【思ったよりも……】

昔、アメリカ人学生に人気の日本文学というランキングを見たことがあって、うろ覚えだけれども、作家で一番多くの小説／エッセイがランクインしていたのは、おそらく村上春樹なのだけれども、次に多いのは、谷崎潤一郎だったような気がする。

「陰翳礼讃」や、昭和天皇が読んだと逸話が伝わる「細雪」はアメリカ人学生にも人気で、これに続くのは、谷崎潤一郎ならではの性的な倒錯を描いた複数の作品たちだった。

学生がこうした性的倒錯を描いた作品を読んで擬似体験するのは、僕は個人的に良いことだと思う。

この「卍」は、過去に何度か映画化された人気作品だ。
今作は、主要登場人物のファーストネームと役割は同じだが、時代は現代に置き換えられて、設定も異なっている。

ただ、人物描写として、小説でも感じられる光子の小悪魔的（語彙力が少なくて申し訳ない）な可愛らしさは維持されていて、園子の現代風のしっとりした感じや、光子にのめり込んでいく様も、”そうそう”とか、小説「卍」をうろ覚えながらも思い出した。

妻が同性愛に目覚め、そして、のめり込み、夫も妻の相手と逢瀬を重ねる……なんて考えたらドキドキしませんか。

ただ、この映画「卍」は少し男目線が過ぎる気がする。
最近観た日活のシリーズや、「セフレの品格」2作よりはエロティックに感じるのだけれども、主要な男性二人が僕のイメージに合わないせいか、この映画は、女性にはあまり受けないのではないかと心配したりする。

因みに、アメリカ人の学生に人気の作家は、他では、三島由紀夫や川端康成、森鴎外などだが、作品で一番人気は「源氏物語」だ。
やっぱり、エロティシズムは重要なのだ。

新藤まなみさんが大優勝すぎた。

光子みたいな周りを虜にしていく魅力のある女性ってとっても惹かれるし憧れる

みんな勝手すぎて誰にも感情移入できなかったけど人間らしくてそれもいい。

2023年　185作品目

　原作未読。
　過去作観てません。

　妻が同性愛に目覚める。
　のめり込む妻を阻止する夫。
　その夫が妻の相手と・・・。
　そんなストーリー。
　令和の時代に沿った展開。

　魔性の女。光子が描く卍型。
　女相手も男相手も、まぁ、エロい。
　園子、幸太郎、彼氏のエイジ。
　みんながハマる卍型。
　誰も幸せにならない卍型。

　光子。新藤まなみ。
　キャスティングの勝利。

　惚れた方の負け。そう言う事かな？
　僕の恋愛はず〜っと負けっぱなしです。