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Never After Dark/ネバーアフターダークの作品紹介

Never After Dark/ネバーアフターダークのあらすじ

霊媒師一家に生まれた愛里(穂志もえか)と、ある事件によって霊となった姉・美玖(稲垣来泉)。 霊と交信できる力で全国の怪事件を解決して回る姉妹のもとに「屋敷に出る男の亡霊を祓ってほしい」という依頼が舞い込む。 目撃した張本人の禎子(木村多江)は愛里の仕事に興味津々だが、息子・群治(賀来賢人)は霊の存在に懐疑的。 しかし屋敷では怪現象が相次ぎ、除霊の儀式を始めた愛里はさっそく亡霊に遭遇する。 おぞましい見た目をし、部屋の壁に隠された“何か”を必死に探す亡霊の願いとは? 真実のベールがはがされるにつれて浮かび上がってくる、屋敷にひそむ秘密、姉妹を縛る恐ろしい過去、亡霊の驚愕の正体。 そしてついに惨劇の幕が上がる――。

Never After Dark/ネバーアフターダークの監督

デイヴ・ボイル

原題
公式サイト
https://neverafterdark.toho-movie.jp/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
105分
ジャンル
ホラー
配給会社
TOHO NEXT

『Never After Dark/ネバーアフターダーク』に投稿された感想・評価

背骨
3.8
ジャパンプレミア試写会にて。これはぜひシリーズものにしてほしい霊媒師姉妹によるバトルものJホラー

静かな立ち上がりから中盤一気に謎が謎を呼びながら最後までノンストップで加速していく展開かなり好き

全編ほぼ一人で物語を牽引する穂志もえかはやっぱ凄い女優。『少女邂逅』からここまで来たかと感慨深いです。6/5公開
kuu
3.7
『Never After Dark ネバーアフターダーク』
製作年 2026年。上映時間 105分。
映倫区分 PG12 製作国 日本。

賀来がプロデュース・出演、ボイルが監督・脚本を務めるオリジナルホラーで、死者の姉と生者の妹の霊媒師コンビが山奥の洋館の凶悪な亡霊に立ち向かう。

邦画のこれまでの文脈を静かに裏切り、どこにも属さない奇妙な引力を放つ一本が産み落とされた。
デイヴ・ボイル監督と賀来賢人がタッグを組んだプロダクション『SIGNAL181』の初陣となる今作品は、北米の映画祭SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)で観客賞に輝くという快挙を成し遂げた。
それって、かつて世界市場を震撼させ、熱狂と共に国内へ呼び戻された名車——カワサキ『Z1』やスズキ『GSX1100S カタナ』が辿った、鮮烈な逆輸入の軌跡を彷彿とさせる。
既に海の向こうで少なからず足跡を残しての凱旋上陸。
この事実は、今作品が単なるローカルな怪談話の枠に収まらない、普遍的な映画的野心を孕んでいることを何よりも証明していると云えるんじゃないかな。

映画の背後に隠された意図をそっと手繰り寄せると、作中の仄暗い片隅に息を潜める19世紀の視覚玩具、ゾートロープ(回転のぞき絵)に、作り手の執念めいた視線が宿っていることに気づく。
それは映画という光の芸術が産声を上げる前、人々が闇の隙間にほんの一瞬だけ、動く幻影の命を夢見た時代の記憶。
この装置が、死者と対話するための儀式道具として、山奥の不気味な洋館に鎮座している構造そのものが、極めて批評的だと云える。

映画ってのは、すでに過ぎ去った過去、あるいは死者の時間をスクリーンに何度も蘇生させる装置に他ならないし、今作品の"Never After Dark"夜明け後にしか働かないってタイトルに宿る戒律の裏で、生者と死者の境界線が映画のフィルムのように幾度も往還するメタ構造は、初期映画史への歪なオマージュとしても読み解くことができる。

オカルト学的な思惟、すなわち神秘主義の視点から今作品を紐解くんなら、これは憑依や除霊と云った従来の霊能アクションじゃなく、生者と死者のあいだに生じるてる未完の通信をめぐる物語と云える。
幽霊ちゅうモンを過去の遺物やら、恐怖の対象として処理しがちやけど、神秘学における霊体の本質は、まさに『呪術廻戦』における呪い(呪霊)そのもの。
作中の呪霊が、人間の辛さや後悔といった負の感情が漏れ出し、学校や病院といった特定の場所に堆積して形を成すように、神秘学のいう霊体もまた、そこに囚われた記憶のエネルギーの残滓に他ならない。

今作の生者の妹と霊の姉のコンビは、さながら乙骨憂太と特級過呪怨霊・祈本里香のような、強烈な未練で結ばれた歪で切ない関係に近いかな。
呪術廻戦見てない方は分かりずらい例ですいません🙇。
妹の愛里は、自身の精神を姉の呪いの領域にあえて半分浸すことで、怪事件の糸口を解き明かしていく。
二人が行うのは暴力的なお祓いではなく、哀しい記憶の残滓をすくい上げる調停。
そう考えると、あの洋館の闇は、呪術師たちが命を削って向き合う人間の心の歪みと深く共鳴している。
主人公の愛里は、生者として現世の肉体を持ちながらも、その精神の半分は常に死者である姉・美玖の領域に浸食されている。
二人が組んで怪事件を解決していく様は、光と影、生と死という二元論の統合を目指す、一種の錬金術的なプロセスに近い。

