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悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】の作品紹介

悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】のあらすじ

リンダ(ジャッキー・ケリン)は、疎遠だった母の死をきっかけに、一族が代々所有してきた田舎の屋敷〈モンクレア〉を相続する。現在は高齢者向けの養老院として使われているその建物に到着した矢先、入居者のひとりが浴槽で溺死しているのが発見され、屋敷は不穏な空気に包まれる。残されていた母の日記を読み始めたリンダは、母がこの家に潜む“何か”の存在を疑っていたことを知る。次々と積み重なる謎、屋敷にうごめく説明のつかない気配、そして誰も信じてくれない孤独。リンダはモンクレアに隠された一族の秘密と、屋敷で続いてきた不可解な死の真相に、否応なく向き合うことになる。

悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】の監督

トニー・ウィリアムズ

原題
Next of Kin
公式サイト
https://synca.jp/osorezone/film/191/
製作年
1982年
製作国・地域
オーストラリア、ニュージーランド
上映時間
89分
ジャンル
サスペンス、ホラー
配給会社
オソレゾーン

『悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】』に投稿された感想・評価

ぶみ
3.5
受け継いだのは、忌まわしき「秘密」

トニー・ウィリアムズ監督、脚本、ジャッキー・ケリン主演によるオーストラリア、ニュージーランド製作のサスペンス。
養老院として使われている田舎の屋敷を相続した主人公に巻き起こる不可解な出来事を描く。
1982年に本国で公開、日本では『悪夢の系譜 日記に閉ざされた連続殺人の謎』としてビデオリリースされたのみの作品が、今般4Kデジタル修復版で劇場公開(特別料金1700円)となったため、オリジナルは未見であるものの、いそいそとスクリーンへ。
主人公となるリンダをジャッキー・ケリンが演じているほか、ジョン・ジャラット、ジョルダ・ニコルソン等が登場。
物語は、顔や服に血がついた女性がピックアップトラックに乗り込んだのち、タイトルバックが入り、次には同じ女性が荷台に少年を乗せて軽やかにドライブしていることから、多分冒頭の状況はラストに繋がるだろうなと思わせてくれる不穏なオープニングとなっている。
以降、疎遠だった母が亡くなったため、一族が代々所有しており、現在は高齢者施設として使われている屋敷「モンクレア」を相続した主人公のリンダが、モンクレアに到着、すると、外に人影が見えたり、入居者が浴槽で死亡したりと、次々に不可解な出来事が巻き起こる様を中心に展開。
ただ、イメージビジュアルには「唯一無二のカルト・サスペンスホラー」の文字が躍っており、確かに時折ジャンプスケア的な演出もあるものの、全体的にはカルトやホラー色は薄く、真相を探るサスペンスやスリラーといった方が正解だったのは、少々拍子抜けした次第。
クルマ好きの視点からすると、リンダの愛車であるピックアップトラックが、いすゞのファスターと思しきモデルであったり、入居者が遠足に出かける際に乗り込んだマイクロバスがトヨタ・コースターであったりと、日本と同じ右ハンドル、左側通行のオーストラリアらしく、日本の懐かしい商用車が登場していたのは見逃せないポイント。
80年代の作品らしく、ダイナーに公衆電話やジュークボックスがあり、当時の雰囲気満点な映像に、シンセサイザーを駆使したかのような電子音の劇伴がゾワゾワ感を増幅させている反面、前述のように、ホラーでなかったのは意外であったとともに、原題『Next of Kin』=「近親者」を、『悪夢の系譜』とした邦題も悪くなく、急にドライブがかったラストの爽快感が独特だった一作。

この家には悪魔がいる。

※入場特典:ポストカード
母の死をきっかけに、長く離れていた故郷へ戻ったリンダ。彼女が受け継いだのは、一族が所有し、現在は老人ホームとして使われている古い屋敷モンクレアでした。そこで母の遺品を整理するうち、リンダは一冊の日記を見つけます。そこに残されていたのは、かつてこの屋敷で起きていた不穏な出来事の記録でした。やがてリンダの周囲でも奇妙なことが起こり始め、静かなはずのモンクレアは、少しずつ別の顔を見せていきます。

本作は、何が起きているのかをすぐには明らかにせず、どこか落ち着かない状態を長く持続させていく作品です。明確な恐怖の対象が現れるわけでもなく、次々と事件が起こるわけでもない。それでも、小さな違和感が重なっていくことで、日常そのものが少しずつ信用できなくなっていきます。

そのため、かなり人を選ぶ作品でもあります。前半から中盤にかけては物語の進展が緩やかで、人物関係や出来事の意味もなかなか整理されません。何も分からない状態そのものを不安として受け取れるか、それとも単なる停滞と感じるかで、印象は大きく変わると思います。

