ずっと観てみたかった大友克洋監督のアニメ映画！

３つの短編で構成されてるんだけど、それぞれテイストや温度差が違いすぎて風邪引きそうになりました😂　圧倒的な作画クオリティと独創的なアイデアは最高でした。

episode1 彼女の想いで
美しくも哀しい逃避行の物語。
宇宙の廃墟に浮かぶ、オペラ歌手エヴァの
絢爛豪華な館。永遠の幸福の中に閉じこもってしまう彼女の姿は、美しいけれど、哀しかったです。SFホラーな感じもして今敏監督作品にも通じてるのかなと思いました。

episode2 最臭兵器
笑えそうで笑えない痛烈なブラックコメディ。個人的にこの話が1番好きです笑。
風邪薬と間違えて生物兵器を飲んでしまう田中さんの、あまりにも間が悪いドタバタ劇。
歩く毒ガスになって日本中をパニックに陥れてその滑稽さと、事態がどんどんエスカレートしていく緊迫感が絶妙に混ざり合っていてなんとも言えなかったです笑。

episode3 大砲の街
静かに訴えかける戦争の虚しさ。
絵巻物のような独特なタッチが前2作とは違って重厚だった。人々はなぜ撃つのか、敵はどこにいるのかも分からず「それが日常だから」という理由で毎日大砲を撃ち続けている。戦争という行為の持つ、途方もない空虚さ、無意味さを、言葉以上に訴えかけられました。「目的のない日常」がこれほどまでに怖いとは。

技術的な面でも、物語的な面でもアニメーションだからこそできることを極限まで観せてくれた傑作。

3つのストーリーそれぞれがまったく違うテイストの話なのが面白かったな。『大砲の街』の世界観や作画の雰囲気が好きでした。エンドロールの音楽がやけにカッコいいと思ったら石野卓球だった！

『もう何、4Kデジタルリマスター連続テロですか？　追いつけないんですけど』

【過去作レビュー】
大友克洋ファンだった自分は、「彼女の想い出」も読んで、公開当時鑑賞してました。

30年たって4Kデジタルリマスターとか言われたら、観に行くしかないじゃないですか。最近その手のが多いので、追いつけません。
（何度も言いますが、当時より綺麗な画面で優れた音響で、席取りもしないで観られるなんて）

３部作のオニムバス映画ですね。個人的な所感です。

・うーん、原作漫画は超えられなかったかなという印象の第一部。
・なるほど、現代の落語を映像化するとこんな感じなのかなという第二部。
・大友克洋氏の、アニメでの可能性を広げたくてたまらない思いがほとばしった第三部。

観る人を選びますが、素晴らしいです。

スタッフロールを見ると、今につながる人がたくさん。

書き出そうとしましたが、それも野暮なので、皆さんでご確認ください。