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キャンディ・マウンテン
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『キャンディ・マウンテン』に投稿された感想・評価

アメリカで最も偉大な写真家の一人ロバート・フランクが手掛けた映画作品の一つです。『断絶』(1971年)や『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』(1973年)の脚本家としても有名なルディ・ワーリッツァーが共同監督。

本作はかなり人を選ぶ作品となっています。アート・リンゼイ、ジョー・ストラマー、デヴィッド・ヨハンセン(ニューヨーク・ドールズ)、トム・ウェイツ、ドクター・ジョン、レオン・レッドボーン。これらの名前を見て「ワオ!すげえメンツだ!」と思った人にとっては永遠の友となれる作品だと思います。逆に、これらの名前を見てピンとこない人にとってはどうでもいいクズのような映画だと思います。なぜなら、彼らを観る映画だからです!

いきなりアート・リンゼイとジョー・ストラマーのセッションですよ。ギターをかき鳴らすジョー・ストラマーと帽子立てをガンガン叩くアート・リンゼイ。カッコイイ!トム・ウェイツは金持ちのオジサン役でポロシャツを着てゴルフのパッティングの練習してます。似合わない!それでも、結局は酒を飲んでピアノを弾く。カッコイイ!レオン・レッドボーンって知る人ぞ知るアーティストでめっちゃ好きなんですが、動いているのって本作でしか見たことない!

一応、内容も解説しましょう。テーマは「人生甘くない(Life is not candy mountain)」です。音楽業界でビッグになりたい主人公のユリウス(ケヴィン・J・オコナー)が金で雇われて伝説のギター職人であるエルモア・シルク(ハリス・ユーリン)を探しにいくロードムービーです。見どころは随所に登場する上記のアーティスト。

作品の雰囲気としてはルディ・ワーリッツァーっぽい。『断絶』や『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』に『ウォーカー』(1987年)のような土臭さが出ています。それにしても、ルディ・ワーリッツァーっていい監督のいい作品の脚本を書いてるなあ。

ロバート・フランクの映画作品は"Robert Frank: The Complete Film Works"でDVDになっていますが、ほぼ絶版で値段が釣り上がってしまっています。本作はフランス版のDVDが比較的廉価で買えたのでラッキーでした。ロバート・フランクの映画作品はもっと入手しやすくならないかなあ。もちろん、写真も素晴らしいのですが!
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【ロバート・フランクの「オン・ザ・ロード」】
写真家ロバート・フランクが『断絶』の脚本を手がけたルディ・ワーリッツァーと撮った『キャンディ・マウンテン』。以前、clubhouseでオススメされた。ついに遭遇したので観てみたらかなり面白かった。

ロバート・フランクは写真集「アメリカ人」を出版する際にジャック・ケルアックと出会って序文を書いてもらった。その後、彼が脚本を務めた短編『Pull My Daisy』を制作
している。それを踏まえた上で、『キャンディ・マウンテン』を観ると、どこか「オン・ザ・ロード」を彷彿とさせるドラマとなっている。売れない、イキりミュージシャン。彼は売り込みに行くものの、「うぜーな、明日事務所に来い!」と遇らわれる。恰好だけが取り柄の彼が伝説のギター職人エルモア・シルクを見つけられれば、人生が変わるのかもしれないと旅を始める。

「オン・ザ・ロード」では、サルがカリスマ性を持った男ディーンに羨望の眼差しを向け、路上を疾走する中でいつの間にか、彼は家族を持ち、路上を卒業してしまう物語であった。本作も、路上のグダグダな旅を通じて現実に直面していく物語となっている。写真家が映画を撮ると、『仕事と日(塩尻たよこと塩谷の谷間で)』のアンダース・エドストロームや『RAY&LIZ』のリチャード・ビリンガムのように静の構図に被写体を押し込める傾向がある。

一方で、ロバート・フランクのカメラはよく動く。冒頭からして、ビルの中を360度パンしながら、とある日常を絵巻のように捉えていく。狭い部屋の中も、カメラを回転させながら、奥行きの深度を変更していく。車と共に横移動する。とにかくカメラが動き回るのである。そして、静の構図も、ベタでありながら絶妙な距離感となっており、車内から撮る正面ショット、少し窓から身を乗り出して撮る構図が美しい。車をいかにカッコよく撮るかに拘った撮影が観られるので魂揺さぶられる。

映画はケルアックの小説のように、唐突に感傷的に終わる。彼の前に現れる謎のギター。それはイキりギタリストである主人公そのものを象徴しており、味わい深い着地点となっていた。東京都写真美術館で上映されてほしい、いやロバート・フランク特集をやってほしいなと強く感じたのであった。
Jimmy

Jimmyの感想・評価

1.5
日本初公開時(1990年12月1日)、渋谷シネマライズで鑑賞。(800円)。

映画の日だったが、渋谷を歩いていて、暇だったので何気なく観た映画。

この作品、ロードムービーだったという記憶があるのだが、面白かったという印象もなく、観直す気にはならない。

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