ただ、最後まで観ると、単純に怪異の正体を追いかけるホラーではなかったことが見えてきます。序盤から積み重ねられてきた違和感は、終盤になるにつれて思いがけない方向へ形を変えていきます。その変化には荒っぽさもありますが、整いすぎていないからこそ残る奇妙な後味もありました。完成度の高いミステリーというより、長く続く不穏さそのものを味わう作品として印象に残ります。



※以下、ネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。



















本作の中心にあるのは、「家を相続すること」が、そのまま「家族の過去を相続すること」へ変わっていく構造だと思います。原題の『Next of Kin』が示すように、リンダが母から受け継ぐのはモンクレアという建物だけではありません。屋敷に残された日記を通して、母の恐怖や一族の確執、忘れていた幼少期の記憶までが、少しずつ現在へ戻ってきます。

その過去へリンダを導くのが、母の日記です。本来なら、過去を整理し真相へ近づくための資料であるはずですが、本作では読むほどに現在の輪郭を不安定にしていきます。そこに記された出来事と現在の出来事が重なり始めることで、リンダは真実へ近づくほど、自分が見ているものを信用できなくなっていきます。日記は過去を説明するものというより、閉じられていたものを再び開く入口として機能しています。

そこで繰り返される「水」も、この感覚とよく結びついています。浴槽、水道、雨、濡れた床、噴水と、水は何かが漏れ出し、広がっていくものとして何度も現れます。それは、一族の中で隠されてきた出来事や、リンダ自身が忘れていた記憶が、完全には封じ込められないことと重なって見えます。モンクレアという屋敷もまた、そうした過去を抱え込んだ場所として存在しています。

だからこそ、恐怖の正体が超自然的な存在ではなく、死んだと思われていた伯母リタと、その息子ケルヴィンだったことには意味があります。それまで幽霊屋敷のように見えていた物語が、「家族そのものが恐怖の源だった」という形へ反転するからです。原題の『Next of Kin』まで含めて考えると、リンダを脅かしていたのが文字通りの血縁者だったことは、本作の主題に沿った帰結でもあります。

この反転を受けるように、終盤では物語も急激に暴力的な方向へ傾いていきます。それまで形を持たなかった不安が、真相の判明とともに具体的な脅威へ変わっていく。ただ、その転調が滑らかに成功しているかというと、そこには疑問も残ります。前半の静かな心理ホラーと終盤の展開には大きな温度差があり、一本の映画として見ると、急に別の作品へ移ったような感触があります。

また、リタやケルヴィンの動機、母とリタの関係、周囲の人物がどこまで事情を知っていたのかといった部分も十分には描かれません。リンダと母の関係も、物語の根幹に関わるわりには踏み込みが浅く、そこがもう少し具体的であれば、「家族の過去を相続する」という主題にもさらに説得力が生まれていたと思います。

とはいえ、本作の曖昧さをすべて説明不足として処理するのも少し違います。日記を読むほど過去と現在の境界が揺らぎ、真相へ近づくほど現実が不確かになっていく。その感覚自体は一貫しており、本作の不穏さを支える重要な部分です。ただし、意図的な曖昧さと、人物や因果関係の描写不足は分けて考える必要があります。前者は作品の魅力として機能していますが、後者は終盤の真相や家族関係の重みを弱めています。

総じて本作は、屋敷という遺産とともに、家族の中で解決されないまま残された記憶や暴力まで受け継いでしまう物語だと思います。ミステリーとしての粗さは残りますが、「家族から何を受け継いでしまうのか」という問いに焦点を置くことで、『悪夢の系譜』という題名を含め、本作の奇妙な構造がひとつにつながって見える作品でした。
るか
3.8
💻 サスペンス・ホラー
監督・脚本:トニー・ウィリアムズ

受け継いだのは、忌まわしき“秘密”。予測不能な狂気を描くカルト・サスペンスホラー。

リンダ(ジャッキー・ケリン)は疎遠だった母の死をきっかけに、一族が代々所有してきた田舎の屋敷“モンクレア”を相続する。現在は高齢者向けの養老院として使われているその建物にリンダが到着した矢先、入居者のひとりが浴槽で溺死しているのが発見され、屋敷は不穏な空気に…。

U-NEXTにて鑑賞。
配信が終了してしまいそうなので観ることに。
これでU-NEXTのポイントはなくなった(笑)
クエンティン・タランティーノ監督が“「シャイニング」に匹敵する映画”だって言ったらしい😳これは・・・観るしかない!

