アガサ・クリスティー原作。今回の名探偵はポアロ！1974年版『オリエント急行殺人事件』ではアルバート・フィニーが演じていますが、本作では名優ピーター・ユスティノフがポアロ役。個人的にはかなりぴったり！

大富豪エルマー・ボイントンが亡くなり、後妻エミリーは遺書を弁護士に書き換えさせて莫大な財産を独り占めする。複雑な思惑の前妻の子供たちだったが、エミリーは気にも留めず家族旅行で世界を周ることを提案するが...。

タイトルからお分かりのように、死海のほとりで起きた殺人事件に、豪華客船を乗り合わせたポアロが絡み、真相解明に乗り出すというお話。
ローレン・バコール（また！）、アーサー・ギールグッド、パイパー・ローリー、キャリー・フィッシャーという豪華キャストがたくさん登場するのに、どこか地味な印象が否めないのはなぜなのでしょう...？色々調べたら、当時長らくB級映画を多く手がけていた映画会社キャノン・フィルムズによる作品とのこと、メジャー入りの第一歩として本作を製作していたようです。

殺人の動機は結構ショッキングだったのですが、トリックは正直ブッ飛びすぎていてそんな急に人を殺せないでしょ！と思わず突っ込んでしまいました（笑）。
そこまで長尺ではないからか、犯人が分かるまでもそんなに時間かからず、普段こういうのに鈍い私でも「この人かなぁ」と見当がつきました。
ポアロに見破られて、犯人が何か悟りを開いたような表情になるシーンはグッと来ました。

なかなかない、パレスチナでの観光シーンはレア。映画の中で普通にユダヤ教の方々を写真撮影して叱られるシーンがありましたが、今も昔も観光客のやることは一緒なんだなとトホホ...（笑）。

ピーター・ユスティノフのポアロシリーズ見たいと思ってたんだけど、これ順番からいってナイルとか地中海から見た方が良かったな…
前半もったりしてるな〜と思いつつ、嘆きの壁とか有名地が見られて楽しかったです。
さらに、キング医師をやったジェニー・シーグローブという女優、どこかで見たことあるなと思って必死で思い出した結果、そうだ！昔NHKでやってたジェレミー・ブレッドのシャーロック・ホームズシリーズ（グラナダTV版）の『四つの署名』でメアリ・モースタン嬢やったひとだ！
美人だなーと思って覚えてたの。うれしー。

灰色の脳細胞が
謎を解く！
アガサ・クリスティの
ご存知、名探偵ポワロ
シリーズ第4弾！

「死海殺人事件」

ピーター・ユスティノフ演じるエルキュール・ポアロの3作目にして、シリーズ最終作。オリエント急行殺人事件は別の方が演じてましたから、シリーズとしては4本目…。ただ…キャノン・フィルムズに制作が変わっていて…まぁ低予算感がそこはかと…。

エルサレムへとポアロは向かう。旧友である現地の警察署長に会うために。その旅路の中、不仲そうなアメリカ人の一族と出くわす。また旧知のトラブルメイカーである英国議員の御婦人も加わり旅は不穏な雰囲気へと…。

この、不穏な雰囲気だけで…半分進み、殺人事件が起こるので…飽きてしまいます（笑）いくらポアロが好きでも長い！前振り長い！その前振りが効いてればいいんだけど…効いてない（笑）

シリーズも長くなるとこうなるかと言わんばかりの劣化版。TVシリーズの方がいいのでは…と。調べたらキャノン・フィルムズ…。安上がりの作品を得意にしてた会社が力をつけて版権買い取り、一発当てようとしたらしいが…。今回ローレン・バコールが目玉なんだけど大御所一人だけ。他は…若きキャリー・フィッシャーがいるくらい。まだスター・ウォーズしかない頃だから、ギャラは高くないはずだし…。悪い意味で金田一化してる…。トリックもいまいちで読みやすくなっちゃってます…。

この前の地中海殺人事件もイマイチでしたが…これは更にイマニというか…。オススメしません。あと…死海ってつけたのは邦題なんだろうけど…何処に死海が…？（笑）まぁ観光地＋殺人事件でシリーズっぽくしたいのはわかるんだけど…。

• #80s傑作選