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ネタニヤフ調書 汚職と戦争

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ネタニヤフ調書 汚職と戦争

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ネタニヤフ調書 汚職と戦争の作品紹介

ネタニヤフ調書 汚職と戦争のあらすじ

はじまりは小さな贈り物だった…。極秘リークされたイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフとその側近たちの警察尋問映像には、ニュースの裏側にある彼らの隠された私生活が描き出されていた。その疑惑が公になったとき、ネタニヤフの権力への欲望は肥大化し、やがて恐るべき悲劇がもたらされる。

ネタニヤフ調書 汚職と戦争の監督

アレクシス・ブルーム

原題
The Bibi Files
公式サイト
https://transformer.co.jp/m/thebibifiles/
製作年
2024年
製作国・地域
イスラエルアメリカ
上映時間
115分
ジャンル
ドキュメンタリー
配給会社
トランスフォーマー

『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』に投稿された感想・評価

kuu
3.8
『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』
製作年 2020年。上映時間 70分。
映倫区分 G 製作国 日本

イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフの汚職疑惑の実態に迫ったドキュメンタリー。

10代の頃以来、久しぶりに訪れた大阪・十三の街並みは、当時はどこかアダルトな雰囲気が漂っていたんやけど、すっかり様変わりしていた。 
仕事の合間に密かに目指してきた映画館へと足を踏み入れ、独特の館内で味わった映像体験の重圧はこれまた独特なものでした。
アレクシス・ブルーム監督、アレックス・ギブニー製作によるそのドキュメンタリー映画は、絶対的な権力構造の深淵と、そこに棲みつく人間の業を恐ろしいまでの精度で浮き彫りにしていました。
極秘裏に入手されたイスラエル警察による尋問映像を中心に構成された今作品は、単なる政治スキャンダルの暴露劇にとどまらなく、権力欲が生む悲劇の克明な記録として善き作品だと感じます。

カメラが捉えるんは、表舞台で強いリーダーを演出する人物の生々しい素顔で、高級シガーやシャンパン、ジュエリーといった特権階級の便宜を当然のように要求し受け取る姿、あるいは尋問に対して覚えていないとか、妄想だと攻撃的に開き直る態度には、政治家としての高潔さは微塵もなく、保身と虚栄心で肥大化した一人の人間の醜哀が露出している。
元側近や元軍幹部らの証言は権威の内部崩壊を物語り、家庭内の力学すら国家の意思決定を左右していた構造は、シェイクスピアの古典悲劇を思わせる凄惨ささえ漂わせてます。
 
ここで描かれているのは、権力の目的化という最大級の病理にほかならない。
本来、政治権力ってのは社会の秩序を保ち、人々の安全を守るためのツールであって、権力そのものが目的化してはならないはず。
しかし、長期間にわたって頂点に君臨し続けた指導者は、いつしか国家の利益と個人の保身の境界線を失わせる。
自分のポジションを守ること、より直接的には司法の追求から逃れ、ム所の檻に入らないこと自体が最優先の政治課題へとすり替わっていく。
ここに、権力にしがみつく人間の極限的な心理メカニズムが見て取れる。
失脚や服役という個人的なリスクを回避するために、法制度を歪め、社会の分断を煽り、外部との致命的な対立構造や危機的状況すら自らの盾として利用する。
認知の歪みは過度な自己正当化を生み、自分が退けば国が滅ぶって都合のよい万能感へと突き進む。
人間解剖的な視点で見りゃ、どれほど強い影響力を持つ指導者であっても、権力への執着という毒に侵された瞬間から、自己保身に怯える極めて脆弱で哀れな存在へと成り下がってしまうという残酷な事実が突きつけられています。
しかし、今作が観る者の心を最も強く揺さぶり、そして底知れぬ怒りを呼ぶんなら、そうした一人の政治家の醜悪な保身が、無数のむこの命を奪う戦争と直結しているという構造です。

スクリーンに映し出されるリーク映像の中で、権力者が贅沢な嗜好品や利権のやり取りに興じる一方で、ガザをはじめとする現地では、日々の空爆によって尊い市民の命が、子どもたちの未来が、瞬く間に奪われ続けている。
高級シャンパンの泡のように消え去る個人的な汚職の疑惑と、泥と血にまみれて絶たれる一般市民の生命。
この圧倒的で惨烈な命の軽重の格差に対し、猛烈な憤りを禁じ得ない。
国家の防衛や正義という崇高な大義名分を装いながら、その裏にある真の動機が、一人のリーダーが刑務所に行かないために過ぎず、その刑罰回避の時間稼ぎとして戦争が長引かされているんやとすれば、これほど非道で理不尽な構造が他にあるやろか?。
指導限度を超えた権力者が差し出す政治的コストの請求書を、現場で生きる弱き市民がその血と命によって支払わされているという残酷な現実に、ただただ激しい不条理と悲痛な反発を覚える。
戦争とは、国家間の理念の衝突などではなく、指導者の個人的な保身と欲望のために人間が消費される最悪のシステムへと変貌しているのだ。
 
