堤幸彦の新作だというのに、都内一館だけ⁉︎

設定からして超楽しみだった『THE KILLER GOLDFISH』を、初日舞台挨拶付き上映で見てきました。

これ、堤幸彦の原点に帰ったような作品。だって、まずタイトルからして『キラー・ゴールドフィッシュ』⁉︎ 『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』から来てるんだろうが、金魚が人を襲うって、シュール〜(笑)！

この謎の事件を担当するのが、「公安特設課超常事件想定班(マル超)」の女性捜査官「エリカ」と、正義感の強い男性刑事「立花」のバディって、ほぼほぼ『SPEC』を思わせる設定。

こういう堤幸彦が好きなんだよなぁ(笑)。

連続して起こる「金魚」による殺人事件。捜査を続けるうちに浮かび上がる超能力者の影。

そして唐突に現れる宇宙人だか未来人だかわからない謎の男女。

で、殺人金魚の裏には「ネアンデルタール人の復讐」があるって、もう意味わからん(笑)。

それにしても最近の堤幸彦の動きはおもしろい。『STEP OUT』を沖縄で撮ったと思ったら、続けざまにコザでドラマ『GOTH』を撮ってみたり、インディーズで本作『THE KILLER GOLDFISH』を撮ってみたり、メジャーに縛られずに好きなものを撮りたいって姿勢が感じられてエネルギッシュだ！

そして本作『THE KILLER GOLDFISH』は、『TRICK』『SPEC』などの原点に戻ったような、これぞまさに「ザ・堤幸彦」といった作品になっている。

本作はPart 1ということで、とんでもないところで終わる。Part 2 (後編)がすごい楽しみだけど、『SPEC』みたいに広げ過ぎた風呂敷を回収できなくならないか、心配ではある。

最高っ最高最高最高最高、最高！！！
現代の常識から逸脱する未知なるものに対して、自分が否定・解決するつもりで挑んでいるはずなのに、対象に近づけば近づくほどその大きさに圧倒されてどんどん自己が瓦解していく（←堤監督作品に通底している）

この独特な世界観を構成するのは、突飛なキャラクター造形、明らかに差のある説明（金魚はストレスの天井が高いとかいう細かい情報は教えてくれるくせに重要なことの種明かしはない）、そして次に何が起こるのか見逃せない危なっかしさ

製作〜配給にいたるまでの取り組みそのものも前衛的で、なにもかもかなり好き

5/4の舞台挨拶で監督が、主演・岡さんのことを「声楽をやっているような人の肝のすわりかたはとてつもない」と述べていたのが印象的

SPECをジャンル映画にした感じだった。
吉岡睦雄さんは今日も元気いっぱいで癒されました。