「コミュニティシネマフェスティバルVol.1 日韓映画館の旅」という特集上映にて。上映時の邦題は「長孫 − 家族の季節」。
勢いづいて4本連続で観てしまったのだけど、この日は最後に観たこの作品が一番好きだった。

- 親子3代、きょうだいも多い田舎の大家族の物語。家業の後継、散り散りになった家族を集める急な別れ、相続問題…といった中でそれぞれの思惑が見え隠れする。

- 家族を描いた韓国の悲喜劇としては特に優れた部類に入りそう。
冒頭では偏屈で近寄りがたい人に見える祖父母、酒癖の悪い父親などそれぞれに抱えているものや柔らかい部分が見えて、人間それぞれの一言では語れない微妙さを描いていた。
家族同士の人間関係も、例えば「この2人は仲が悪い」などとは一言で語れない流動的な関係性が描かれていて、その点でも微妙さが豊かに映されていた。

- 家族の歴史が明かされる中で韓国の歴史も浮き上がってきたり、笑える部分とシリアスな部分のバランスだったり、韓国の四季も見えたり…いろんな要素が詰まってい流ところも映画の豊かさになっている。市井の人々を映す派手ではないが優れたドラマこそ映画で一番観たいものだよな…と思う。

韓国の田舎で豆腐工場を営む伝統的な一家が、法事のため夏、秋、冬と集まり互いにぶつかり合う姿を、俳優になるためソウルに出ている青年を中心に描くドラマ。

釜山映画祭にて。