今作品のキャスト陣のアンサンブルもまた、この世界観の強度を支えているかな。
主演の穂志もえかは、過剰な叫びや分かりやすい恐怖の記号を削ぎ落とし、いつ感情が瓦解してもおかしくないよな、生々しいトコをスクリーンに定着させてたし、共演の稲垣来泉が演じる姉の霊、そして懐疑的な視線を向ける賀来賢人や怪しげな影を落をつける吉岡睦雄と云った配置が、現実から少しずつ切り離していく。 

全体として、惜しいと感じる部分はあるものの、ホラーやスリラーとしての見どころもしっかりと用意された一本でした。
正直なとこ、前半は展開がややスローペースで、物語がどこへ向かっているのか掴みづらいし、登場人物たちの背景や事件の動機について親切な説明がほとんどないし、作中の不気味な状況にただ放り出されたよな、置いてけぼり感を抱く瞬間もママあった。
また、純粋な霊等恐怖を期待していくと、意外と肉体的な痛々しさやグロテスクな描写に寄っているため、観る人を選ぶ作風であることは否めない。
ラストの着地も観客の解釈に委ねる部分が多く、人によっては鑑賞後にモヤモヤが残るやろけど、中盤から後半にかけての展開は、そうした退屈さや疑問を一気に覆してはくれた。

オーソドックスなホラーやと思っていた物語が、ある時点からパズルのピースがはまるようにミステリーへと変貌し、前半の違和感が伏線として回収されていく流れはスリリングでした。
何より、映像美と音響のクオリティが善く、安易なジャンプスケアに頼らず、暗闇や静寂、鏡を使った見えない恐怖の演出が洋館の不気味さを引き立ててたし、劇場だからこそ映えるかな。

生者の妹と、霊となった姉のコンビちゅう設定もユニークやったし、穂志もえかをはじめとするキャスト陣の抑えた演技が、この奇妙な世界観にリアリティを与えていました。
説明不足による消化不良感や好みの分かれる描写はあるものの、これまでにない新しいバディホラーの形を提示した意欲作かな。
映画館の音響と大画面で、あの独特な緊張感を味わえただけでも満足度は決して低くないです。


あらすじ・キャスト。
霊媒師一家に生まれた愛里と、ある事件により霊となった姉・美玖は、霊と交信できる力で全国の怪事件を解決してまわっていた。そんな姉妹のもとに、ある屋敷に現れる男の亡霊を祓ってほしいという依頼が舞い込む。亡霊を目撃した張本人の禎子は愛里の仕事に興味津々だが、息子の群治は霊の存在に懐疑的だった。屋敷で怪現象が次々と起こるなか、除霊の儀式を始めた愛里は、おぞましい姿の亡霊に遭遇する。亡霊は部屋の壁に隠された何かを必死に捜していた。やがて、屋敷の秘密と亡霊の正体、姉妹を縛る恐ろしい過去が明らかになっていく。

ドラマ「SHOGUN 将軍」の穂志もえかが愛里役で主演を務め、幽霊となった姉・美玖を「366日」の稲垣来泉、依頼人の禎子とその息子・群治を木村多江と賀来賢人がそれぞれ演じた。第33回SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2026のミッドナイター部門で観客賞を受賞。
ぶみ
4.0
あいつは、夜に来るんだ。

デイヴ・ボイル監督、脚本、穂志もえか主演によるホラー。
屋敷に出る男の亡霊を祓ってほしい旨の依頼を受けた霊媒師の姿を描く。
主人公となる霊媒師一家に生まれた愛里を穂志、ある事件により霊となった姉の美玖を稲垣来泉、姉妹に除霊を依頼した禎子を木村多江、息子の群治を賀来賢人が演じているほか、吉岡睦雄、正名僕蔵等が登場。
物語は、血のついた斧、火のついたローソク、そして洋風の建物が映し出された後、穂志演じる愛里がクルマを運転するシーンでスタート、するとルームミラーに映る女性と会話をするが、後席には誰も乗っていないというホラー感満点のオープニングに。
その後、ペンションのような大屋敷に到着、元ホテルとされるそこで禎子と息子の群治と面会、禎子が男の亡霊を見たことから、愛里に除霊を依頼したことがわかるも、群治は信じていないという、これまたホラーとしては定番の設定となっている。
冒頭、愛里にしか見えない女性は、実は姉であり、以降、姉妹で怪事件を解決するため、全国を飛び回っている二人が屋敷で起きる現象に対峙する様を中心として展開、気まぐれで時を知らせる柱時計に、勝手に開くドア等々、怪現象が起きる中、オルゴールが勝手に開いて鳴り出したのは姉の仕業であったため、これがまたホラーテイストを助長していたところ。
何より、愛里の除霊の儀式が、異世界に飛び込んだような世界観であり、彼女のザンバラ髪に理由があったのも面白かった次第。
クルマ好きの視点からすると、愛里が乗っているのがボルボ・240か940と思しきワゴン、屋敷に止まっていた群治のクルマがサイドビューしか映らなかったものの、その特徴的なグラフィックから、初代日産・テラノの3ドアモデル、禎子が二代目のメルセデス・ベンツ・Sクラス、そして極め付けは終盤登場するパトカーが、六代目のトヨタ・マークIIのセダンモデルと、いずれも90年代前後のモデルばかりであり、作中にスマホはもとより携帯電話も登場していなかったので、年代設定が30年前ぐらいかなと想定できたのは見逃せないポイント。
基本、屋敷の中のみで進行するソリッドシチュエーションものなので、2時間持つかなと思いきや、なんのなんの、CGにあまりチープ感もなく、緩急がつけられた王道ホラーとして楽しめたとともに、姉妹のバディ感が低かったのは残念だった反面、穂志が思いのほかホラー向きであったのが新しい発見であったのに加え、いつもならチョイ役で終わる吉岡の怪演を堪能できる良作。

あと31本。

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