DVD📀所有、再鑑賞。「黄泉がえり」「害虫」の塩田明彦脚本・監督作品。「バーバー吉野」の石田法嗣14歳、谷村美月14歳主演映画。

谷村美月観たさに再鑑賞*\(^o^)/*

失われた家族を取り戻す旅に出た光一がたどり着く衝撃的なラストは要チェック。

オウム真理教事件をモチーフに描く話題作。カルト教団に入信した母に連れられて、妹と共に教団の施設で育った12歳の少年、光一。教団はテロ事件を起こして解散し、母は行方知れずになり、光一は児童相談所に預けられるが、祖父母に引き取られた妹を取り戻すために施設を脱走。その道中、援助交際をする少女、由希と出会い、一緒に旅するようになる。

（´-`）.｡oO（…重かった…。

オウム真理教ベースの映画である。
カルト教団・ニルヴァーナに母、妹と出家した光一は、一時期児童相談所に預けられていた。
光一は児童相談所から脱出を図り、車の事故に遭遇…そこで少女由希と出会う。
由希はすぐに教団の子供だと気づく。
なかなか心開かない光一だったが、少しずつ由希と話すように。
由希が妹の保護を援助すると言う。
光一は、祖父に保護された妹を取り返しに、二人東京へ向かうのだが…。

その間に出会う、レズビアンカップルや、教団にいた頃の様子がなかなか濃い。
教団の中の指導者が西島秀俊(意外にこの役合ってる)。
また由希役が、幼い頃の谷村美月ちゃん。
これもまた良い演技。

もろリアリティの映画だったので、結構ずっしりきたけど嫌いじゃない。
オウム真理教のドキュメンタリー映画「A」も観てみたい。
まぁあの頃の報道はすごかったよな…。

最後の「生きる」の一言で、闇から光に変わった感じ。
終始暗かったけど、エンディングはわりとすっきり。
そして、エンドロールのZAZEN BOYSの「自問自答」…最高！！！！！

昨日観た「スイートビターキャンディ」の流れで、どうしても観たくなって配信で観直しました。
2004年の映画館での上映当時、あるカルト教団をモチーフとした今作のドライブ感と主演の2人の圧倒的な演技と存在感に、塩田明彦監督作品の最高傑作と感じて今に至るのですが、今回改めて観ても、それはほとんど揺らぐことはありませんでした。

無差別テロを起こしたカルト教団解散の後、入信した母親は行方不明になり、児童養護施設に預けられる光一は、祖父母に引き取られた妹を取り戻すために施設を脱走し、その道すがら、援助交際する少女、由希と出会い、一緒に東京を目指すという物語。

大きな目的に対して、不器用な生き方を選択せざるを得なかった2人の道筋と、動き続ける時間の中でそれまでと違う生き方模索していく、元信者たちとの不寛容さ、心から信頼できない大人たちからの脱却が、苦しくて美しい、重苦しい作品ですが、手持ちカメラでのライブ感が常にあって、最後までどのように折り合いをつけるのか、ヒリヒリする作品でした。

当時は、主演の石田法嗣さんのと谷村美月さんの存在感だけに目が行っていましたが、西島秀俊さんの役は強く前に出る感じではなかったため、あまり印象に残ってなかったとか、江口のりこさんがさりげなく出演していたり、新たな気づきもありました。

変容していく世界の中で本当に信じられるものなんて、簡単に見つからないと気づくまでの時間の揺らぎは尊いもので、その選択が正しいかどうかは分からないですが、こういう不寛容さが揺るぎない形で映像化されて、当時の息苦しさからあまり変わっていないことをどう捉えるか、フィクションとしての線引きとか、配信で観ると熱量は変わってしまうと思いますが、ある1つの時代の目線としての今作の価値は下がることはないと思います。