探っちゃいけないのは人の心と井戸の中
揺れ動いたら戻らないのが開いた井戸の水面と人の心
対照的な中年女のただの愛憎劇と思うことなかれ
大金 死体 井戸 見事なまでに計算された隠喩のアンサンブルが ２人の心の波紋と完璧に調和している…んだけど…だけれども…
どちらの視点で観てどちらに同調するか どの真相の追求に執着するかで 180度理解が変わってしまいそうな ある意味で最も"危険な委ね方"をしてくる大問題作な気がしてならない

全体的に中途半端な印象を受けた。
芸術系の作品にしたいのか、サスペンス系の作品にしたいのか、はたまた純文学的な作品にしたいのか分からない。
その三つの間をウロウロしている感じ。
それ故にどちらの要素も弱く、物足りない作品になってしまっている。
もっと良くできたと思う。

【人間は裏切るがお金は裏切らない虚しい世の常】
意味ありげなジャケット写真と邦題から百合的な何かを期待して鑑賞いたしました。
結果、百合ではございませんでした。
女子同士の共同生活というソフトな百合をギリギリかすめた設定ではありましたけども。

終始ブルーのフィルターがかかった画面。
すごく爽やかで綺麗。
閉鎖的な環境で生きる女性ヘスターさんが奔放な女の子キャサリンさんと出逢い、その子を住み込みの家政婦として迎え入れる。
孤独を抱えたヘスターさんがキャサリンさんに依存して行く描写が痛々しくて良かったです。

ストーリーは特に驚くような展開もなく。
中盤の事件はよくある人怖ものだった。
キャサリンさんの起こした"あやまち"の尻拭いまでしてあげたのに最後にあっさり裏切られるヘスターさん。
例え自分が愛して縋り付いても、相手は自分と同じ熱量で好いてくれる訳ではない…みたいな残酷な温度差。
その理不尽で悔しいラストが凄く好みでした。

• #人怖
• #不条理
• #同一視
• #赤毛
• #90s
• #Toineとメンヘラ
• #Toineの感想文