引き続き、スティング6年ぶりの来日公演ツアーを祝して！

テリー・ギリアムが満を持して解き放った完全無欠の傑作ファンタジー！
巨額の制作費が投じられた超スペクタクル大作でありながら、ものの見事に大コケして資金も回収できなかったという曰く付きの映画でありますが、
私の中では間違いなくギリアムの最高傑作に値するほど大好きな作品です！
本当に一体これの何がダメだったのか、未だに疑問が残ります。
それと同時にギリアムが不憫でしょうがない…。

老いぼれ男爵バロンの虚実入り乱れる冒険譚が、ギリアムの手腕によって見事な想像力の爆発へと導かれるファンタジー・アドベンチャー。
トルコ宮廷、月、地底、海、大魚の胃の中などバロンのかつての家来を探し集めながら、少女サリーと共に体験する不思議な夢想世界。
果たして少女はバロンの力を借り、トルコ軍の侵略から町を守ることができるのか！？
この幼きサラ・ポーリーの愛くるしさは永遠。

スティングは冒頭、見事な戦果を上げながらも理不尽に粛正されてしまう兵士役でカメオ出演。
その風貌が既にクソかっこいいのです。

「ヴィーナスの誕生」を模したユマ・サーマンのヌードシーンは、まさにボッティチェリの絵から抜け出したかのような美しさ。

18世紀末のバロック調の美術がそこかしこに散りばめられ、手の込んだセットや小物は終始目の保養になります。
これを手掛けたのはフェリーニやパゾリーニなど壮大な作品の美術を支えたダンテ・フェレッティ。
叩き上げ故に抜かりは一切見当たりません。

また、撮影監督にはヴィスコンティやフェリーニなど、イタリア映画の名作を数多く手掛けた巨匠ジュゼッペ・ロトゥンノが担当。

近年のCGだらけのファンタジーとは一線を画し、人力でここまでの世界を作り上げてしまったギリアム。
彼はアーティストというよりも、むしろアルチザンとしての気質を多く持ち合わせた稀有な映像作家なのです。

そんな彼は本作と少々被った内容で、しかも17年前にお蔵入りになってしまった「ドン・キホーテを殺した男」に再び着手。
その撮影がつい数日前に終了したそうで、いよいよ公開が待ち遠しくなってきました！

医者

18世紀末、理性の時代
ヘンリー・ソルト一座による『ミュンヒハウゼン男爵の冒険』が興行されていたが、突然本物のバロンだと名乗る老人が乱入
彼は、今回の戦争の原因は自分にあると主張し、その経緯を語り始め.....

18世紀の伝説的人物バロン・ミュンヒハウゼンの活躍を描くファンタジー・アドベンチャー

テリー・ギリアム節炸裂！
奇想天外で、彼の世界観が見事に表れていた

なかなかというか、かなりぶっ飛んでる〜笑
ハチャメチャな物語で、引くぐらいドタバタだった笑
でも、ワクワクしてストーリー自体は好き

そして、映像が良い！
この時代にしては、技術がスゴいと思う
特に、月の王が面白かった

あと、奇抜なメイクや衣装も特徴的です

個人的には、ロビン・ウィリアムズとユマ・サーマンが印象的だった

みんな個性が強すぎで、全体的に愉快でした

テリー・ギリアム監督によるミュンヒハウゼン男爵をモチーフとした「ほら吹き男爵物語」の映画化です。この話は映像作家にとっては魅力的な題材のようで、チェコのカレル・ゼマン監督をはじめとして多くの映画監督が映像化しています。

まず、当時としては最新の特撮技術を駆使した映像は今でも魅力的です。テリー・ギリアム監督はモンティ・パイソン時代はアニメーション担当で、その独自の「ギリアニメーション」の世界観はモンティ・パイソンになくてはならないものでした。それを当時の最新技術で実写化したのは素晴らしい。

この作品は『バンデットQ』（1981年）と『未来世紀ブラジル』（1985年）を合わせて「イマジネーション三部作」と呼ばれているらしいです。確かにこの三作品に共通してるのはイマジネーションの映像化かもしれません。そう言う意味ではストーリー性には乏しいのですよねえ。

三部作ではキャラクター造形はこの作品が一番よいかもしれない。麦わらの一味ならぬバロン男爵の一味の全員がちゃんと特徴がある。それがちゃんとファンタジーの味付けに乗っかっている。カメオ出演のスティングもすごくいいし、ユマ・サーマンも初めてのちゃんとした役だと思えないくらい美しい（この作品が遅れに遅れてデビュー作ではなくなったけど）。

この三作品の中では、やっぱり圧倒的に『未来世紀ブラジル』が好きなんですよ。『バンデットQ』よりはいいけど。とてもよくできていると思う。ただ、ものすごく特筆すべき部分がないんだよなあ、自分的には。