一応、内容も解説しましょう。テーマは「人生甘くない(Life is not candy mountain)」です。音楽業界でビッグになりたい主人公のユリウス(ケヴィン・J・オコナー)が金で雇われて伝説のギター職人であるエルモア・シルク(ハリス・ユーリン)を探しにいくロードムービーです。見どころは随所に登場する上記のアーティスト。
ロバート・フランクの映画作品は"Robert Frank: The Complete Film Works"でDVDになっていますが、ほぼ絶版で値段が釣り上がってしまっています。本作はフランス版のDVDが比較的廉価で買えたのでラッキーでした。ロバート・フランクの映画作品はもっと入手しやすくならないかなあ。もちろん、写真も素晴らしいのですが!
ロバート・フランクは写真集「アメリカ人」を出版する際にジャック・ケルアックと出会って序文を書いてもらった。その後、彼が脚本を務めた短編『Pull My Daisy』を制作 している。それを踏まえた上で、『キャンディ・マウンテン』を観ると、どこか「オン・ザ・ロード」を彷彿とさせるドラマとなっている。売れない、イキりミュージシャン。彼は売り込みに行くものの、「うぜーな、明日事務所に来い!」と遇らわれる。恰好だけが取り柄の彼が伝説のギター職人エルモア・シルクを見つけられれば、人生が変わるのかもしれないと旅を始める。