありません。

ひとつには彼女の慎ましい性格もあったかもしれませんが、それ以上に当時の価値観ではまだまだ女性が声を上げるという事には少なからず抵抗もありましたし、彼女自身が茨に覆われた道なき道を進むようなパイオニアタイプではなかったと思うんですね。

『才能がある人間は、必ずトップまで登り詰めなければいけないのか?』
それはアメリカ的な「gifted」の考え方にも繋がります。

≪才能とは天賦のものであり、それを使わないのは罪である≫という。

でも、時代やタイミングがそれを許さないとき、giftedの心は行き場を失ってしまう。
「出来る」「やりたい」という希望と「出来ない」「やらせてもらえない」という絶望の間で、次第に精神を病んでしまうルーシー。

それでも神様は「あの時代」に「黒人」の「女性」としてルーシーにバスケットボールの才能を与えたのは、きっと彼女ならその才能を活かすことが出来ると信じたからだと思います。
そして実際に彼女は強烈なインパクトを残しました、「早すぎた天才」として。

やっぱり生まれてくる時代が違ったなら・・・っていう思いはあったんじゃないかな。
きっと今の時代ならネットやSNSが彼女の存在をほっておかないし、何より「平等社会」のアイコンとして活躍する姿だって想像できる・・・。
もっともっと彼女のポテンシャルに相応しい華やかな世界が広がったかもしれない。

彼女本人が「有名」「無名」に拘ったのかどうかは知らないけど、必ずしも偉大な人間や特別な人間だけが歴史に名を残すわけではないし、こうやって一つひとつ積み重ねていった人たちがいるからこそ、遠い日本の地にも女子バスケが根付いて、オリンピックで銀メダルを獲得するまでになった。
直接的にルーシーが何かをしたわけではなくても、彼女が歩いた一歩が道となり、そして後輩たちが後に続いたからこそ今があるんだと思う。

もし彼女が「男子」だったら・・・。
もしかしたらマイケル・ジョーダン並みのスター選手になっていたかもしれない。
でも、彼女が女子だったからこそ、そして彼女が身を持って「壁」や「天井」の存在を示したからこそ、生まれたものもあったのではないだろうか。



≪R.I.P.≫
2022年1月19日。66歳の生涯を閉じたルシア≪ルーシー≫ハリス。
奇しくも3月に行われたアカデミー賞にてこの作品が「短編ドキュメンタリー映画賞」を受賞したのは、彼女の訃報に合わせてなんて野暮な理由ではないだろうが、もしかしたらこれを機会に彼女の生き方からヒントをもらう人がいるかもしれない。
人種も、性別も関係なく、一人ひとりが「gifted」として。
 女性唯一NBAへのドラフト指名を受けたバスケ選手ルシア・ハリスの実話を本人のインタビューで紡いだ短編ドキュメンタリー。

 つい先日亡くなってしまったけど、可愛らしいおばちゃんになってニコニコ語る彼女は最後まで輝いてたと思う。自分も全然知らなかった彼女の功績がこうしてたくさんの人の目に触れて、残り続けることがとても嬉しいと思う!

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