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教祖誕生
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教祖誕生

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『教祖誕生』に投稿された感想・評価

かつて私がネット競馬予想家をしていた時、
競馬の勉強は当たり前のようにしていたが、同時に別の事も深く勉強していた。

それは「宗教」についてである。
(゚Д゚)ハァ?

競馬予想と宗教の間には、直接的関係はない。
しかし、競馬予想というのは、不確実な未来を予測する行為であり、
大金を賭ける心理構造から、縁起やジンクスを異様なほど気にしていたし、
自分が構築してきた予想理論を「信じ込む姿勢」を生み出すため、
宗教学や心理学の文脈では、一種の信仰や儀式に似たものになってしまうのだろう。
(-。-)y-゜゜゜

そしてなにより、私は「カリスマ競馬予想家」でなければならなかったのである。
( ー`дー´)キリッ

自分には多くのファンがついてきている。彼らはある種の「信者」である。
信者の私への「信仰」をぐらつかせる事は、
私のネット競馬予想家としての、存亡の危機に関わる重大事項になる。
私はカリスマでなければならなかった。すなわち「教祖」である必要があったのである!
( ー`дー´)キリッ

という背景から、宗教についても深く勉強していた。予想理論は、言い換えれば宗教の「教義」そのものである。
私が予想を外したら、それは理論(教義)が間違っているのではなく、
理論を使う自分が、間違った使い方をしたせいだと言い続けてきた。
予想が当たれば、ホラ見たことか、私の理論(教義)は正しいのだと、ファン(信者)に言い聞かせてきた。
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
予想が間違っても、予想理論の正しさを理路整然と説明し解説してきた。

そのせいか、負けた時の言い訳弁明力はすこぶる上達した。
一線から退いてしまったので、今現在は衰えたと思うが、
当時は日本で最も、競馬の言い訳が上手い予想家だったと自負するほどに自信があった。
だって、当てた奴よりもレース結果のカラクリ説明が上手過ぎて、大人気だったのだから。
(-ω☆)キラリ

当たったら自然と理論強化されるし、ハズレても理論補完されていく。
宗教行為とは、このような繰り返しの作業なのではないだろうか。
理論は糠床のように醸成され、ホンモノになっていく。真理になっていく。
それはまるで、自分が全知全能の神に近づいていくかのような、日々の「積み重ね」だった。

私の予想家人生の晩年は、どんどんおかしくなっていった。
予想が当たると「神が見えた!」と叫ぶようになったし、
どういう理屈かは今でこそ分からないが、理論(教義)が右翼思想と結びついた世界観で雄弁に語っていたし、
ファンを集めたオフ会の二次会カラオケでは、締めの歌はみんなで君が代を大合唱していた(笑)
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

もう20年も前の話だが、狂っていたと思う。でも楽しかったなあ。
( ´ー`)y-~~

この映画は、アヤシイ宗教団体と青年の物語。
旅の途中のフェリーで新興宗教団体一行と出会った、青年主人公の高山は、暇つぶしに彼らについていく事にした。
そこで見た光景は、宗教団体が路上で集会を開催し、手かざし治療を施し奇跡を起こすが、
実態は、サクラを使ったペテン行為でインチキ手品まがいなカラクリに加え、
雄弁に教義を語り勧誘するという、詐欺まがいな見世物興行だった。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

暇すぎる若者の高山は、興味本位でその後も彼らに同行し​、宗教団体職員となり、教団に深く関わっていくが、
教団を裏で操る幹部、司馬の手練手管により懐柔され、冷ややかに観察していたはずの高山自身が、
図らずも新たな教祖として祭り上げられていき、、、というお話。

今作は、ビートたけし原作ベストセラー小説の映画化で、
宗教ビジネスの裏側と、人間の愚かさを容赦なく暴き出す、傑作ブラックコメディ。
作品監督は北野武ではなく、北野作品で長らく助監督や監督補佐を務めていた天間敏広が務めている。
ちなみに、天間氏の監督作品は今作のみであり、ビートたけしは演者として出演していたが、
演出面等で北野武から多大な影響を監督が受けている事が類推でき、
今作も広義の意味では、北野作品の例外パターンの1つとして、把握すべき映画になるだろう。

​今作の本質は、宗教を「救い」ではなく「ビジネス」や「システム」として描いている点にある。
公開当時はこの視点からの描き方により、おそらくセンセーショナルな映画だったのだろう。

さてさて、宗教団体というのは​​、教祖の他に信者というものが必ずいる。
「信者」という漢字2文字は、合体させて1文字にすると「儲」になるのである!(笑)
( ゚д゚)ハッ!

