【繋がること】

※舞台挨拶

上映後サイン会があって芋生悠さんのサインももらった。見るととてもかわいらしいサインだった。聞いたところ、「ずっと昔からこのサイン」と言っていた。映画のなかではでは結構キツいだろうなと思う役どころをこなすことが多いような気がするが、実際の人物はとても朗らかでチャーミングだった。もし、機会があれば、皆さんもどこかでサイン・ゲット・チャレンジしてみて下さいな。芋生悠さんのサインで加点‼️

この作品の修二のような感じとは違うけれども、年齢を重ねても、人に限らず、仕事でも考え方でも何かに強く惹かれる（ロープだったら引かれるか(笑)）ことはあるような気がする。運命って感じる場合もあるだろう。そうしたインスピレーションに従って行動したか否かで、満足したり後悔することも多いように思う。YouTubeである占い師が「占いは統計ではない」と、直観力を研ぎ澄ますことが重要だと言っていたのも思い出した。修二のように直感で行動すると問題も多いように思えるが、直観力を鍛えるのは必要だと思うし、共感する部分もあった。

エンディングは示唆的で想像力が必要だが、僕はそんな作品が好きなので加点した。

映画は自主制作ということもあるのか、監督、制作者、出演者の気持ちがこもっていて好感度の高い作品だった。

好きなのに突き放したり、場合によっては脅迫めいたこと言ったりする人は確かにいると思う。すがるように好きを表現する人も当然いる。

この対比もエッセンスとして面白い。

現代社会のなかで、ありそうなことや、社会の隅っこに押しやられがちでも、その中でささやかに抗う感じも、そして人には必ずと言っていいほど何だかんだで寄り添う人がいることも示唆されていて、観る人によっては考えることが多いような作品じゃないのか。

興味のある人は是非。

　　20代の役者同士の繋がりなど私には知る由もないのだが、俳優の樹さんの初めての主演映画のオファーに同世代の横の繋がりの俳優たちが次々に二つ返事で出演を許諾する。初日の舞台挨拶付き上映を観たが、俳優たちは八木伶音監督の脚本を読んで出演を決めたと口々に言っていた。兎に角何か大きな地殻変動が起こり、この週の新宿の顔は間違いなく今作である。不眠症に悩まされている無職の青年・平岡修二（樹）は、謝礼の10万円を目当てに、失踪した20代女性・小川翠（芋生悠）を捜索し続け、徐々に彼女に意識を占領されていく。ボーイ・ミーツ・ガールな出会いの場面でいきなり金属バットをフルスイングする芋生さんの姿が心底とち狂っているのだが、「尋ね人」となった翠に平岡はたちまち吸い寄せられる。もともと会社をクビになり、家賃の支払いにさえ困窮した平岡は10万円という懸賞金にほだされてファム・ファタールの様な翠の挙動に巻き込まれるのだが、何というか青春時代のモラトリアムの中で悶々とするような心象風景の吐露が、私には何だか恥ずい。

　一向にディストピアに見えない世界線で1Kもとい、1LDKレベルの空間で現代の若者たちのモラトリアムが溢れかえる。それだけでも十分に恥ずかしいのだが、主人公の平岡修二が持つ妙な万能感こそが恥ずかしさの元凶だと思い知る。芋生悠さんも髪型がまだロングの頃で、おそらく数年前に撮られたのだろうが、そこで繰り広げられる物語は漠然としており、あまりにも取り止めがなさ過ぎる。先祖代々、成功の矢先に死んでしまう家系の平岡修二もまた、不幸な人物なのだが金を取りに行くような太々しい人物なのに、芋生悠さんには指一本触れられない有様である。それでも八木伶音監督の脚本は確かにユニークで面白い。というかこの人物描写には今後末恐ろしい何かを掴む可能性がありありと感じられる。その一方で今作1本で世間を納得させるには明らかに何かが足りない印象も受けた。映画は定型や殻を逸脱して行くもので、決して1LDKレベルの青春群像劇に収束しては駄目だ。同世代の切磋琢磨する仲間たちでこの1本を問うのならば、もっと派手に暴れても良いのではないかと率直に思った。だがこの新世代が繰り広げる熱に魅了された。

主人公のダメ人間に見えて人たらしで他人の本質を見ている感じ、こういう人いるよなあ、とキャラの解像度の高さとキャスティングの絶妙さにずっと頷いていた。詳しくは後日追記します。

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