真っ黒こげ太郎

ヘル・レイザーの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ヘル・レイザー(1987年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

快楽と苦痛は紙一重!!!

しかし、どれもこれも苦痛しか感じそうにないと思うのは俺だけか?w



「それを解くことで究極の性的官能を体験できる」という、謎のボックスパズル”ルマルシャンの箱”。
フランク・コットンなる男がそのパズルを手に入れ、パズルを解いた瞬間箱の中から鎖が出てきて何かよう分からんがエライ事に!!!
そしてその日を境に、フランクは失踪する。


数年後、フランクの弟のラリーが妻のジュリアと共に家に越してきた。
だがジュリアはかつて恋人であるフランクに未練たらーりな状態だった。
そんなある日、ジュリアは屋根裏でぐちゃ味噌状態になっていたフランクに遭遇!!!
フランクは「血を吸えば身体が戻る、体を元に戻してくれ!!」とジュリアに頼みこんできた。
フランクのために男を誘惑して連れてきてぶっ殺し、フランクに血を与えまくるジュリア。

だがそのとんでもない殺人事件をジュリアの義理の娘、クリスティ(カースティ)が目撃!!
フランクに襲われるが、フランクが持っていた”ルマルシャンの箱”を奪って逃走。
その後”ルマルシャンの箱”を弄ると、偶然パズルが解けて異世界(ってか魔界)への門が開く!!!
そしてクリスティの前に”セノバイト”と呼ばれる魔導士達が現れる!!!
その”ルマルシャンの箱”は開けた物に”究極の快楽という名の究極の苦痛”を与える、SMの究極系な世界へと誘う地獄への入り口だったのだ!!!





”究極の快楽と苦痛”を与える世界への入り口となるボックスパズルを開け、魔界への扉が開くダーク・ファンタジー・ホラー。
人気シリーズ「ヘルレイザー」シリーズ一作目。
何でもホラー小説家のクライブ・バーカーさんの「ヘルバウンド・ハート」なる小説が原作らしい。
しかも映画監督でもあるクライブ・バーカーさんが自身が監督&脚本を手掛けたみたい。



80年代のホラー映画の代表作として人気の高い本作。
本作を知らない人でも今作の看板キャラ「ピンヘッド」の姿は知ってるって人も多いかもしれません。
(「キャビン」って映画にもモロにピンヘッドのパチモンが出てたし。)
ってか俺がそうだった。w

とにかくそんなこんなで人気の本作。
スプラッター映画探求の際徐々に気になってましたが、ようやっと観れました。



今作はヤバい世界への入り口になる箱を巡って、とある一家がすったもんだするお話。
実は今作の顔でもある魔導士達はあんまり出てこなかったりする。
その分後半やクライマックスでは「これでもか!」と言わんばかりに大活躍(?)するけど、基本主人公一家のすったもんだメイン。

しかしその分、彼らを取り巻くドラマもしっかりしていて面白い。
多少家族関係で説明不足な点も多々あるが、この一家が中々一筋縄ではいかない連中だけあって、意外とドラマ方面でも見応えアリ。
復活を望むクズ野郎丸出しなフランクに、彼の事で頭一杯になって必死に隠そうとするジュリア。
呑気すぎるフランクの弟のラリー。割と真っ当なホラー映画のヒロインなのに影が薄い(おい)クリスティ等、皆キャラが立ってる。

そして後半、遂に本作のお顔である魔導士達が大登場。
ピンヘッドを筆頭に、皆色んな意味で凄まじい造形!!!
個性的な連中が大量に出てくる様はインパクト抜群。(何か凄いエビみたいな奴もおる!w)
しかも「その箱明けたんだからこっちの世界に来んしゃい!」と思いっきり引きずり込む気満々!!!w
とにかくインパクト大な登場シーンで、その後もホラー映画界で人気になったのも頷ける圧倒的存在感でした。

そしてクライマックス、フランクが起こすすったもんだの果てに魔導士達が再登場し「これでもか!」と言わんばかりに大暴れ!
何故か家も大崩壊して(マジで何でだよw)、魔導士も襲い来る凄まじいクライマックスだ。
魔導士の襲撃方法がナイフや鎌だったり、割とアッサリ撃退(ってか退散)出来た事に関してはちょっと拍子抜けだったが。w
ラストの次の惨劇を感じさせる終わり方も良い。



今作はイギリス映画だからか、何と言うか全体的な雰囲気がお洒落。
後半の魔界世界もそうですが、そこに至るまでの一家のお引越し物語や日常光景も何処となくお洒落感が漂っていいね。
後半のダーク・ファンタジー感溢れる演出も見物です。

スプラッター描写もちゃんとあるが、本作はそれ以上に特殊メイクが冴え渡っている。
魔導士達のインパクト大の造形は勿論だが、特に男の肉体が再生してゆく描写が凄い。(液体が絡み合うのもグロくて最高!w)
無論スプラッター描写でも特殊メイクが振るっており、フックで全身を引っ張られたり、人体がパズルピースが如くバラバラになるシーンは良いグロ描写だ。


不満点としては、魔導士の出番が少なかったり、襲う場面が割とベタで面白みに欠ける事か。
後クライマックスで物凄いアッサリやられるのも問題か。(ガレキに巻き込まれアッサリやられた奴もいるwww)
後、前半は丁寧なドラマで進行してるが、昼ドラチックな不倫話だったりテンポがゆったり目なのは賛否が分かれそうです。



とは言え、面白い話に斬新で芸術的な映像、そして個性的なキャラの魅力爆発と、何処を取っても面白い芸術傑作ホラーでした。
流石に人気作品になるだけあって(爆)面白かったですぜ。オススメ!w


そういえば、本作は結構な数の続編が出てるんだが何処まで観りゃいいんだこれ。w
2~4までは数字ナンバリングだけど、そこからは英語タイトルになっててややこしい!w
まぁ、とりあえず適当に観てくか。w

後、最近はリブート化の企画まで進んでいるらしい、楽しみだ。