レコーディング・レベルと言ったけどランバートの方がフレディよりレコードに忠実に歌ってた。キーだけの話で言えば高音もしっかり出ていた。本作を観るとフレディはかなりフラットにアレンジして歌ってるし伸ばすところをシャウトにしてる。ライヴならではの揺れやブレがある。 これってフレディがレコーディングどおり歌えないてことじゃなくてボーカルリスト、パフォーマーとして優先させるものが再現ではなくオーディエンスを圧倒することに主眼を置いてるからだと思う。とにかくアゲアゲでアグレッシブで猛々しいんだよフレディは。「Save me 」のような泣きのバラードすらも雄々しく叫んで歌う。歌いあげるというより、声を投げつけ浴びせかける唱法で、声も鋼が飛んでくるというか、レーザービームのような声質なんで聴き惚れるというより撃たれ捩じ伏せられる快感がある。ここが正確無比で聴き惚れさせるタイプのアダム・ランバートとの決定的な違いなのかと思った。 後は人間力の違いも多いかな。フレディはとにかく自己肯定の塊で貴族気質。そこから来るドヤり感が溢れ出てる。常に自信に充ちてて雄々しい。だから曲がアッパーに跳ねる時の爆発力が半端ない。「BOHEMIAN RHAPSODY」のオペラパートが明けてからの"So you think you can stop me ~♪"のとこなんてテンポ感も変なんだけどドヤりとレーザー高音絶叫でとてつもなくかっこいいんだ!同じパート、ランバートは正確無比だったけど、だけにかもだけどちょっと物足りなかったんだよな。
なんかフレディとランバートの比較だけで本作のことにあまり触れてないので、少しいうと、このライヴ、「another one bite the dust 」 がアメリカで大ヒットしてようやくアメリカで商業的に当たった時のものでイントロのベースラインをジョン・ディーコンが弾いた時に大歓声が上がった。みんなこの曲を待ってた空気感が伝わって時代を強く感じた。この時期のQUEEN、ジョン・ディーコンとフレディ主導でディスコやファンクに傾倒するんだけど、ブライアン・メイはそれを快く思っておらず(ソロが弾けない曲が多いからな笑)、アメリカでは当たったもののヨーロッパ(おそらく日本も)でセールスが落ち、フレディとディーコンの責任を激しく糾弾したり、バンド内の空気はかなりギスギスしていたらしい。その不穏な感じもしっかりパフォーマンスに出ている。 選曲も今は絶対にやってくれないナンバーもあり、80年代初期QUEENを完パケした貴重な作品だと思う。
Bohemian Rhapsody (Live) (HD) - Axl Rose / Elton John / Queen https://youtu.be/NNaLax4T-oM?si=8VWqgk6QOlmzso09