しがないストリップバーで知り合った二人が偶発的に生まれたどつき漫才でスターの座へのし上がる。その国民的人気に伴いコンビ間で死ぬほど嫉妬し合うブラックコメディ。　

20年もの間人生を懸けて相方への嫌がらせをやる辺り殺したいほどアイ・ラブ・ユー丸わかりなのに、ドリルで足に穴を開けたり家を放火したり機関銃をぶっ放したり。とことんガチの殺し合いで究極にどつき合ってるのがマジでイカれてる。
それでいて、それぞれが別の相方探しオーディションでキレ散らかしながら忌み嫌う相方を無意識に褒め称えてるのがクソ泣ける。

こんなスーパー愛憎劇が本国スペインではタイタニック超えの興業収入ってのが情熱の国って感じがするね。知らんけど。「どつかれて浅草」でおぼんこぼんバージョンが作れそう。

誰がここまでやれって言った系の映画。
久々にブラックユーモア成分が強すぎる映画を観たし、こう言うの嫌いなんだなって再認識した。
邦題は(仮)まで含めての邦題らしいが、これが削除し忘れのせいってところが笑える。

70年代のアンダルシアの片田舎で、それほど運命的でない出会いをした痩せ男とデブ男。
ひょんなことからコンビを組んで芸人になるが、下手くそな歌手もどきだったデブの方はあがりっぱなしで台詞も言えず、痩せの方がデブをどついた様が芸としてウケて、スターダムへ。

でもこんなウケ方でデブの方が納得するはずもなく、もともと強い絆で結ばれていたわけでもない二人の仲は芸事以外では全く噛み合わず、嫌悪から憎悪へと発展して、代わる代わる立場の不沈も繰り返すし、お互いを陥れようとする際の執念も引くほどヤバい。
スペイン現代史の重要な出来事に彼らを挿入させて描いているのに、二人の憎悪のぶつかり合いが凄まじすぎてそっちはあんまり入ってこない。

ラストにはカタルシスがあるものの、それでもやっぱり自分はこのテのジャンルは苦手です。

ブラックユーモア万歳



静岡サールナートホールにて
2001.10/15 91本目

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