プロの逃がし屋と執念の刑事の対決を描いたカーアクション作品。
ライアン・オニールが主演、イザベル・アジャーニがヒロインを演じ、ブルース・ダーンらが共演。

カウボーイと呼ばれる一度も捕まったことがない強盗の逃走を請け負う凄腕ドライバー（ライアン・オニール）。
今回も、カジノ強盗犯の逃走を助け、パトカーを振り切りって逃げ切る。
警察（ブルース・ダーン）は彼を捕まえるために、恩赦を条件に強盗グループと組んで罠を仕掛ける。
果たして、ドライバーの運命は？

凄腕ドライバーの逃走劇を描いたカーアクション作品で、作品早々から繰り広げられるテクニックベースのカーアクションが見どころです。　
ライアン・オニールが演じる寡黙なドライバーが、渋くて魅力的。
ヒロイン役のイザベル・アジャーニもクールです。
ラストの絶体絶命のオチが秀逸です！
「二人ともしてやられたのさ　世の中悪党が多いよ」

2023.10 テレ東で鑑賞（サタシネ・吹替：宇津木道子 訳）
2023.7 BS-TBSで鑑賞（土曜映画デラックス・吹替）
2020.6 BS-TBSで鑑賞（吹替）

• #カウボーイ
• #カジノ強盗
• #ブルーのフォード車
• #アリバイの偽証
• #両替の女
• #駅のロッカー
• #ロッカーわきのコーヒースタンド
• #Amtrak
• #赤いトラック

【カウボーイ、夜を切り裂く】

冒頭のカーチェイス。
夜の闇を照らすパトランプ。
軋む車体は夜を切り裂く。

ザ・ドライバー。
彼は車に乗ったカウボーイ。
いや…カーボーイ。

ザ・ディテクティブ。
星を挙げるためなら魂も売る。
夜に迫る暴走する正義。

ザ・プレイヤー。
夜を彩る美貌。
危険な賭けに相乗りする。

格好良い…溜息が出るほどに。

「ドライヴ」の静の熱量。
「ベイビードライバー」の躍動。
そのDNAはここから後世に受け継がれた。

記号的すぎる名前は夜や闇に紛れて本作を彩るシルバーに光る宝石たち。主人公の仕事への信念、刑事の剥き出しになる正義、ノワールな世界に加担する美貌。一瞬の煌めきが銃声になって轟くシーンや、その一瞬で灯ったフロントライトが加速し生の度胸試しで正面からの勝負を挑むドライバーの狂気的信念はまさに西部劇のガンマンを現代に蘇らせた。ライアン・オニールのワイシャツから垣間見える胸板のセクシーさ、サングラスに隠した表情のエロス…これはヒロインの美貌と結合し爆発的な魅力になる。ドライバーがいけ好かない強盗の車をボコボコにして実力を認めさせ、仕事を断る偏屈で縛られることのないダークヒーロー性が堪らない。それに相対する刑事の法を無視した囮捜査も本作のダークさとして対等に湧き上がってきてラストシーンの決まり具合を高いところ押し上げる。クライマックスの木材工場内での静の決闘シーンから一瞬に加速して正面から勝負する西部劇の“決闘”シーンは、もう最高…最高だよ、ホント。

無駄がない。愛想もない。男も女もクールで痺れる90分だった。
古い映画だけどプロ同士のカーチェイスはたまらんな～。
夜の街のカラーセンスといい、タイトルまでもが至極シンプルなハードボイルド感といい、確かに『ドライヴ』への影響を感じます。