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お通しください、ご先祖さま
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お通しください、ご先祖さまの作品紹介

お通しください、ご先祖さまのあらすじ

1617年、スペイン人神父によって支配されている島を舞台に、神の名のもとに行われる強権政治とそれに抵抗する人々を描く。

お通しください、ご先祖さまの監督

ラヴ・ディアス

原題
Makikiraan Po/Let Us Through, Dear Ancestors
製作年
2026年
製作国・地域
フィリピン
上映時間
151分
ジャンル
ドラマ、歴史

『お通しください、ご先祖さま』に投稿された感想・評価

Omizu
2.7
【第83回ヴェネツィア映画祭 アウト・オブ・コンペティション部門】
『立ち去った女』ラヴ・ディアス監督の新作。ヴェネツィア映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に出品、東京国際映画祭にも出品されている。

利己的な聖職者と地元の魔術師を軸に、フィリピンの植民地支配を描いたモノクロ映画。

正直ディアスらしさが減ってしまっていて残念だった。ディアスと言えば魅力的な長回しだったはずなのにそういった要素がほぼ見当たらない。もちろん長回しはあるのだが良くも悪くも普通の映画になってしまった印象。

やはり『マゼラン』は転機だったのだろうか。以前からディアスのキレがなくなってきているのは気づいていたが、本作では長回しのセンスが感じられずディアスならではの魅力がなかった。

観やすいのはいいことかもしれないが、以前のディアスが好きだった者としては残念。構造的にも分かりやすすぎて深みが感じられない。それでもディアスは好きなので観続けるが…
3.5
【続マゼラン】

毎年のように長尺映画を放つフィリピン映画の鬼才ラヴ・ディアス。ここ最近は、植民地支配の側面からフィリピンを語ることに興味があるらしい。『マゼラン』に引き続きフィリピンへ流れつく伝道師の目線からの物語となっている。てっきり、上映時間8時間ぐらいあるらしい『Amazon』が次回作かと思っていたのだが、箸休め的に2時間半の、ラヴ・ディアス文脈だと短編にあたる新作『Let Us Through, Dear Ancestors』がベネチア国際映画祭にて発表された。

舞台は『マゼラン』より少し時代が進み1617年。スペインの修道士はフィリピンで教会建設の現場監督をしている。先住民を支配し、物資調達のために過酷な遠征へ送り出していた。その道中では盗賊に襲われたり、病気によって命を落とす者も少なくないのだが、誰も修道士に逆らうことができない。

『マゼラン』に引き続き、神の教えを説く者が異国の地を支配し、敬虔とは対極の虐殺を行っていた様を暴き出すものとなっている。日常を固定のショットで捉え、その連続によって静かに暴力を描いていく様は『マゼラン』から引き継がれているものの、白黒で描くことによってスペクタクルの側面は抑えられている。

また、この手の作品は抑圧される者の視点から描かれることが多いが、抑圧する者の視点に力点が置かれているため、支配のためなら身内をも冷徹に疑う姿勢が映し出されている。静かに「お前、スパイか?」と会議室でもなんでもない空間で詰めていく場面にはゾッとするものを感じた。

恐らく大本命の『Amazon』は来年、どこかの映画祭にてお披露目だろう。楽しみである。