白樺の林を配信している動画配信サービス

『白樺の林』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

白樺の林
動画配信は2025年7月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『白樺の林』に投稿された感想・評価

[見事な逆光&光量のなさで白樺の幹が真っ黒] 30点

白樺の林なんてモノクロでもカラーでも対応できるし、世界で一番フォトジェニックなスポットだろと思っていたら、見事な逆光&光量のなさで最早幹が真っ黒だったオープニングで私の関心は死滅した。ワイダの映画ってザ・岩波系のお文芸映画だから、つまらない作品は本当につまらないし、動き(人々の実際の動きから心や感情の動きまで)のない映画は観ていて辛いものがある。『大理石の男』は最高に面白いんだけどなぁ。

1930年代の田舎の森(白樺の森)にて、森林管理人のボレクの元に、スイスから弟スタシオが帰ってくるところから始まる。スタシオは肺を患ったらしく、スイスでは治らないと言われて、故郷に戻ってきたのだ。最期の日々を楽しく過ごそうとやたら明るいスタシオに対し、愛していた妻を失ったばかりのボレクは情緒不安定レベルに感情は振り切れている。

死にゆく生者と生ける屍、という『野いちご』みたいなテーマだが、肺を患ったにしては激しく運動し、喫煙までしているスタシオは異常に生気に満ち溢れている。確かにすぐにキレて陰鬱そうな顔してるボレクとの対比なのかもしれんが、どうも元気そうに見えて仕方がない。しかも、彼が外ではしゃぐシーンは色付いており、逆にボレクの周りは暗いという映像的な対比までやってのける。ボレクは妻を自身の管理する白樺の森に埋めたのだが、結局一番重要かつ魅せなくてはいけない白樺の林が、上記のように見事な逆光&光量のなさで色がほぼなかったのも全くいただけない。

そして、ここに森で働いているマリーナという若い女性が恋の三角関係として乱入する。彼女には婚約者がいるが、婚約者は以前ボレクの妻と不倫していたらしく、ボレクも妻に執着しつつマリーナと寝ようとしたり追っかけ回したりしていて意味が分からん。スタシオもマリーナに惚れて草原で遊んだり納屋で寝たりするが、結局物語の推進役を担っていただけで、主題には全く絡んでこないのが謎すぎる。

結局スタシオは亡くなり、ボレクは妻の隣に彼を葬る。そして、自分も吹っ切れて管理人を止めて森から立ち去るというラスト。死にゆく生者は死に、生ける屍は生きる活力を取り戻した、という"そうですか"って感じのラスト。描写なり挿話なりが色々と弱すぎた先の無難な締め。あんまり乗り気じゃなかったのか?

ショットも色々雑で、カメラマンのやる気があるのか問いたくなるようなシーンも散見された。一番ひどかったのは、スタシオが死に際に窓を開けると、逆めまいショットで外の世界が近付いて広がるシーンがあるのだが、ズームリングを手で回したのか知らんが途中スムーズに進まなくなる部分があって爆笑した。諦めんなよ。

退屈の退に退屈の屈と書いて退屈と読むタイプの映画。途中で気が狂うかと思った。ワイダの摂取量は月一くらいがちょうどいいのでは。
撮影者の影の映り込みを気にしない。俳優の演技を優先したのだろうか。
そして発生源を認められない紫の光が何度も現れる。結核による顔色と吐かれる血の色。

『白樺の林』に似ている作品