そして、今作品が投げかける問いは、決して中東ちゅう特定の地域や、遠い異国の政情だけに留まるものではない。
これは遠いイスラエルの話ではないという冷徹な視点こそ、この映画の最も重要なメッセージなんじゃないかな。
自らの醜聞や支持率低下といった危機に直面したとき、世論の目を外部の敵へと逸らし、危機感を煽り立てて人々の不安をコントロールし、対立を深めさせて自らの統治を正当化する――この権力維持のマニュアルってのは、特定の国や体制に限られた特殊な事例じゃない。
世界中のあらゆる民主主義国、そして日本国な現代社会においても、いつ何時アップデートされ実行されてもおかしくない普遍的な危険性を孕んでいます。
権力者がみずからの保身のために非常事態を演出するとき、真っ先に犠牲になるんは常に市民の平和であり、社会の分断。
やからこそ、強いリーダーシップちゅう言葉の裏に隠された個人的な動機や歪んだ欲望を注意深く見抜き、権力を監視し続けなければならないのかもしれない。
悲劇を遠い世界の出来事として傍観するのではなく、権力の暴走を許さない市民としての重い責任が、今まさに試されている。


2023年10月7日、イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル攻撃への報復として、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を開始して以降、終わりが見えずに多くの人命が失われているガザ・イスラエル紛争。この紛争のキーマンとされるのが、カリスマ的リーダーシップを持ちながらも、強硬的な政治姿勢で物議を醸すイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフだ。彼は在任中に刑事起訴された史上初のイスラエル首相でもある。2017年、汚職疑惑の捜査が進む中、ネタニヤフ本人や関係者への警察尋問記録の一部が、極秘裏に本作の制作チームへリークされた。そこには、財界やメディアとの癒着、贈収賄、利益供与などの実態が記録されていた。

本作では、イスラエルの元首相エフード・オルメルト、国内諜報機関シンベト(イスラエル保安庁)の元長官、ネタニヤフの元広報担当、著名な調査報道ジャーナリストらが証言。汚職がいかに国家の腐敗を招き、ネタニヤフが有罪を免れるため極右勢力と結託して長期政権を維持し、民主主義を危機に追いやっていったのかを暴いていく。

ネタニヤフ自らが公開中止を求めて訴訟を起こそうとした作品であり、イスラエル国内では上映禁止となった。「『闇』へ」「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」で知られるアレックス・ギブニーが製作総指揮を務め、「アニタ 反逆の女神」のアレクシス・ブルームが監督を務めた
ぶみ
4.0
真実は煙幕の向こう側にある。

アレクシス・ブルーム監督によるイスラエル、アメリカ製作のドキュメンタリー。
イスラエル首相であるベンヤミン・ネタニヤフの汚職疑惑の実態に迫る。
恥ずかしながら、イスラエルの首相の名前は、そう言えばネタニヤフだったかなぐらいの知識で本作品をチョイス。
基本、ネタニヤフの汚職捜査により彼や関係者が警察の尋問を受ける映像と、報道記者、元イスラエル首相や友人等のインタビューシーンを中心として展開していくが、ああ言えばこう言う、威圧的になる、都合の悪い質問には真っ当に答えない等々、ネタニヤフの政治家らしさは国境関係なし。
政治家だから、こんな喋り方や態度になるのか、はたまたそんな人が政治家になるのかはわからないものの、本人はもとより、それ以上に妻や息子の人の意見を全く聞き入れない立ち振る舞いは、不快感マックス。
例えば日本でも、「〜と承知していない(いる)」や、「ご指摘はあたらない」等々、そんな言葉を日常的に使う人に出会ったことがないのに、それを何の躊躇いもなく言い放つ時点で、世間とズレていることを自ら証明しているようなもの。
考えてみれば、現役の首相が尋問を受け、なおかつその秘密映像がリークされるなんて、考えられない事態であり、本国イスラエルでは上映禁止、親イスラエルのアメリカでも劇場公開されずというのも納得の一言。
クルマ好きの視点からすると、自国には生産工場がなく、全てが輸入車となるイスラエルでは、2024年のデータで新車登録台数で首位となったのがトヨタのようで、それを表すかのように、パトカーがトヨタのカローラと思しきクルマだったのは見逃せないポイント。
政治家の方々は、自国を良くしようという純粋な気持ちを、最初は誰しもが持っていたとは思うものの、日本の政治家も含め、どこかで勘違いしてしまった人ばかりが未来を考えているかと思うと暗澹たる気持ちになるとともに、論点ずらしはもはや政治家のお家芸だと痛感した良作。

彼は息を吐くように嘘をつく。
再上映鑑賞。
イスラエル首相、ベンヤミン・ネタニヤフ氏の実像について、贈収賄および背任などの罪で在任中に起訴された事件をもとに迫るドキュメンタリー。
個人的には、他のドキュメンタリー作品や報道で、近年のあまりに右傾化しすぎたイスラエルの現状を見知っていたので、特に新たな発見というか驚きはなかった。特にあの政権入りまでしてしまったあの極右の2人の憎たらしい姿、久しぶりに見て思い出したわ💢って感じで。
碌でもないヤツが権力を持ち、その権力を維持するためだけに、ありとあらゆる手段を用いているうちに、周囲にはその臭いを嗅ぎ付けた碌でもないヤツばかりが集まってきてしまい、デッドラインをとっくに越えて、2度と引き返す事が出来なくなってしまっている現状を映し出したドキュメンタリー。コレは現在、彼の国だけでなく我が国を含めた全世界的に見られている状況なだけに、やりきれなさや恐ろしさが増してくる。そういう意味からもまさに“今”こそ再び観ておくべき作品。

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