90年代ムンバイ、法すら超えた戦いの記録

1990年代ムンバイでは組織的な犯罪が横行していた
そしてさらに勢力を拡大したマフィアによって支配されていく
警察が逮捕しても３ヶ月もすれば保釈金を払って出所してくる無意味さ
そんなマフィアと警察の戦いの記録である

荒れ果てた時代のムンバイを描くドキュメンタリー作品
警察、元マフィア、ジャーナリストのインタビューとイメージ映像で構成され、物語的な見せ方が中々面白いです

日常的に一般人ですら殺され、それすら気に留める人もいない
お金がある人はマフィアに金を納めていないと命の危機すらあった等々恐ろしいエピソード盛り沢山
そんな時代に君臨したダーウード率いるDカンパニーというマフィアとの出来事がメインに描かれています

そして勢力を強めるマフィアに遂に警察も強硬手段にでる
激しい銃撃戦にもなり警察側もマフィアを射殺したのだった
超法規的殺人と呼ばれたこの行為によってさらに対立が激化するわけです

そして1992年に起きた民衆の大暴動で警察と民衆に溝が生まれ、Dカンパニーは武器を流し暴動を扇動
警察もDカンパニーの幹部を射殺し対立が深刻に……
遂にDカンパニーによる大規模爆破テロへと繋がるわけです
警察はさらに超法規的殺人を進め、特殊警官は射殺した犯罪者の数を勲章の如く掲げメディアが持て囃す
ちょっと常軌を逸した当時の姿が垣間見えました
結果的に犯罪が減ったものの、その後世論の移り変わりで報いを受けるんですけどね
どっちにしろこの時代のムンバイヤバい！！

インドの荒んだ時代を知れる作品でした
個人的には面白く興味深い作品でした

• #剣々のドキュメンタリー記

ダーウードは今もまだ逃亡している。
久々に面白いドキュメンタリー映画に出会えた。

このドキュメンタリー映画を観る前に、
是非先に映画「ライース」を観てほしい。

ヒンディー語映画界が好んで取り上げる題材にダーウードがある。ダーウードは1980年代から90年代に掛けて、ムンバイの裏社会を牛耳っていたマフィア「Ｄカンパニー」のドンであり、1993年のムンバイ爆弾テロ事件の首謀者とされている。

ダーウードを題材としている映画、特に、
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ2」があるので、観たいと思った✨

いくらなんでもギャングといえど警官が自由に殺して良いのかという気もするが、1990年頃のインド・ムンバイでは公然と行われていた。そしてギャング側の報復として多数の爆破事件が起きる。

その後タイム誌の取材を受けて、世論の風向きが変わり、警官側も裁判に掛けられる。

本作はどちらに就くわけでもなく描いている。市民としては、ギャングが横行する世の中も警官が法律を無視して私刑を行なうのも許し難いのは分かる。