第二次世界大戦
タイ
日本軍が戦場に持ち込んだ
最高機密生物兵器…
研究で生まれてしまった
殺しても起き上がり
戦い続ける
ゾンビ状態の人間を戦場に…１人
そして
まだ子供に 近い 少年兵士数名が
ゾンビに襲われ噛まれ 無差別に人間を食い散らかす…
しかし
ゾンビ化した中の者で
『いったい 俺たちは どうなっちまったんだぁ～』
とか
襲ってる仲間を見て
『殺し合う気かよぉーー』
と人間的な冷静さをもっ者もいた。
ゾンビ化した者達は団体行動
（↑全員人間的な感情がある？）
そんな中
日本軍が酷い計画をして
ゾンビ化した兵士を呼び寄せる罠を…がザックリ中盤ストーリーです。

正直
『ここから ここから…面白くなるだろうかぁ…』
と思いながら見てました。
マジマジ 残念で突っ込みが多い
日本人の役なのに
かたごと…！？？
あと
笑えたのが 後半の
日本軍のある人がセリフ噛んだポイ(笑)
ラストは、あるある なオチ。

やや長めな予告編で
十分ストーリーが解る感。
この映画も予告編が良すぎた映画でした。

タイのホラー、いわゆる“ゾンビ”系映画。だけど、生物兵器的な。

いつものノソノソと彷徨い歩くようなゾンビ、ではなく、強化兵士的な研究の果てに生み出され、予期せぬ蔓延を招いてしまい、タイの集落一体がゾンビと人間の攻防とか化す映画。

背景は太平洋戦争。
この強化人間的なマッドサイエンティストの背景には日本がいる。

日本がアジア近辺を攻めまくって戦争が優勢だった頃にオラオラとタイにやってきてさらに勢力を広めんとするための1つの軍事力として運ばれてきた“そいつ”が、“そいつ”の素を広めてしまう結果に。

それが占領下のタイの兵士にまで蔓延したりして、混沌としてくる。

それをタイの兵士たち側の目線と、そこに住む彼らの家族と共に描く。
だから、単純なゾンビパニック映画とも違い、日本と太平洋戦争背景の戦争映画とも違う。

タイならではの緑と海が豊かなロケーション。これはタイの映画を観るたびに思う。本当に美しい。

森での戦闘シーンや、結構ビチャビチャ、バシャバシャとタイらしいジメジメした中でのエグいシーンもあるが、このロケーションの雄大さが“らしさ”を作って、すべてを飲み込む。

争いによって、失いたくない人々が死んでいく。
その悲しみに暮れていると、死んだはずの男たちが異様な雰囲気で戻ってくる。

このゾンビは、意思を持ち、言葉を話し、思考もできる。
だからこそ、自分がどういう存在なのかも理解している。

これが、この作品の肝にもなっていて、自分たちは“存在していてはいけない”者だと理解しつつも、元に戻りたいという信念もあれば、見境なくゾンビとして“欲しがってしまう”欲との戦いもあれば、家族や大切な人に対する思いもあったりする。

そして、何より、自分達をこんな風にした日本兵に対しての怒りもある。
だから、ゾンビと化してしまった者の中でも色んな方向性が出始めたりする。

だから単純なアクションやホラーでもない。
台湾のホラーに『哭悲』があったが、確かあれもそんな雰囲気があった気がするが、さすがそこから“哭”を受け継いだ、というか。

人の思いというか、どれだけ姿が変わってしようとも、そこを貫かんとする意思があったり、謂れのないこの混乱を持ち込んできた相手に対して、色々迷いや脆さはあっても、タダでは転ばない意思を感じる。

それがこの最後のエモさに繋がっていくような。
“ゾンビ”というにはかなりしっかりした自我があるので、他の“ゾンビ”では感じない彼らの意思が印象的。

ドストレートなエグい描写もあるけど、そっちではない方にもドラマ性や見どころもあると思える“自我ありゾンビ”×戦争映画。

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試写

タイ産のゾンビ映画。普通のゾンビとは違って、自我が残ってるゾンビ。ゾンビになった少年兵達の悲しさも伝染してくる映画でした…！