劇中で象徴的に示されるこの漢字のからくりは、宗教ビジネスの心理を、真理として見事に射抜いている。
「信じる者」が増えるほど、組織が「儲かる」という、シニカルな構造なわけだ。
( ゚Д゚)y─┛~~
序盤、路上見世物集会でサクラを使い、病気が治ったかのように見せるヤラセ演出のシーンがある。

確かにこれ自体は、詐欺まがいの騙し見世物ではあるのだが、
一方で、観客が見たいものをそのまま見せたまでの事、と強引に言い換える事もできるわけだ(笑)
観客は「自分が見たいもの」「信じたいもの」を見せられ、まんまと信者化し、そして熱狂していくのである。

司馬らの教団幹部メンバーにとって、教祖は思考や自我を持たず、
「扱いやすい看板」であれば誰でもよいという、ドライなスタンスの幹部として描かれている。
まさに​「神輿(教祖)は軽い方がいい」という理屈だ。
政治家の世界も似た理屈が働いているだろう。ちなみに、現在の総理大臣は軽い神輿には全く見えなくて、
ジジイ幹部連中が大変そうに見えるけれども(笑)
シ━━━ッd(ºεº;)
教祖が主導権を持とうとすれば排除され、新たな「軽い神輿」へと挿げ替えられていく、こういうカラクリなわけだ。

​とにかく、ビートたけしが演じる幹部、司馬の存在感が圧巻で面白かった。
司馬の言葉と行動には、徹底したリアリズムと鋭利なブラックユーモア(=たけしイズム)が、毒味を帯びて満ち溢れている。
たけし本人が、世の中を普段からどう見ているのか、その一例を、司馬という役柄は我々に見せているのだ。

下條正巳が演じる初代教祖を、幹部達が追放するくだりも面白かった。
追放の際、手切れ金(口止め料)を司馬は払おうとするのだが、
最初から300万渡さず「まず200万、後から100万」の手順で渡す事で、
相手に得をしたと錯覚させ、満足させる手練手管を駆使するのだ(笑)
( ゚д゚)ナルヘソ!
人間の小市民的な欲望を熟知した、司馬の狡猾さと人心掌握術が光るシーンだった。

それから、のぼせ上がって調子こいてる初代教祖を、司馬が蹴り飛ばしながら吐き捨てる、
「痛かったらお手かざししろよこの野郎」
(# ゚Д゚)凸
というセリフ。信仰の虚妄さを皮肉り、暴力とともに突きつける、今作屈指のブラックな名シーンだ。
また、クレーマーを演じた寺島進が、岸部一徳から理不尽に、
ボコられる時のリアクションも味わい深く、絶妙な笑いを生んでいた。
(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵

​最初から最後まで、主に司馬のセリフは、宗教や人間の心理の本質を皮肉たっぷりに暴いていく。そして痛快で面白い。
​「2週間の断食で神様になれるなら、山で遭難した奴はみんな神様になっちゃうよ」
┐(´д`)┌ヤレヤレ
苦行=神聖さという、宗教的パフォーマンスのバカバカしさを一蹴する、圧倒的な正論ロジック。ぐうの音も出ない(笑)
(ノ∀`)アチャー

司馬が青年の高山​を諭すように使った「人は見たものだけを信じる」というセリフも、なかなか深い言葉だ。
人間は真実を探求しているのではなく、単に「目に見えるわかりやすい奇跡や演出」を、
自分の都合よく信じたいだけだという、人間観察の諦念が込められていた。
これは、私が経験則から思うに、頭が良くない人ほどそうだと思う。
( ´ー`)y-~~

​あと、なぜ人は教祖になると「本物」になろうとしてしまうのかという描写も、
なかなかの考察ポイントの提示で面白かった。
​初代教祖(下條正巳)も、二代目(萩原聖人)も、最初はビジネスのお飾りとして祭り上げられたインチキ教祖に過ぎない。
しかし、断食修行を本気で行い、手かざし治療を繰り返し行う事で、周囲から拝まれ、感謝され、
万能感を味合わっていくうちに、自らを本当に「特別な存在=神がかり的存在」だと錯覚し始める。

​これは、冒頭エピソードで示した私の話と、プロセスが似ているような気がするのだ。
おそらく「繰り返す」という反復行為が、そういう勘違いをホンモノだと認識させる上で、強化させていくのだろう。
(゚Д゚)ハァ?

