霧の夜の戦慄の作品情報・感想・評価

「霧の夜の戦慄」に投稿された感想・評価

hk

hkの感想・評価

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戦後、パーティーで酒と称してメタノールが振舞われたりと、時代を感じさせる。
自分の犯罪計画を授業の一環として教材として発表する一風変わったメタ構造。ただ、これってかなり宗教が関係してると思う。いわば、懺悔であり、後の手術は救済。医師との会話も宗教観の本音が見え隠れする。ラストは目には目をではなかろうか?
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〖霧の夜の戦慄〗
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久々にTSUTAYAの発掘良品より。
モノクロ古典サスペンスやっぱりいい。じわじわ迫り来る心理的なホラー要素が素晴らしい。
モノクロサスペンスといっても40年代だから、複雑で技巧を凝らす50年代以降とは若干テイストは異なるんだけど、1940年代の英国っていうとヒッチも活躍したサスペンス世代ですから、現代とは一線を画すアナログ感がいいんですよね。

ただ、序盤、中盤の作りがしっかりしていて惹き込まれて言うことなしなのに対し、ラストが失速というか、疲れ果てて投げやりに終わらせた感じが否めない。その点についてレビューするので、ネタバレアウトな方は読まないでくださいね。

ストーリーは、大学の教室で講師がとある授業をはじめるシーンで幕を明ける。犯罪心理学を説く彼は、とある男の完全犯罪について話し始める。
この回想劇のなかで、ひとつの死が起こる。それについてのミステリー感もいいし、それが回想空間ということは現実空間に戻った時に、さらに何か起こるんじゃないかという二重の楽しみが生まれる。

回想のなかの主人公と語り手の講師が同一人物であるということがしだいにわかっていくのだけど、講義終了後面白いですよね。講師と生徒のやりとり、講師の車に女性がふらりと乗り込んでくるシーンで、〖ローラ殺人事件〗や〖ゴーン・ガール〗に見る折り返し地点での大胆な転調を感じる。
そして、現実空間で先程見た回想空間とおなじショットが登場するのだけど、回想からのリアリティ映像という逆転構成なのが面白い。

中盤、ふたつめの死が起こるくだりもヒッチコックを彷彿とさせ、鍵の使い方なんて、〖死刑台のエレベーター〗序盤のひりひり感を思い出させてくれてすごくいいのに。
終盤のつまらなさ。あれを美徳としてのエンディングなのかもしれないけれど、中盤までよかっただけに尻すぼみしたような気分。

メニュー画面もなぜかタイトル間違ってるし(こんなことってある?)、いろんな意味でちょっと残念ですけど古典ノワールを充分に楽しめました。二級の〖死刑台のエレベーター〗と言ったところですかね。
マコ

マコの感想・評価

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ザ・昔のサスペンス映画という感じが良かった。古い推理小説に怪奇モノのエッセンスを足したみたいな。というか、同じような設定をクリスティーの火曜クラブで読んだ。
18031「霧の夜の戦慄」
TSUTAYAさんの「発掘良品」から。
当時としては、斬新な内容やったんかな?
実はあのままスッと終わるのかと思ってたけど、最後、一波乱ありましたねえ。
中々粋な先生でしたなあ、あの老先生。
医者としてはどうかと思うけど(^◇^;)
ジェームズメイソンが出てるだけで胸熱なサスペンスです。
古典サスペンスということもあるのか、謎解きはかなりシンプル。
麻酔なしでの手術は痛そう。
1947年イギリス製作モノクロサスペンス☆

TSUTAYA発掘良品で見つけました。

犯罪心理学の講師が…という触れ込みだったのですが、ほぼ扱わない(泣)
「クリミナル・マインド」が好き過ぎて、ロバート・K・レスラーや越智啓太を読み漁っていたので、ちょっと残念でした。

オチも読めてしまうし、意外性はありませんが、丁寧な描き方は良かったと思います♪



ある講師が、大学で犯罪心理学を教えている。
本日の課題は"社会的地位のある人間の殺人心理"。
講師は仮名を使い、例え話を始めた…

医師マイケルは、患者の母親エマに恋をした。
しかしある日、彼女が自室の窓から落ちて死亡したと告げられる。
果たしてそれは事故なのか?自殺なのか?それとも殺人なのか??

真相を探り当てたマイケルが取った行動とは……



異常と正常は紙一重。
完全犯罪は難しい。
正しいとは何か。

そんなお話でした。

偏執病者の描写くらいしか心理学的な話が出なかったのが残念。
それくらい知ってるしw

お芝居もどこかオーバーアクション…まぁこれは時代のせいかな。

イギリス訛りは素敵でした☆

このレビューはネタバレを含みます

・大学の講義で教授が語った完全犯罪の内容は自身がこれから犯す犯罪のプランだった!?
・理想と現実で齟齬が起こるのはリアルだった
・死体を後部座席にのせて霧のなか車を走らせる辺りから緊張感が増して面白くなった
・やる気のない老医者に対して少女の手術を遂行する主人公のアンバランスな行動がラストの自殺に至るのだとしたら切ない
shogo

shogoの感想・評価

3.5
大学の講義で披露した一説は、実は自身がこれから起こそうとする復讐の理想の形だった。さらにそれが理想と現実では大きく結果が異なっているのが興味深い。

殺人を犯したあとに、一命を救うという真逆の行為をしてしまう主人公の精神状態が非常に不安定であり、異常であると結論を自ら導き出し絶命していく終焉はあまりにも無常だ。

復讐はきっかけに過ぎず、真意がどこにあるのかを最終的に見出すことが重要な鍵であるように思えた。
こぅ

こぅの感想・評価

3.2
ローレンス・ハンティントン監督のイギリス産
【ラヴ・サスペンス】。

講師(ジェームス・メイソン)は大学で週一、
犯罪心理学の講義をしている。今回は【強い
正義感の持ち主、正気の犯罪者】の例だと語り
始める…。
脳外科医マイケル・ジョイス(仮名)は、ある日、
患者で、失明しそうな娘アン(アン・スティー
ヴンス)と 母エマ(ロザムンド・ジョン)母娘と
親しくなり、母エマと恋仲になるが、既婚で娘
を思うと離婚は難しく断念したエマが数日後…。

誰もが犯人の察しはつくし、本作のウリは講師の
話す犯罪者の犯行の映像化(回想)と講義後の
後半の現在の犯行を見せる【2プロット構成】と
【意外に珍しい結末】だ。

犯人の感情が終始出ていない為(無表情、冷静
沈着)、犯罪に至る過程、或いは結末に説得力の
弱い、印象の薄い仕上がりになってしまっている。

やはり完全犯罪は難しいし、いくら正義を掲げて
も犯罪者に正常者はいないだろう。
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