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夫婦
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『夫婦』に投稿された感想・評価

『めし』-『夫婦』-『山の音』ライン。最高。
Jimmy
4.3
シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞🎥
今回の成瀬巳喜男監督特集上映で唯一の未見作だったので観に行ったら、とっても楽しい映画だった😊

冒頭は杉葉子が友人二人とデパート屋上で楽しく過ごしている場面から始まり、場所が変わって、鰻屋をしている一家が映され、長男=茂吉(小林桂樹)が結納準備をしていて結婚するらしい。鰻屋の店を手伝っているのは茂吉と次女(岡田茉莉子…若い!)である。
そんな時に、地方勤務していたサラリーマン中原伊作(上原謙)と妻(杉葉子)が東京勤務となって帰ってくる。しかし、夫婦の住まいがなかなか見つからず、最近妻を亡くした伊作の同僚=武村(三國連太郎)が一人住まいなので、武村の家に伊作夫妻が移り住む。
すると、武村は「大恋愛の末に結婚して愛していた妻に先立たれて失意のどん底」だったのが、伊作の妻=杉葉子の家事する姿を見て、同僚の妻に好意を抱くようになる。
伊作夫妻は結婚6年目だかで倦怠期の夫婦だったが、自分の妻が同僚=武村を甲斐甲斐しく世話しているのを見ると嫉妬を覚えるのだった😆笑
また、妻に先立たれて失意のどん底だった三國連太郎などは、杉葉子に好意を抱くようになってから、亡くなった妻の写真を飾らなくなる……など気持ちの切り替えが早すぎ🤣笑
そんな状況で、上原謙も会社の事務職女性と二人きりで出かけたり……と「さすが、モテ男!」の感あり(😄笑
それで、この夫婦はどうなるの?……という楽しみを抱きながら「終」まで様々な展開を見せる見事な映画だった🤗

成瀬巳喜男監督作品は、新文芸坐とか神保町シアターで結構観て来たが、本作のような楽しい映画がまだあるので、残りの作品も追いかけて鑑賞したいと思う。

<映倫No.892>

上原謙と杉葉子の夫婦は上原の転勤によって田舎から東京に出てきており、上原の同僚の三國連太郎の部屋に間借りさせてもらうことになる。新たな生活の中で2人の関係にズレが生じ始める。

題名の通り夫婦の危機を描く。成瀬巳喜男の作品では本作の2年前に『めし』で同じく上原謙が夫役で妻を原節子で夫婦の危機を題材にしている。同じ年に『妻』でも上原を夫役にしてやはり倦怠期の夫婦を主題にしている。この作品では三國も出演している。

妻に先立たれて1人静かに暮らしてる三國は密かに杉に思いを寄せ始める。三國は会社の女の子たちからも人気で上原にとっては少し面白くない。やがて上原と杉の溝は深まりかけるが、新しい部屋が見つかり三國の家を去ることになる。すると関係は修復されるかに見えてそこで唐突に杉の妊娠の話が持ち上がる。子供ができれば新しい部屋から出ていかなければならない。上原は堕ろすように迫る。2人は産婦人科の前までやってくるも思いとどまり、子供を育てていく道を選ぶ。

杉葉子も出演している『妻の心』では妻の高峰が三船に思いを寄せるというような本作と似た展開がある。本作では子供を2人で育てるということで夫婦の関係が修復されるというラストになっている。『妻の心』では夫婦が念願の喫茶店を開くという一つの共同作業によって関係の修復を図る。成瀬映画における夫婦の関係の再生とは単なる仲直りではなく、同じ道を進むという手段しかないという状況に持っていくことでケリがつく。人生に互いの心を思いやる円満な解決というのはなく、夫婦共同で何かに没頭することで時をやり過ごすいう手段しかないと成瀬は言っているようだ。

自らの生き方に鎖をつなげて制限を設けることで開ける未来もあるのだ。

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