1933年, テキサス州ブラウンウッド.
作家志望の女学生ノーベリン(ゼルウィガー)は, 地元で作家として知られるボブ(ドノフリオ)と知り合う。
水と油のように正反対で喧嘩の絶えないふたり。
それでも次第に距離は縮まりノーベリンはボブへの思いを募らせていく…けれど “縛られたくない, 僕は独りで生きる…”と重ねた手は払いのけられてしまう。。。


ノーベリン·B·エリスが, 約半世紀近くの教職を経て76歳の時に執筆した「One Who Walked Alone (=独りで歩いた者)」の映画化。
彼女が若き日に出逢った作家ロバート·E·ハワードとの思い出を綴った実話に基づくドラマです。


ロバート·E·ハワードとは, シュワちゃんの出世作『コナン・ザ・グレート』の原作「英雄コナン」を書いた作家。
本作にも名前だけ登場するH.P.ラブクラフトとはパルプマガジン “Weird Tales” を通じて親交があり, コナンに代表されるそのヒーロー冒険活劇はラブクラフトのクトゥルフ神話と共に今日へ続く怪奇SFファンタジーの地平を切り拓いた源流と言えるものです。


デートの帰り道の車中, ぽっかり浮かんだ月を見上げて二人が会話を交わすシーンがあるんだけど, 昔よ〜く似た会話をした事があって(//∇//)当時を思い出す映画。
ラブストーリーとしては地味な話ですが, ある出来事(ネタバレにつながるので自粛)が, 観る者の胸を打ちます。

いかにもコナン・シリーズの作者,というカンジに粗野な西部男だったハワードが, その一方では結核(当時は不治の病だった)の病床にあった母親の看病にとても献身的だったというのは初めて知ったエピソードで。
作家になるべく, ノーベリンは常日頃から見の周りの出来事を事細かに書き留めていたそうで, 本作のハワードの描写にはその記録がそこかしこに息づいているようでした。


小説の執筆より,デートの約束より,優先される看病。
“何故, 看護士を雇わないの?” と問うノーベリンに, ハワードが抱いていたかもしれない (彼女なら…) という淡い期待感は決定的に打ち砕かれたのかもしれず,
自身の自分本位な物言いにノーベリンは後に気付いて後悔したのかもしれず…

本当のところは分からないけど, こういうすれ違いやほんの少しの感覚のズレって, 事象は違えど恋愛には起こりがちで, 傍からすれば些細な事でもコノ人なら分かってくれるんじゃないか…なんて。
距離が近づけば突き放す‥. ハワードは, 相反する思いに人知れず揺れていたのかもしれません。
“若いとそれは許せず, 年を経れば許容出来るようになるけれど, 若いとそれを「妥協」と呼ぶ…”, 何かの小説にあった文章を思い出します。

裸

冒険作家ロバート・Ｅ・ハワードの知られざる恋を描いた伝記ロマンス

彼の晩年交際したノーベリン・プライス・エリスの自叙伝を映画化した

知られざる物語

それぞれの本について

関係性
ママも印象的

ロマンスがなんとも

雰囲気ある

レネー・ゼルウィガーがキュートでした

原作者（ヒロイン）のアニバーサリシネマ、これは文芸系統史の中でも比較的新しいけど、マニアックな部類かな？と思う内容。

『𝒪𝓃𝑒 𝒲𝒽𝑜 𝒲𝒶𝓁𝓀𝑒𝒹 𝒜𝓁𝑜𝓃𝑒』 という原作の回想録が未読だと関係ニュアンスが把握しづらい（ ハワードとおかんのやり取りなぞ）この小説のあと出版された後日譚も読みたいがなんか無い。