オーストラリア産のサスペンス・ホラー。
リンダ・メアリー・スティーブンスの母親は邸宅を維持するために高齢者向けの養老院を営んでいた。そんなある日、その母親が病死してしまい、リンダは帰郷することになった。
一族が代々所有してきた田舎にある屋敷「モンクレア」を相続することになったリンダだったが・・・てな物語。

カントリー風の音楽が流れ、田舎道を車で走らせるリンダ。
帰郷したリンダは母親の大邸宅「モンクレア」に到着。
リンダはド田舎にある「モンクレア養老院」の廃業を考えていたが、一方では養老院には新たな入居者も訪れていたり。
リンダが昔の恋人バーニーとデートをしていた。
そんな最中、養老院に入居している老人男性コリンズがバスタブの中で溺死するという事件が起こった。発見した老人男性ランスはショックのあまり、寝込んでしまった。
その後、リンダは遺した日記を読み始め、母親がこの家に潜む「何か」の存在を疑っていたことを知るのだった。
屋敷にまつわる数々の謎、屋敷にうごめく説明のつかない気配や人影を感じずにはいられないリンダは、不穏な空気を誰とも共有できず、孤独を感じていた。隠された一族の秘密とは?!

電気が急に消えたり、勝手に浴室や洗面所の水が全開になって溢れていたり、誰もいないはずなのに人の気配が漂い始める。
そんな中、リンダは母メアリーが残した日記に目を通し、メアリーもこのこの場所に対して強い不安を抱き始めるように。
そして、リンダは悪夢を見るようになる。子供の頃の自分の姿が浮かび、自分を呼ぶ謎の声がしたり、死んだコリンズが、外がまるで水中になった外から窓を叩いていたりするのだった。

🈲 ⚠️‼️ここから下はネタバレしているので要注意‼️⚠️ 🈲

叔母であるリタの死因についても気になったリンダ。
バートン医師に聞き込みをするが「彼女は死んだんだ。過去を振り返るな」と一蹴され、有力な情報は聞き出せなかった。
その後、再び母親のガウンを着用した何者かを目撃したリンダ。母親の世話をしていた看護師コニーも見ていないと言う。
リンダは母の日記に更なる手掛かりを探して読む。
すると、過去にも不可解な入居者の溺死が繰り返されており、しかも、幼い頃のリンダはその現場を目撃していた事を知る。
「この家には悪魔がいる」と日記に書かれていた。
さらに、亡くなった入所者の死因をカルテで照合し主治医を見ると、全ての事例でバートン医師が関与していたことが判明。
何かを隠しているバートン医師とコニーに不審を抱く。
リンダは錯乱状態になりながら恋人バーニーに助けを求める。

パニックになってバーニーに会い、訳を話したリンダ。
事の真相を知るために、屋敷に向かった2人。様子を見に一人、モンクレアに入っていくバーニ一。リンダは庭で待っていた。
ふと、噴水を見ると水が赤く染まっていた。すると、噴水のところで首を切られたコニーの死体を発見。慌てて屋敷の中へ。
屋敷の中に入ると、車椅子に座ったまま殺された血まみれのバーニーの死体があった!絶叫してしまい、逃げ出すリンダ。
その時、目の前にライアン夫人に扮した叔母リタが!
なんと、病死した叔母リタは実は死んではいなかった。
カツラを取ったリタは「20年前ここに住んでいた。お前の母さんとバートン医師によって屋敷を追放された」のだと告げた。
怯えて震えるリンダに「大丈夫、楽になるよ」とリタが囁いた途端、甥だと名乗ってた男が🔨を持ってリンダに襲い掛かる!
揉み合いになり、リンダは椅子で男を殴りつけた。
浴室に逃げ込んだリンダが見たのは、浴槽の前で無数の注射器💉を刺されて血まみれで座り、死んでいるバートン医師。
「リンダ、見えてるよ」と不気味に笑いながら、覗き穴からリンダを見つめているリタ。震えながらクシを手にしたリンダ。
そして、覗き穴から覗いていたリタの目にクシをグサッ💥クシを突き刺した。ドアを開けた途端、血を流して倒れ込むリタ。絶叫しながら逃げ出すリンダ。スローモーションになる。
リンダは車に乗り、猛スピードでダイナーに駆け込む。
一息入れていると、突然、リタの甥が運転する暴走トラック🚚がダイナーのガラス窓をブチ破って突っ込んできた!!
リンダは、ダイナーにあった銃で男の頭を撃ち抜いた。
ドガーン💥ダイナーは大爆発。燃えるダイナーを背にし、リンダは少年と共に朝焼けの中を車で走り出していく。THE END。

「シャイニング」とはちょっと違うような気が・・・😅
しかし、猫の視点のような演出、小道具がアップで映し出されるような所はダリオ・アルジェント作品っぽくてジャッロ風。
そして、突然のスローモーション、階段を降りるシーンや長い廊下の流れるようなカメラワークが秀逸。ジャケ写シーンが映る・・・からの、静かなショットからのトラック🚚突撃!!
まあ、いろいろな謎演出はほったらかしのままだけど(笑)
エンドロールの曲がドイツの「クラフトワーク」っぽい♪
今観ても全く古臭さを感じさせず、非常に楽しめたと思う😆✨

ポイント使った甲斐があったなぁ、こういう映画だと(笑)
この作品のDVDを持ってる人がいたなら、羨ましいなぁ💕

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