今から50年以上前なのにその時点で自殺が当たり前だったという時代背景にびっくり

やっぱりこの展開と演出は緊張感が途切れないですね、緊張感が持続すればするほど光り輝くストーリーなのでピッタリです

シドニー・ポワチエの演技は当然のように上手い、もはや上手いのが普通という悟りの境地に達した希有な役者の一人です

実話ベースのモノクロ・ドラマ

『手錠のままの脱獄』シドニー・ポワチエ
『奇跡の人』アン・バンクロフト

原題:The Slender Thread
心の叫び、尽きかけた命を、電話一本で繋ぎ止めるお話でした☆

人を救いたいという熱い想いと緊張感が持続する良作！



大学生のアラン(シドニー・ポワチエ)は、コバーン博士の事務所"いのちのダイヤル"でボランティアをしている。

ある晩、睡眠薬を大量に飲んだという女性(アン・バンクロフト)から電話がかかってきた。

アランは彼女を救おうと、話を聞き、場所を特定出来るよう誘導。

しかし、徐々に彼女の反応が悪くなってくる。

果たしてアランは、彼女を救うことが出来るのか？



それは言っちゃ駄目なのでは…w?!って暴言も吐きつつ、必死に彼女を救おうとするアランの姿に胸を打たれました☆

実話ベースだし、ほぼワンシチュなので地味な作品ではあります。
オチも想像はつくし。

が、過程が熱い！

今のようにネットや電話が発達していないので、逆探知等がとてもレトロ。
その分、人が動いて頭を使って、命を助ける。
この緊張感ある展開が良かった！

細いコード一本で、声で、気持ちで命を繋ぎ止める。
昔も今も、こういう活動をしている方々を尊敬します。

日本のいのちの電話もここまでするのかな。逆探知、居場所まで探し当て大勢(警官)が探しに行くんだろうか。アメリカでは一般的な仕組みなんだろうか。最初にこの設定が気になった。
心理学の学生ボランティア演じるポワチエが命の大切さを訴え続けるシドニー・ポラックの映画第１作目。

自殺を図ったインガ(アン・バンクロフト)の理屈があまりに身勝手で、病になる前から不思議な狂気の激しい攻撃的なリアクションが多く、苦手意識を持ってしまった。それに子どものことをいちばんに考えないのですね。子どもはもちろん、夫がかわいそう。実話とはいえ、脚本の問題な気がする。題材はいいのに残念。

ラストの２つのリアクションの内の１つ、胸をドラミングするのは今なら炎上必至。上映禁止。また、もう１つ、ポワチエが白人社会で優等生で白人を救ったとしても、あくまでも黒人として生きる姿を描き、実はそこがメッセージで焦点を当てていたなら、スコア上げました。しかし、これは副産物にみえたので、スコア下げました。


音楽はクインシー・ジョーンズ。