脚本と演出が上手ければもっと良作になっていたと思われ、色々と勿体ない。

猟奇殺人・怪死事件が立て続けに起こり、事件の真相解明に挑む二人の刑事・・。ストーリーのテンポが悪く、ちとダルい。

刑事役のヨム・ジョンアと、本作が映画初出演にして大抜擢のチ・ジニの演技があまりにも大根に見えてしまう演出も残念。オチを鑑みれば、あえて表情が乏しい演技を監督は要求したのかもしれないが、そのオチ自体が中盤で読めてしまうし、真相解明後の説明がほぼほぼ皆無なので、二人の役者の救いにはなっていない。

本作の後に二人が共演した「なつかしの庭」では共に心に沁みる良い芝居を見せてくれており演技力は確かな筈なので、やはり勿体ないとしか言えない。

自分が前職で韓国の俳優さんでは、「冬のソナタ」ブレイク直後のパク・ヨンハ、ペ・ヨンジュン主演映画「スキャンダル」出演以降あまり活躍ぶりが聞こえず寂しい限りだのチョ・ヒョンジェ、そして「チャングムの誓い」出演直前のこのチ・ジニのお三方だけと仕事をしたことがあるが（通訳を介しての「こんにちわ。お世話になります」程度の挨拶のみ・・）、2000年代初期の日本の同世代の俳優さんと比較してもチ・ジニはダントツ役者としてのオーラもあったし、当時からカッコよかった。元々は裏方さん出身なのでスタッフへの気遣いもある素晴らしい人柄だった記憶もあるのでずっと応援しているのだが、映画俳優としては、なかなか作品には恵まれていない感。

「パラレルライフ」の役どころやドンデン返しも、本作を観た後だと結局のところ二番煎じなんだよね。「チャングム」を未鑑賞（韓国連続ドラマはネトフリの全10話程度が自分には限界）の自分にはチ・ジニ主演で一番好きな映画作品は今のところ「なつかしの庭」かなあ。

本作のエンディングの二段オチも蛇足。

また、死体の描写は多少グロく、ヨム・ジョンアも出演している「カル」に似た世界観ではあるものの、Filmarksでのカテゴライズがホラーとなっているのは間違い。サイコスリラーが正解なんじゃないかな。

当時のサイコスリラーブームに乗った韓国版『セブン』といったところか。
非常に黒沢清監督の『CURE』の雰囲気に似ています…(;o;)
いろんな猟奇殺人ものをパクって韓国風にした作品。おちも観てるとなんとなく分かってしまったが自分なりには結構楽しめました。

ある雨の日。ゴミ捨て場で女子高校生の死体が発見された。妊娠中だった被害者の体内からは胎児が引きずり出されていた。1ヵ月後、今度はバスの中で腹部を引き裂かれた臨月の女性の死体が発見される。どちらの犯行も1年前の連続猟奇殺人事件によく似ていた。それは、6件の殺人事件で、犯人シン・ヒョンは6人目の死体を持って警察に自首、現在は刑務所に収監中だった。今回の事件を担当する女性刑事キム・ミヨンとその相棒カン・テヒョン刑事は、模倣犯のしわざと睨み、事件の真相を探るためシン・ヒョンとの面会を試みるのだったが…。

犯人に情報を聞き出すため面会するところなんか『羊たちの沈黙』のパクりですが、韓国ぽくて楽しかったです。

2002年の製作。
韓国映画の大変換期の一作です。
「シュリ」が1999年、「JSA」が2000年に製作されました。
この「H」はノワールの先駆的映画！
「殺人の追憶」は翌2003年です。

すごく言い方難しいんですけれど・・。
完成度って意味ではちょっとなー。

役者の演技力、あるいは制作側の演出力？
そして単純に人間やモノだけの画角にしてしまう撮影。
結果たくさんの画がとても説明的なものになってしまいました。
ストーリー的には堤幸彦？フィンチャー？シャマラン？黒澤清？

とは言え、ここから約20年に渡り、韓国映画の特徴として育った『ノワール』分野のファーストランナーという意義は大きいですよね。

観て良かったです‼️


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• #韓国^_^