はじめてのエドウッド🚻

『史上最低の映画監督』ということで、かなり構えながらの鑑賞でした。
どんなん見せられるんだろう、恐ろしいわあ…ｶﾞｸﾌﾞﾙ)))) と、１人バイブ状態だったのですが、始まると、
あれ？ 面白いぞ？？

『ロッキー・ホラー・ショー』や『スーパーエイト』で見たお馴染みの謎の博士の語り。
明らかにドライアイスな実験。無駄な骸骨💀
女装癖と半陰半陽の苦悩。そして、それら一人一人悩みも解決法も違うという当時にしてはすごいきちんとしてそうな考え。

なんだなんだ！これは楽しい映画じゃないか✨

と思ったら謎の 張りぼて大木下敷きからの、お姉さまたちのｱﾊｰﾝ👠💕な謎シーン。
…ん？🤔
博士の謎のドアップ。の、エンドレス。
……ん？？🤔

………まあいいわ！😂
美女がｱﾊﾝｳﾌﾝしてるの見るだけで幸せだし！マザーグース好きだし！

けれど、女の子👧はお砂糖とか素敵なもので出来ていて、男の子👦は犬のしっぽとかカエル・カタツムリとかって、からかい歌としても、そりゃあ女の子になりたくなるよなあ、としみじみ😌

後で知ったのですが、エドウッド本人なんですね！そして、ベラ・ルゴシ様なのですね！すっごーい✨
せっかくなので、「これが史上最低の映画監督の作品か…！」と思うものに出会うまでお付き合いしていきたいと思う次第でありました♥️

• #奇想天外映画祭
• #アンダーグラウンドコレクション2019

ケーススタディと考察、ベラルゴシによる神の実験。服装倒錯について順繰りに説明。
突如ヘンテコ映像へ展開して微笑ましい。

生命の神秘の謎を引き合いに語られる主張。
嫌いじゃない。静かに心動かされるものも。
でもどこが見せ場だったのかというと困っちゃう。

ハイセンスな緑のリュウがかわいい。

• #奇想天外映画祭

1953年にこんな題材の映画が作られていたということにも驚いたが、その内容にはさらに衝撃を受けた。
映画では、服装倒錯（女装癖）と性同一性障害（ジェンダー）と身体的性差（セックス）が厳密に分けられている。
たとえ似たように見えてもそれらは別物の問題であり、それぞれに抱える悩みも、対処する方法も異なる。
もっと言えば、同じ問題を抱えていたとしたって、個人によって悩みはみんな違うのだということも語られる。

服装倒錯者であったエド・ウッドの半自叙伝ということもあり、同じ服装倒錯者のグレンの描写は繊細で緻密だ。
誰かに知られたらどうしようという不安に常に怯えつつ、女装をやめるくらいなら死にたいと願ってしまう気持ち。
女の子に対する心の底から湧き上がる憧れと、同時に抱いてしまう女性に対する嫉妬や性欲。
グレンは婚約者のバーバラにどうしても女装のことを話せないでいるが、ここら辺もリアルそのものだと感じた。
親しければ親しいほど、大切であれば大切なほど、カミングアウトは難しいものなのだ。

そして圧巻は、悩み苦しむグレンが夢のように見る幻想のシーンだ。
秘密を抱えたままバーバラと挙げる結婚式には、ニヤニヤ笑いを洩らす悪魔が立ち会っている。
自由で美しく艶めかしい部屋着の女たちは、グレンの憧れとして目に映るのに、男に犯される。
人々が笑ってグレンを指さし、声なき声で「その姿が本当なのか？」と問い詰める。
女装したグレンを見て嘲りの笑いを洩らす女たちからは「気持ち悪い」という声が透けて見える。
木に押し倒されたバーバラを女装のグレンは助けられない。でも、男の格好でなら助けられる。
駆け抜けるかのように一気に押し寄せるイメージの数々が、グレンの抱える悩みや苦悩をはっきりと訴える。
当事者でなくても、このシーンには胸にくるものがきっとあるだろう。

映画としての作りもとても面白い。
ドラキュラ俳優として名高いベラ・ルゴシが怪しくも迫力ある語りで物語を引っ張る。
中では、刑事と精神科医が会話を繰り広げ、ここがグレンやアランたちの状況の解説になっている。
そして、グレンや、身体的性差を抱えたアランたちの場面では、当事者に起こったことが描かる。
この三重構造によって、一見するとキワモノ的に見える映画が、じつは繊細な問題を真摯に扱っていて、しかも一歩引いた視線からの解釈も入る、という作りが成り立っている。

「まだ世界には何百人ものグレンがいる。彼らは？」というひと言を最後に残したのも素晴らしい。
すごい映画だと心から思った。