たとえば、日●宗や創●学会には、「南無妙法蓮華経」というお題目がある。
繰り返し、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と唱える事で、
以前別の作品レビューで書いたような、、、

「アタシね、池●大作先生を信じてお題目を唱え続けたら、蓄膿症が治ったのよ!だからアンタもね、、、」
(゚∀゚)ノ

という理屈で、私を勧誘してきた、創●学会のおばちゃんみたいな人々を、世に生み出してしまうのである(笑)
。・゚・(ノД`)・゚・。

また、​物語のクライマックスにかけて描かれる不条理さと、
萩原聖人が演じる主人公高山の変容は衝撃的だった。

前半、​アクシデントによって結果的に重病患者を死なせてしまう事故が発生する。
しかし「苦しみから解放され天に召された」という、信者遺族側の好意的解釈により、
遺族は怒るどころか、泣いて感謝するのだ。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

信じる者にとっては事実よりも救いの物語こそが全てであり、
殺人すら感謝に変換されてしまう新興宗教の怖さが凝縮されていて、
ホラー映画以上に怖いと思った。まさに、、、

ホラ話がホラー映画になったようなシーンだね!
(; ー`дー´)キリッ

物語序盤、どこにでもいる冷めた学生だった高山は、
教団の不条理を客観的に見つめる、ただの観察者だった。
しかし、組織のシステムに巻き込まれ、
やがて自らがそのシステムの中枢へと組み込まれていく中で、
序盤の青く純粋な瞳は消え去り、
終盤には完全に虚無と冷徹さを宿し、何かが取り憑いたかのような「教祖」の険しい顔つきへと変貌する。
​そのグラデーションが演技としても素晴らしかった。

今作は、人間がいかに物事を都合よく信じ、そしてシステムに呑み込まれていくかを描いた、
痛快で毒気の効いた、恐ろしい人間ドラマだった。

良かった演者
ビートたけし
萩原聖人
玉置浩二
下條正巳
岸部一徳
もたいまさこ
寺島進
記録。
一番近づけるから…

ビートたけしの原作小説を映像化。インチキ宗教団体を題材に、皮肉とユーモア、そしてそこはかとない恐怖が共存するコメディ作品だ。

新興宗教と聞いてネガティブなイメージを抱く方は多いだろう。かくいう僕もそうだ。それを決定づけたのが本作公開の2年後、今は亡き尊師率いる某教団が起こしたテロ事件。たけしは本作の2年前に尊師と対談しているが、それ以前にも既に教団はその手を血に染めていたのだから恐ろしい。

話は逸れたが、本作にそんな血生臭い要素は薄い(無いわけではない)。ホームレスを教祖として仕立てあげ、サクラを駆使して胡散臭い儀式を披露しお布施を集める教団と、なんとなく同行することにした青年の人間模様がユニーク。

外では荘厳な佇まいを見せる教祖も裏では酒をかっ食らい、リーダー格のたけしはそんな教祖をジジイ呼ばわりで罵倒し蹴りまで入れる。関係者全てが金儲けに勤しんでいる事を知りつつ唯一ガチな信者である玉置浩二が異質。そんななかでノリで同行したのに次期教祖に祀りあげられる萩原聖人。マジかよ(笑)

何はともあれ、信じるという行為は果たして強いのか弱いのか。紙一重だからこそ人間というのは面白いのかも。
桃龍
3.5
今年は、ビートたけし原作の『アナログ』と、北野武原作の『首』が映画化されて大満足だったので、シメにこの作品を。
たけちゃんやっぱり才能あるなぁ。93年というと、平成教育委員会とか出ながら、『ソナチネ』を監督して、さらにこれだもん。
オウム真理教と言うよりは、統一教会タイプだな。というか知られてなかっただけで、すでに統一教会はこの時代、ひどい金集めを現実にやってたわけだ。
そんななかで真面目な玉置浩二の演技、いいね。

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