実話ベース

潜入捜査は
病むね

テロ組織「バスク祖国と自由(ETA)」に潜入捜査をした女性警官の実話を描いたサスペンス・ドラマ。
監督はアランチャ・エチェバリア。
原題:(西) La infiltrada 
(2024、1時間59分)

～予備知識～
バスク祖国と自由、Euskadi Ta Askatasuna .略称ETA (発音: エタ)とは、
フランスとスペインの両国にまたがるバスク地方の分離独立を目指す急進的非合法組織。
フランコ軍事独裁政権に反発する形で1959年(1958年12月？)に設立される。
マルクス・レーニン主義に基づく急進左翼で、数々のテロ活動を行ない、1960年代から600人以上殺害している。
 2018年5月3日に解散宣言がなされた。


1990年。モニカ・マリン(カロリーナ・ユステ)はアビラ国立警察学校に在学中、サルセド警部(ルイス・トサール)からテロ組織ETAへ非合法に潜入するよう依頼され、引き受ける。
ドノスティの町に移り住み、成果がないまま数年が経過。
そして、潜入7年目の1997年、漸くETAのメンバー、ケパと接触することに成功する…。

～登場人物～
1️⃣主人公
・〈潜入捜査官〉偽名:アランチャ・ベラドレ/本名:モニカ・マリン(カロリーナ・ユステ)

2️⃣国家治安機関(スペイン国家警察の作戦班)
・〈司令塔〉アンヘル・サルセド警部/非人間「エル・インフマーノ」(ルイス・トサール)
・〈部下〉テルエル(ビクトール・クラビホ)
・〈部下〉アンドレア(ナウシカ・ボニン)

3️⃣ETA のメンバー
・ケパ・エチェバリア(イニーゴ・ガステシ)
・ヘルヒオ・ポロ(ディエゴ・アニド)

4️⃣その他
・飼い猫の"スア"

6年以上にわたる潜入捜査。
非合法な秘密捜査で、モニカの以外に知っているのはサルセド警部ただひとり。
家族と接触を絶ち、別人になりきる。
疑いを少しでも持たれたらテロ組織に殺害されるという恐怖と戦いながら、細心の注意を払って情報を収集に努める。
常人なら精神が持たないと思う。

憧れのサンセバスチャンってちょっと前まで危なかったのね💥
スペイン、フランスからの独立を目指すバスク地方のテロ組織ETA(バスク祖国と自由)に潜入した若手女性刑事の実話を元にしたサスペンス。
そこそこ長い期間の潜入であまり動きのない時期もあるから、結末も含めてイメージしてたより地味ではあったけど、アランチャの葛藤が上手く描かれててなかなか見応えがあった。

2000年代までは各地でテロを起こしていたETAが2018年に解散してくれて、美食の街として栄えることができてほんと良かった。
スペインってカタルーニャといい、独立を強く望む州があって何気に不安定なんだな。
平和なうちに行かないと。

スペイン人にとっても難解だというバスク語は、現存するどの言語とも系統が異なる孤立した言語で、西欧で唯一生き残ったインド＝ヨーロッパ語族以前の言語らしい。

• #スペイン映画
• #バスク
• #ETA
• #潜入捜査
• #実話ベース