🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-442 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-576

🖋 大巨匠ジョン・フォード監督と名コンビのジョン・ウェイン主演で贈る不朽の名作。公開当時は興行的には成功しなかったのですが、年を経るにつれ再評価の機運が高まり、現在ではフォード監督の西部劇『駅馬車』『荒野の決闘」』を凌ぐ代表作として、また西部劇映画を代表する傑作として高く評価されている作品なんですね！！

🖋西部劇にありがちな先住民であるネイティブ・アメリカンを敵視・憎悪すること自体が賛否両論に分かれるところですが、本作はよりそれが強烈。本作が評価されている一つの要素として、主演のジョン・ウェイン演じる主人公イーサン・エドワーズがネィティヴ・アメリカンを異様なまでに憎悪するアンチ・ヒーローとして描かれている点にあります。これは後の映画に多くの影響を与えました。『タクシードライバー』のトラヴィス・ビックルらアンチヒーローたちの造形に強く影響したと言われているんですね。

🖋次に評価される要素として、カメラマンのウィントン・C・ホック鮮やかな風景美がほんと素晴らしいです。作中で雄大なモニュメント・バレーを写し撮ったカメラワークは絶品！！

🖋さらに映画史上有名なラストシーンの一つとして有名な室内からのドアの間口越しの構図。これも後の映画に多くの影響を与えたんですね。

🖋物語は、南北戦争が終わって3年後に故郷に戻って来た男がコマンチ族によって兄夫婦が殺され、そして連れ去られた姪を救出するための旅を続ける姿を詩情豊かに描いている作品のです。終盤になってからナタリー・ウッドを観られるのもプラス加点ですね！！

😌Story:（参考: Amazon）
南北戦争が終結。一匹狼のイーサンはテキサスの兄の家を訪れる。しかし、愛する兄と義姉はコマンチ族に虐殺され、その娘たちまでもさらわれてしまう。復讐を心に誓いイーサンは、仲間と共に捜索の旅に出る!

🔸Database🔸
・邦題 :『捜索者』
・原題 :『The Searchers』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1956
・日本公開 : 1956/08/23
・上映時間 : 117分
・受賞 : ※※※
・監督 : ジョン・フォード
・脚本 : フランク・S・ヌージェント
・原作 : ※※※
・撮影 : ウィントン・C・ホック
・音楽 : マックス・スタイナー
・出演 : ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター、ヴェラ・マイルズ、ナタリー・ウッド

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
久方ぶりにジョン・フォードが取組む西部の叙事詩。廣野を背景に、深い愛情を呵責ない非情で包む西部男の物語。サタデー・イヴニング・ポスト誌連載、アラン・ルメイ原作“復讐するテキサス人”を「ミスタア・ロバーツ」のフランク・Ｓ・ニュージェントが脚色、「ミスタア・ロバーツ」に続きジョン・フォードが監督、ウィントン・Ｃ・ホックが撮影を担当。主演は「中共脱出」のジョン・ウェイン、「白い羽根」のジェフリー・ハンター、「フェザー河の襲撃」のヴェラ・マイルズ、「理由なき反抗」のナタリー・ウッド、他にフォード一家のワード・ボンド、ハリー・ケイリー・ジュニア、ジョン・ウェインの息子パトリック・ウェイン等が助演。

• #死ぬまでに観たい映画1001本

白人による身勝手な復讐劇を描いた西部劇。
ジョン・フォードが監督を務め、ジョン・ウェインが主演、ジェフリー・ハンター、ワード・ボンドらが共演、べラ・マイルズがヒロインを演じる。

舞台は1868年のテキサス。
南北戦争終結により、イーサン・エドワーズ（ジョン・ウェイン）が、テキサスに住む弟アーロンの家を訪ねてくる。
そんな折、牧師でもあるテキサス警備隊のサム・クレイトン大尉（ワード・ボンド）らがやって来て、先住民に盗まれた牛を探しに行くので同行するように声をかける。
イーサンと甥の混血青年マーティン（ジェフリー・ハンター）が一行に加わるが、彼らが家を留守にしている間にコマンチ族がアーロン一家を襲撃し、二人の姪が誘拐され、他は皆殺しにされてしまう。
犯人はナイヤキ・コマンチ族のスカーことシカトリスの一団。
イーサンとマーティンは復讐と二人の姪を助ける為にコマンチ族を追撃するが…

5年にも及ぶ二人によるコマンチ族の追跡が執念深い。
もとはと言えば、コマンチ族の戦士スカーの2人の息子を、白人が殺しことが事件の発端。
ジョン・フォード監督は白人と先住民との関係を中立の立場で描くことで有名ですが、本作でも悪いのはやはり白人で、白人の傲慢と偏見が醜い。
さらに主人公のイーサンは先住民に対して偏見と敵意丸出しで、誘拐されてコマンチ族に育てられた姪までも殺そうとする。
本作は扉を開くシーンで始まり、扉を閉めるシーンでエンディングとなる演出が印象的。
メイン舞台であるモニュメントバレーの壮大な景観が素晴らしく、雪で覆われたシーンもあり、雪の西部劇が珍しい。
差別と偏見に満ちたアメリカ白人の自己中心的な正義が滑稽に思える作品です。　　

2023.8　NHK BSで鑑賞（BSプレミアム・字幕：佐藤一公）
2021.2　NHK BSで鑑賞（BSプレミアム・字幕）

• #テキサス警備隊
• #貿易商ファターマン
• #人形のトプシー
• #ナイヤキ・コマンチ
• #結婚式

“That’ll be the day”

コマンチ族に弟一家を殺され、二人の姪を拐われてしまったイーサン(ウェイン)は復讐の鬼となり、捜索の旅へ出た。
そして、ようやく姪のデビー(ウッド)を見付けるが、なんと彼女は…。

アメリカ映画における“最も偉大な西部劇第１位”に選出されたジョン・フォード×ジョン・ウェインの名作。
公開当時は“失敗作”扱いだった本作が、なぜ“最も偉大な西部劇”として再評価を受けることになったのか。
それは、のちにフォード“チルドレン”となるスピルバーグやコッポラ、レオーネやスコセッシらのリスペクトにある。
ウェイン演じるイーサンの先住民に対する異常なまでの憎悪と執着は『タクシードライバー』の主人公トラヴィスへ、またそのプロットは『地獄の黙示録』など多数の作品に影響を与えた。
また、筆者の愛してやまない50年代のロックンローラー、バディ・ホリーの名曲♪That’ll be the dayは、劇中何度も繰り返されるイーサンの台詞から引用されたのは有名だ。

“西部劇の神様”と呼ばれるフォードの相変わらず計算し尽くされたキャメラワークやアングルは流石で、特にオープニングとエンディングを飾る扉越しの構図は身震いするほど素晴らしい。

詩情豊かな映像美はそのままに、これまで描いてきた西部男の情感は一旦伏せ、執念や復讐といったある種人間の持つ感情の裏側を鋭く描き切っている。

26 2021