FILMeX2025特別招待作品。オランダ植民地下のインドネシアで独立闘争に身を投じる勃起不全の男、という設定がまず面白かったが、直前に観た「果てスカ」の御蔭で果てしない疲労に襲われておりウトウトしてしまったので書けることがない。

冒頭の市街戦が冴え渡っている。いきなり少年の頭が撃ち抜かれるというショックも然ることながら、革命活動家である主人公の男がある種の足止めを食らっている様と、どうやら彼と関係のあるらしい女と男児が銃弾の雨の中を逃げ惑うクロスカッティングがパワフル（ちなみに、彼らは夫婦である）。
不能の主人公は片足を怪我した男からライフルを手渡され、要人の暗殺を目論むが当然の如くジャムって失敗。夫婦間の問題に一応の決着がつくまで結局彼は「撃てない」。不義を働く直前の妻を鏡像で捉えるショット然り、基本、というより古典的な描写に忠実な映画だが、映画とはそれだけで面白くなる代物でもないらしい。

加筆版↓
https://note.com/ha_kachi/n/nd80a79f3ed90

蘭印占領下のインドネシアを舞台に、独立を目指す革命闘士がミッションを遂行する姿が描かれる。だが、モーリー・スリヤ監督は、彼ら/彼女らを英雄視するのではなく、むしろ生活にフォーカスする。革命は金にならず、困窮する生活。そのためには盗みも働く。ここでの生活には、性生活も含まれ、男性機能の不全や妻と夫の部下の不倫も描かれる。やや長いが、見応えある優れた作品。